ステァウェイ トゥ ヘブン ぴかろん
綴りがハッキリわからないのでカタカナで表記しておこう
僕はチョンウォンだ
オーナーからの命令で、いろいろしなきゃいけないことがあるってのにこの『ステアウエイトウヘブン』に来ている
ぎいっとドアをあける
なかなか洒落ているな。コンクリートのうちっぱなしの壁。間接照明
ここのオーナーはきっとクールでスタイリッシュな感覚の持ち主だな。どういう意味かはよくわからないが・・新語だし・・
「やあ、よく来たね」
「ムッ、貴様は」
「おや、誰かと思ったら…ンフ…あの時の…えーっと…」
「僕はチョンウォンだっ!」
「社長、この男性は?」
「ああ、チャン理事。大丈夫だよ。彼はンフ、僕の親友のようなものだよンフ」
なんだこいつ。いつも鼻で笑う嫌なヤツ
フンッ
「ねえ、チョンウン?君はどうしていつもそんなにおすまし顔なんだい?」
「僕はチョンウォンだっチョンウンじゃないっそういう貴様は…えっと…」
「僕?ソンジュ。チャ・ソンジュ。君何しにここへ?あっまさか僕のかっこよさの秘密を探りにきたの?」
「かっこよさ?フンっ何言ってる。貴様のどこがかっこいいのだ!」
「アハッ…そう…例えばこれさ」
「あっ…ブーメラン…」
「ンフ。これは、せいっ!…パシッ…ほぅら、戻ってくるだろう?ンフ…愛は…戻ってくるんだ」
「フンっ僕だってそんなものぐらい簡単にできる!貸せ!せいっ!」
ぼと
「うっ…」
「ンフ…だめだよ。風に向かって45度で投げなきゃ」
「…風?そ、そうか。よし、見ていろ、せいっ!」
ぼと
「うっ…」
「社長、こちらには何をお出ししたら…」
「そうだなぁ、ンフ、君、何か飲む?」
「僕は酒。何でもいい。酒。グイグイ飲むのが男だ!」
「…社長どうします?」
「ウォッカかテキーラでも出す?」
「…酔いつぶれますよ…」
「ンフ。いいじゃない。酔いつぶれたら外へ出せば」
「かしこまりました」
「せいっせいっ!…うまくいかないな…なぜこんなへんな顔の男にできて僕にできないのかわからない…
ああ、きっとへんな顔の男にしか飛ばすことができない装置がついているのだな。では、やめておこう」
「ねえ、チンウォンくん」
「チョンウォン!」
「そう。どうでもいいけど、君何しにきたの?」
「…ここ、ホ○トクラブだろ?」
「ンフ、そうともいうね。けど僕はそうは呼ばない」
「何?」
「…ここは…ンフ…モムチャンクラブさンフフ」
「も…モムチャン…クラブ?ではホ○トは皆、腹が田の字なのか?」
「腹が田の字?聞いたことないなぁ…。ま、僕だけがお腹もボンレスハムになってるけど…見たい?見せようか?ンフフ」
「いらん!では他の従業員は?」
「他かい?…見たいの?よした方がいい。僕以外はちょっとマニアックなお客でないと堪えられないよ」
「何?どういうことだ」
「そう…ホ○ト全員、コケティッシュっていうか…わかりやすく言えば、アクが強いかな?ねぇチャン理事」
「は、お呼びですか?」
「ああごめん、チンウン君にお酒を用意してたんだね?」
「チョンウォンだって言ってるだろ?お前…バカ?」
「ンフ…馬鹿っていう奴が馬鹿なんだよ。知ってる?」
『…知らなかった…』
「それでね、実際僕の店のホ○トに会うと、みんな引いちゃうんだよね〜」
「左様でございます」
「引く?何を?直線をか?」
「君…馬鹿?」
「あっ馬鹿っていった奴が馬鹿なんだぞっ!」
「アハッしまった。一本取られちゃった。ンフ」
「引くって?」
「しかたないなぁ写真見せてやるよ、ほら」
「…こ…これは…これは…なんなんだ?」
「ンフ。うちのホ○ト」
「…に…人間なのか?」
「人間。一応」
「…しかし…」
「これがテファでチョルス。濃いでしょ?大抵お客さんは引くね。よっぽど鈍感な人でないとね。それからこれがチョンソパパ
この人は、影が薄いんだ。でも、掴まるとしつこくて、手をにぎったり顔を触ったり、そして泣いたりする」
「社長とよく似てらっしゃいますが…」
「え?顔?そうかなぁ」
「いえ、行動が…」
「ンフ、そう?まあいい。それでこれがテファパパ。歌がうまいけど、すぐ人から金を巻き上げる
あとはチャン理事と僕。チャン理事は素敵な紳士だよ。通せんぼが得意さ」
「恐れ入ります」
「ふーん…お客は入ってるのか?」
「とーぜん…といいたいところだけど…イマイチホ○トの人気がなくてねぇ。ま、ただのお遊びで開いた店だからね。いいんだ。ンフ
でもほら、ホ○トクラブとしては破格の設備があるんだよ。来てごらん」
「なんだよ」
僕はソンジュという馬鹿の後をついていった
「うわああああっ」
僕はびっくりして尻餅をついた
ドアを開けると、メリーゴーランドに壁画、それにモノレールまである
「なんだよ、こんなので驚いてんの?ほら、見て」
奴が指さした方を見て僕は立てなくなった
スケートリンクだ…。すごい…
「この間の旅行でいった温泉の遊園地に似てるなぁ」
「ああ、あの温泉は僕の母が経営してるんだ。僕はあそこの次期社長さ。ンフフ。でもあそこにはスケートリンクがない。こっち来て」
「なんなんだ」
次のドアを開けると白いグランドピアノが置いてあった。そしてその上に…不気味な人形が…
「なんだこれ。呪いの人形か?」
「ンフ。かわいいだろ?家族の人形さ。これが僕でこれがチョンソ。そしてこれがチョンソパパでこっちが僕の母だ…
チョンソ…ハン・ジョンソ…そう言えばあの温泉で見たあの人。あれはチョンソだろ?そうだろ?」
「は?知らない。そんな人知らないぞ…しかし、この人形は…怖いな」
「かわいいだろ?」
それにしても設備だけはすごい
よくわからないがどんな客がくるんだろう…
まあいい
オーナーには「遊園地のようだ」と言っておこう
「お酒、飲まないの?」
「ああ、忘れてた」
僕は一気飲みをした
気がつくとベンチで寝ていた
『足を揃えて寝るなんて、なかなかできないよ、ンフ
君ってやっぱり御曹司?ンフ。またブーメランやろうね。チャ・ソンジュ』
…
びば・おーるどぼーい 妄想省mayoさん
「ごめんくださいませぇ〜〜ぴかろん家政婦紹介所から参りましたぁ」
店内に入りざっと見回すmayo
(内装が違うスペース…こっちはぁ…ガラス張りの高級なペントハウス風?
そっちはぁ…「壁紙が幾何学模様」でパープル系かぁ…ちょっと異様だな…ん?あっちの鍵のかかった部屋は??)
「どなた?」
「アンニョンハセヨ…紹介所から参りました…mayoと申します…よろしくお願いいたします」
「そう…私はここのオーナー、チャヌク。よろしく。いつもBHCにいるんだって?」
「ア..イエ..最近は..大体..」
「そう。あそこは実に多彩なメンバーが揃ってるね。楽しそうだ..あっ、スヒョク君は元気か?スヒョク君もあれから人気者になったからな
そうだ、スリーモンスターの監督もBHCにスカウトされたんだろう?さすが、早いな…
彼も体を張って頑張ってくれた。それもノーギャラで出てくれた。実にありがたい
(額の汗を拭くオーナー…ハンカチの模様…ん?壁紙と同じだ…)
「[おーるどぼーい]従業員はメインが4人だから…」
「…サラリーマンデスさんとパーマデスさんとウジンさん、すし職人のミドさん…」
「はは…そうだ。たまにガンボ君やハギュン君にヘルプしてもらう」
「あっ、『復讐者に憐れみを』ですね?」
「オホォ〜〜知ってるの?知ってる人は少ないはずだよ?」
「ネ..ガンボさんに引けをとらないメッシュの緑髪のハギュンさんの目演技、見事でした」
「はは…そうか。あれを観てればこの店でも大丈夫だな
うちの店はね、かなり好き嫌いの分かれる店でね。愛はあるが苦しみも多い
僕のコンセプトが【復讐】だからね…それにうちのメニュ…」
「メニューは[餃子]と[生きタコ]..お客さんにもひたすら[餃子]を食べてもらい..
トレーニングでシェープしたら、[生きタコ]に挑戦してもらう…ミドさんのおすしはそれからですか?」
「さすが、敏腕家政婦だね…それから…」
「ウジンさんの[ヨガ講座]でバッタのポーズをクリアする..そして最後にあの鍵のかかる部屋ですか?」
「ん〜〜見事だ。あそこは[他言無用部屋]…帰る前にあの部屋に寄ってもらう…必ず…
じゃ、撮影があるから失礼するよ…あっ、デスが2人ともいないときは僕が撮影してる時だから」
「はい。『親切なクムジャさん』ですね?」
「まいったな。そうだ…じゃ」
=店中央
「こんにちは」
「お..で…す..」
(*壁紙と同じ柄の傘…シャツから腹がはみ出ている酔っ払いサラリーマン..テスだ..オモオモ..脱いだ..転がった.ぁ..ぁ..アイゥ〜)
「テスさん、ダメです。ここで用たしちゃ…」
「娘の誕生日だぁ…でんわ…す…るっ!…」
=幾何学模様のスペース
ザッ..ザッ..ザッ…クチャクチャクチャ…ドン!ドン!ドン!(壁を削る音・餃子を食べる音・壁をたたく音)
「ドゥグヤ!ドゥグヤ!ドゥグヤ!(誰だ!)ここから出せっ!」(見事に10kg痩せたパーマオ・デス…)
=ペントハウス風スペース
ガラスの窓際でバッタのポーズのウジン…テーブルの上に大きなリボンの箱が…この箱の模様も…壁紙と同じだ
(シャワーは浴びてないのかナ…イナさんに匹敵するウジン@ユ・ジテの後ろ姿オール○ードはすごかった…ふふ…
あっ、またこんなこと言うと皆に「怪しい奴..」っていわれちゃうか..)
**オーナーも能書きが多かったけど、お客さんも覚悟がいるな…この店に来るには…**
ブラザーフッド男組 妄想省mayoさん
「こんにちは…」
「デッデッデッデ…#####…ヒュー…ドカァーン…バババババ…ドォーン!!...デッデッデッデ...バババババ…ドカァーン…ドォーン……」
「おい!衛生兵っ!衛生兵っ!早くっ…」
「くそっ…俺たちを孤立させて一気に攻め込むつもりか…エ〜ィ…こんなところにいたら皆無駄死だ…」
「あの…」
「誰っ!あんたっ!..そんなとこに突っ立てると、弾当るよっ!」
「えっ?」ヒュー……ババババババ………
「ほら、危ないって!...ったく…もう〜全員〜…演習中止!!〜」
「ラジャー!!」
「ふぅ…で、何..何か用?」
「あ、すみません…あの…びばおーるどぼーいからの紹介で伺いました。オーナーいらっしゃいますか?」
「え?オーナー?ちょっと待ってて…」
「(敬礼) 忠誠!!..オーナー..びばおーるどぼーいからの紹介で来たという迷彩服の怪しい人物が来ておりますが。男か女かわかりませんっ」
「ん?おーるどぼーいの??..あ〜〜ぁ、わかった。今いく」
「忠誠!!..(直立不動..敬礼)」
「おーるどぼーいのチャヌク君の紹介は…君かな?」
「あ、はい..mayoと申します」(敬礼しようとする…)
「ぁ~~いいよ…僕は普通だから。はじめまして。僕はここのオーナーのカン・ジェギュ」
「はじめまして..よろしくお願いします」
「おーるどぼーいの方は、開店休業状態でしょ?」
「はい。デスさんも次作で先生になったかと思えば、ボクサーになったり、今度は復讐される役を撮影中で…」
「ウジン君は?」
「ウジンさんも南極の後、次作でソンジュさん…(違う)クォン・サンウさんとの共演作の撮影控えてますし…」
「ははは…それじゃぁ閉めた方がいいな。資料館でもした方がいいようだね」
「はい…」
「この店はホ○トクラブとして作ったつもりなんだが…」
「女性客が少ないんですね?」
「そう。ドンゴン君やウォンビン君が店にいる時は女性で満員になるんだが…2人が不在の時は女性客が全く来ないんだ」
「それでは店としてやっていけない…人数が多い分経費がもかかりますね」
「そのとおり。営業のおかげで最近は[精神を鍛えたい]とかって、男性客も増えてきた。助かってるよ」
「オーナーは事業家として成功してらっしゃいますから…」
「うん?」
「1997年[地上満歌]で興行に失敗し1998年カン・ジェギュフィルム設立、1999年2作目の[シュリ]が大成功
その後シネコンオープン..総合エンターテイメント会社設立..大型映画専門の投資組合の設立と事業展開をし..
韓国映画界に貢献なさってる…今また監督業に専念なさるとか…」
「ははは…まいった。チャヌク君の言ってた通りだ…君の調査はかなり緻密だってね」
「いえ…そんな大層なことでは…」
「いやいや…事務所で働いて欲しいくらいだね。どう?」
「いえ..私はBHCが好きですので…」
「ん〜〜そうか…じゃぁ…ここではドンゴン君とウォンビン君がいる忙しい時に手伝ってもらいたい。それならどうかな?」
「……少し考えさせてください」
「ん、わかった..いい返事を期待している」
「ぁ…はぁ…それでは失礼します」
「ヒョ..ヒョゥォ〜ン!」
「(ん?この妙に鼻にかかった声のヒョゥォ〜ンは…)お?デヨンさん!…」*デヨン=誰秘密3姉妹・弟
「ヒョゥォ~~~~ン!」
「(ぁ~~たしゃ一応女だちゅ〜に!)…元気にしましたか?」
「ううん、ううん。僕は訳もわからずに北の義勇軍に連れて行かれたんだ…それで…それで…」
「うん、うん、わかってる、わかってる。泣かないの。ん?」
「南の人間だって言っても誰も信じてくれないんだ…ジンテ兄貴(ドンゴン)も信じてくれないんだ…人が変わっちゃて・・」
「うん、うん..ジンソクさん(ウォンビン)は?」
「ジンソク兄貴はたまにしか店に来てくれないし…来てもいつも女の人に囲まれてるし…ここにいると、いっつもいじめられるんだ・・」
「うんうん。わかった。ほら、おやつ。仲間と分けて」
「;;ToT;;..ヒョ・ヒョゥォ〜ン!」
「そうだ。時間のあるときにBHCに顔出してみたら?」
「えっ?BHC?」
「うん。映画のプロモ落ち着いたから、スヒョンさんいるから」
「ス..ス..ヒョン兄貴がいるの?お?…ヒョ・ヒョゥォ〜〜〜ン..;;ToT;;..」
「BHCの場所わかる?」
「うん。たぶん…」
「じゃぁ…来てみればいいよ。ねっ」
「うん…」
『ふぅ……まっ、デヨンさんがBHCに来たら後はスヒョンさんにまかせよう。 てんし だから
毎日こんなとこにいたらおかしくなっちゃう…BHCに帰ろぉ〜〜っと..やっぱBHCが一番さっ…』
パーティ・イン・ステァウェイ・トゥ・ヘヴン〜序章 ぴかろん
それはまだミンチョルがクリスマスケーキを作成しておらず、熱も出していなかった昨年末のある日のことだった
「おーいみんなぁ」
「…なんだよテプン」
「聞いてくれ。今からBHCの忘年クリスマスあけましておめでとう会をやる」
「…テプン…ちょっと待て。忘年会とかクリスマス会とかは判る。クリスマスも明後日だしな」
「うん、今日は12月23日だ」
『そういう設定なんだな…』「だからそれは判る。でも『あけましておめでとう会』はどうなんだ?気が早くないか?」
「うん。早い」
「じゃあ、それは抜いたら」
「まあいいじゃん」
「よくない。そういう季節の行事はキチンとしろと、孤児院の先生がおっしゃった」
「ウシクはうるさいなぁ。ウシクさあ、年明けから忙しいんだろ?」
「ん?あ…ああ…N*Kの事か?いや、僕自身は別に忙しくないけど」
「でも自宅で奥さんと…あ…まだ結婚してないのか?まあいいや、先に孫作っちゃえ…
で自宅で未来の奥さんとあの、出会いの時を振り返ってお父さん孝行するんだろ?」
「あ…いや…まあ…その…あー…」
「ひひひ、照れてやんの。いいよな、あの奥さんは、誰かさんの奥さんと違って無理言わなそうだし」
「まあ…な。最初にものすごい無理を頼まれたから…それ以来無茶な事は言わないもん。えへへ。靴下だって洗ってくれたし〜」
「…デレデレすんなよ、オレは辛いんだからな!」
「あ…ごめん」
「だから、まあ、そのタイトルはなんでもいいんだけど、つまり、オレたち自身も楽しまなくちゃなって事でさ」
「忘年会?オーナー絡んでない?」
「大丈夫だ。オーナーは忘年会には口出ししないって言ってた。思いっきり騒いでいいって(^o^)」
「ホントか?」
「うん」
「…どこでやるんだ?」
「ああ、それなんだけど、チョンウォンの調査でいい場所があるってわかったんでさ、そこ、さっき予約しといた」
「え?さっき?こんな年末の、それもクリスマス前によく当日に予約できたな」
「そうなんだよ、穴場らしいんだ。チョンウォンの情報だから確かかどうかはわかんないけど…」
「ちょっと待て。ということは、情報提供者としてチョンウォンも来るのか?」
「さあ、今日はBHCに貸し切りってことにしてもらったから…。じゃあ今から行きまーす
はい、みんな〜、テソンも片づけいいから、早く用意して〜、テソン、包丁いらないって。料理も向こうでちゃんと用意してあるって!
mayoさんも早く!芋はもういいから!テジン!オーナーの椅子なんかガタついてても構わない!えーと、あとは…イナさんは?」
「なんか誰かと温泉に行くからって…」
「何?いつから?」
「大晦日あたりじゃないか?」
「ちょっと、ウシク、捕まえてきてよ!」
「…わかった…」
「えーとあとは…シチューン」
「用意できてますよ」
「チョンマンは?」
「ウキッ」
「よし。二人でドンジュンを捕まえてこい!アイツこないだからまた人の目を見ようとしなくなったからな!」
「…俺達が行くとあいつ暴れますよ…」
「なんで?」
「俺達のせいで人間不信になったらしいから…」
「…何やったんだ?」
「あれ、テプンさん、まだあのビデオ見てないんだ」
「ビデオって何?見たい見たい。じゃあそのビデオも持って行こう。あっちで上映会しよう!」
「…えっ…」
「スヒョンさあん!ドンジュン連れてきてくださいよう」
「…」
「スヒョンさああん」
スヒョン、冷たい目でドンジュンを見ている
ドンジュンはずーっと俯いている
「呼んでるよ」
「呼ばれてるのはスヒョンさんでしょう?」
「…。僕がどうして呼ばれてるのかわからない?」
「…」
「君がいつまでもそうやっていじけてるから」
「僕が人間不信に陥ったのは、あなたとシチュンさんとチョンマンのせいなんですからねっ!」
「…ふぅうぅうん…そんなこと言うんだ…。寂しいな…。僕は君に、何があっても動じない強いホストになってほしかったんだけどなぁ…」
スヒョン、寂しそうな素振りを見せる
ドンジュン、ちらりとその表情を見てハッとする
「あっ…う…」
「今『騙されちゃいけない』とか思ったでしょ?」
「…」
「…悲しいな…どうして僕が君を騙すの?」
「…」『騙したくせに!』
「…そんな風にしか取ってくれないんだね…」
「…」『絶対その手に乗らないぞ!その寂しそうな顔に何度騙されたか!』
「…うっ…うううっ…」
「?」
「うっうううっうっ…僕はBHCを辞めるよ…君が僕をキライなら、僕はここから離れる…ううっ…それでいいだろう?
そうすれば、君はここで楽しく働けて、ご家族に送金だってできるううううううっ」
「…ス…スヒョンさんっ…な…泣いてるんですか?」
「君が…君がっ…僕を…信用してくれないから…」
「だってスヒョンさん…僕に優しくしたかと思うと急に冷たくしたりして…僕、スヒョンさんが何を考えてるのかわからなくて…
ごめんなさい…泣かないでくださいスヒョンさん…」
「うっうううっ」
「…それに…ジュンホ君が入ってきたら、なんだか嬉しそうにそっちばかり行くし…」
「…彼は…とっても未完成なんだもの…ホ○トとして…。だから…たくさん指導しなくちゃならない…それに君はもうミンチョルの指導下におかれたじゃないか…」
「…ミンチョルさんの指導は、面白いです。経営者としてのノウハウなどでとても話が合いますし
それに、何をどうやって売り出すかなんて話題になると、二人とも熱気を帯びちゃって…」
「ほらみろ…君は、まるで僕が君を捨てたように思ってるみたいだけど、…君が僕を捨てたんじゃないか!」
「え…」
「ミンチョルを選んだ…」
「あ…の…でも…ミンチョルさんに教えて貰えって言ったのはスヒョ…」
「僕がそう言ったら、君はすぐにミンチョルに鞍替えしたじゃないか!ううう…冷たいのは君の方だ!」
「え???…僕が…いけない…んですか?」
「…ひどい人だ…君は…」
「…そ…そんな…」
「…君が短期間で成長してしまって、僕はもう何も教えることがなくなってしまった…そんな短期間で成長してしまうなんて…ひどいよ…」
「…そんなこと…言われても…」
「ジュンホ君なんか、まだひとつも何もできないんだぞ!」
「…でも楽しそうに指導してませんか?」
「…う…た…楽しいよ…楽しいけど…君のように『打てば響く』わけじゃない…時々辛いんだ…何度も同じ事を言わなけりゃならない…わかってる、クモのせいだって…
そこが彼のかわいらしいところでもあるんだけど…でも…時々疲れてしまう…そんなとき、君の方を見ると…ミンチョルと楽しそうに話をしている…僕のことなど忘れて…ううう…」
「…そんな…そんなこと…ありません。だって僕にとっての初めての指導者はスヒョンさんなんですから!スヒョンさんがいなければ、僕、ここで仕事なんてできませんから!」
「…ドンジュン…」
「スヒョンさん、ごめんなさい。僕、からかわれてるんだと思ってた。スヒョンさんが僕のことそんな風に思ってくださっていたなんて…。ありがとうございます!」
「ドンジュン…」
「スヒョンさん…」
「僕は、君の…なんだっけ?」
「スヒョンさんは、僕の、初めての」
「指導する…なんだっけ?」
「人」
スヒョンは意味ありげにニヤリと笑い、指をパチンと鳴らした
「サンキュ、ドンジュン。よく言ってくれた。さあ、テプンが呼んでる。行こう!」
「はい!スヒョンさん」
「おい、チョンマン、うまく撮れたか?」
「うん。『スヒョンさんは、僕の、初めての』『人』…はああ〜。スヒョンさん、このテープ、何に使う気なんだろう…」
「うーん、ドンジュンを騙す大掛かりなプロジェクトだなぁ」
「飽きたんじゃなかったの?あの人」
「飽きたんだよ、確かに。でもさ、ミンチョルさんとイキイキと話すドンジュン見てヤキモチ妬いたんじゃないの?…俺のモンだって…」
「…ねえ…あの人ほんとに天使キャラだったの?人を幸せにするキャラじゃなかったっけ?」
「…きっと幸せにしすぎて反動がでてるんだよ、なんかお父さんに破門されたらしいし」
「破門?勘当じゃなくて?」
「破門って言ってた…よくわからないけどさ…こんなことし続けてたら、破門、絶対解かれないよね」
「うん…」
「「はあああ〜」」
なんだかんだ言いながら、悪魔のようなスヒョンの片棒を担ぐ二人である
「もう〜おそいなぁ、早くしないと間に合わないよ!あと、ラブ〜。早く服きろよ!風邪ひくぞ!
ジュンホも!なんでグローブつけてるんだ!医者から止められてただろ!もうっ!後は…ああイナさん、間に合った。早く早く、バスが待たせてあるから!
え?温泉の打ち合わせ?明日でいいじゃん!パーティーは今日だけなんだから!
ミンチョルさんっ!髪の毛はバッチリ決まってますって!え?家に電話?しなくていいじゃん!前はしてなかったくせに!はい、してませんでしたよ
早くのって!これだけだったかなぁ…。まあいいや、だれか忘れてるかもしれないけど、じゃあしゅっぱぁつ!あっイヌ先生!そんなとこで人の携帯見つめてないで!早く乗って!」
こうしてBHC貸し切りバスは、BHC貸し切りとなったステァウェイ・トゥ・ヘブンへと、『忘年クリスマスあけましておめでとう会』をしに向かったのである
ステァウェイ・トゥ・ヘヴンにて… ぴかろん
「ここだよ、チョンウォンお薦めの店」
「へええ。…うわっほんとだ。誰もいないよ、貸し切りだね、テプン」
「ようこそ、ステァウェイ・トゥ・ヘヴンへ。んふ」
「…お…お前は…」
「嬉しいよ、皆さん揃ってうちの店に来てくれるなんて…。チャン理事!注文取って」
「はい、皆様、お食事の方はあちらにご用意させて頂きましたので、お飲み物の注文を取らせていただきます」
「食事?」
「テソンシ、目つきが危ない!」
「ああ…ごめんmayoさん、どんな奴がどんな風に作ったかとても興味が湧いて…あの、料理人はちゃんと手を洗いましたよね?」
「テソンシ!」
「たばこを吸ったりしてないですよね?」
「テソンシ!」
「はい、大丈夫です。お飲み物は何に?」
「僕は…梅のお茶を…」
「かしこまりました。そちらの方は?」
「mayoさんはコーヒーだよね?」
「う…今日は梅のお茶に…」
「僕に合わせてくれてるの?いいよ、mayoさんの好きなものにすれば」
「梅のお茶を…」
「はい。かしこまりました」
「オレ、牛乳」
「僕はコーヒー」
「僕は焼酎」
「オレ、ワイン」
「僕は、そうだな、テキーラ」
「スヒョンさんがテキーラなら、僕もテキーラにします」
「ドンジュン、自分の好みのものを選びなさい」
「いえ、僕、テキーラがいいんです」
「ドンジュン…かわいいね」
「…え…いえ…そのっ」
「ウキッビール、ピッチャーで6つ!僕、自分で持つ!」
「オレは〜そーだなぁ、カンパリ」
「ぼ…ぼくは…あの…とまとじゅーすを…」
「…みなさん、お酒もたくさん用意してございますが…」
「ああ、気ィつかわないで。みんなけっこう下戸なんだ。適当になんか置いといてくれたら勝手にやるからさ、ありがと」
「はあ…そうですか…」
「んふっ…じゃあ、存分に楽しんでくれたまえ。さあ、あちらにごちそうが用意してあるよ、どうぞ」
ソンジュ、扉を開けるとBHCのホ○ト全員がわあっと歓声をあげた
「フフン。驚いたろ?素敵だろ?」
「…おい、なんなんだこのスケートリンク」
「ごちそうって…リンクの真ん中に置いてある…」
「そ。あそこまで行かなきゃ食べれない」
「…スケート靴はどこだ?」
「スケート靴?…シロウトはこれだからな。いい、見てて」
ソンジュ、靴のまま、テロテロテローっとリンクを滑る
「こうやって行くんだあああああっ」ドデン☆「んふ。ころんじゃった」
「…馬鹿か?」
「イナ、わかってるだろう?馬鹿だ」
「ミンチョル、これはいいかもしれないぞ。リンクでああいう風に滑って転んで頭を打ったら思い出すかもしれない!」
「イナ…僕は記憶を取り戻すべきなんだろうか…」
「当たり前だろ?偽装は苦しくないのか?」
「苦しいさ…。でも…なんだか記憶を取り戻すよりも、頭をぶつけてもう二度と昔の事を思い出さない脳になったほうがいいんじゃないかっていう予感がして…」
「何言ってんだ、馬鹿!」
「…あの馬鹿と一緒にしないでくれ…」
「とにかく、今日はイヤな事は忘れて騒ごう…っつったって…このリンクで騒ぐのか?テプン!テプーン!」
「なんだよ」
「危険じゃないのか、このリンク」
「大丈夫だよ、こけたって大した事ねぇよ!」
「俺達はいいけど、ジュンホが…」
「あ…そか…あいつ…頭にダメージ与えるとやばいんだったよな…」
「そうだよ!」
「ちょっとあの馬鹿と相談してくる」
「おい、あの馬鹿と相談しても素敵な名案は浮かばないと思うが…」
「そうだな…じゃ、あの理事ってヤツと相談するわ」
「…その方がいいだろう」
「スヒョンさん、行きましょうか」
「ちょっと待ってドンジュン、君、一人で行けるだろ?」
「は?はい、行けますけど」
「僕はジュンホと行く」
「…ス…スヒョンさ…」
「…また涙目になる…。いいかいドンジュン、ジュンホは頭を打ったらだめなんだ。知ってるだろ?」
「…は…はい…そうでした…」
「だから僕が手を引いていくんだ。わかるね?」
「…」
「わからない?」
「…別にスヒョンさんが手を引かなくても、他にいっぱい人がいます…」
「フフ。かわいいなぁ、ヤキモチ?」
「ちっ違います!」
「フフ。違うならいいよね?」
「…」
「い・い・よ・ね?」
「…」
「あっドンジュン!」
ドンジュンむくれてさっさとリンクを滑り歩く
スヒョンは少し笑って後に続こうとして滑ってこける
「イテっ」
「…」
ドンジュンが目を真ん丸にしてスヒョンに滑り寄る
「だっ大丈夫ですか?スヒョンさん…」『ちょっと…かっこ悪い…』
「イテテ…君、どうしてそんなスイスイ歩けるんだ?」
「立てますか?よいしょ」
「あっあああああっ」
スヒョン、また滑ってこける
『まずい…かっこ悪い…』
スヒョン、かなりマジで表情を曇らせている
『すごい。スヒョンさんのこんなにかっこ悪いところ、初めて見た…ふふふ』
『くそう…よりによってドンジュンにこんなところ見られるなんて!…』
「スヒョンさん、これじゃあジュンホ君のエスコート、無理ですねえ…クスクス」
「…」
『あ…怒った…くすくす』
「馬鹿にしただろ…」
「あ…いえ…その…」
「笑ったし…」
「え…あの…だって…その…」
「すひょんさんだいじょうぶですか」
「ジュンホくん!」
「よいしょ、きをつけてくださいね。あまりあたまをぶつけると、くもがきます」
「ありがとう、僕よりもジュンホ君、君の方が気をつけなくちゃ」
「だいじょうぶですよ、あのちゃんりじがいいものをかしてくれました。すひょんさんもかりたらどうですか?」
「何?イイモノって…」
「くつのうらがはりになってます」
「はり?…何この靴…」
「これでこおりのうえでもすべらないよって」
「すべらないけど…氷割れないのかなぁ」
「いいって。われたらまたはりなおすって」
「…そう…僕も借りてくるよ。ちょっと待ってて、一緒に行こう」
「はい」
スヒョン、チャン理事の所へ急ぐ
それをみていたドンジュン、ジュンホを誘ってリンクの中央まで歩いて行く
「まってろっていわれました」
「いいんだよ、たまには裏切っても」
「え?うらぎるのはいけません」
「大丈夫、すぐに追いつくよ」
「そうですか?」
「うん」
「あなたは…えっと…」
「ドンジュンです」
「どんじゅんさん、あなたもこのくつをかりたのですか?」
「ううん、普通の靴だよ。ほら。他の人もうまく滑ってる」
「ほんとだ。すごい。ぼくもふつうのくつですべりたいけど…あたまをうつとつまがかなしむし…」
「そうだね。危ないもん、ほんとはね」
「でもあなたはどうしてそんなにうまくすべれるのですか?」
「僕?僕、昔シベリアってとこに行ってね。氷の大地なんだよ。そこで歩きなれてるから」
「ふううん。すごいですね」
「はあはあはあ、ジュンホ君!待っててって言ったのに!はあはあ」
「スヒョンさん、うまく歩けますか?クスっ」
「歩けるよ!君か?ジュンホ君を連れてったのは!」
「そうですよ」
「僕がジュンホ君を連れて行くって言ったのに!」
「…すひょんさん、おこりましたか?」
「君には怒ってないよ、ジュンホ君」
「…じゃあどんじゅんさんにおこりましたか?」
「少しね…」
にらみ合うスヒョンとドンジュン
「おこってはだめです。なかよくしてください。たべものはいっぱいありますから、すひょんさんのぶんもたくさんありますから」
「ジュンホ君、僕は別に食べ物が…」
「どんじゅんさんはしんせつにてをかしてくれました。だからおこらないでください」
「…ジュンホ君、わかったよ…君はほんとうに純粋だね…あっ!」
スヒョンがジュンホを抱きしめようとしたのを察知したドンジュンは、ジュンホの手をひっぱり、歩を進めさせた
「ドンジュン!」
「なんですか!」
「…」
「…」
「けんかしないでください。なんでけんかするのですか?たべもののことですか?」
「違うよ!スヒョンさんが君を抱きしめようとしたから…」
「誰がそんな事しようとした!」
「解ってますよスヒョンさん!あなたの手口は僕が一番よく知ってるんだから!」
「手口だって?!人聞きの悪いこというな!」
「けんかはやめてください」
「けんかなんかしてないよ!うるさいな!」
「ジュンホ君に向かってうるさいとは何だ!」
「おいおい、チョンマン、スヒョンさんとドンジュン、ジュンホをめぐってケンカしだしたぞ!」
「スヒョンさん、どうしたんだ?」
「なんかカッカしてないか?」
「さっきまでドンジュンとラブラブだったのになぁ」
「ジュンホにちょっかい出すからドンジュンが嫉妬したんじゃないの?」
「…それって…一体どういう関係なのさ…」
「知らないよ。ジュンホが困ってるからこっそり助けにいこうぜ」
「ウキッ」
スヒョンとドンジュンが言い争っている間に、チョンマンはバナナをヒラヒラさせてジュンホをテーブルに誘導した
「僕がジュンホ君を連れて行くと言っただろ?」
「スヒョンさんには無理です!」
「…僕が滑って転んだからって馬鹿にして!だからジュンホ君と同じ針靴を借りてきたのに!なんだって君がジュンホ君を案内するんだ!」
「スヒョンさんには無理です!」
「もう大丈夫だ!」
「スヒョンさん、歩いてみてください!」
「歩いて?何言ってる、今ここまで歩いて来たんだ!見てたろう!ホラ、ホラホラホあああああっ」ズテン☆
「…ほら…」
「な…なんでこの針靴で歩けないんだ?」
「スヒョンさん、氷の上をズリズリ走ってきたでしょう?」
「…」
「針の間に氷のかけらが入り込んで、針の役割をしてないんです!」
「え…」
「つまり、普通の靴と一緒になっちゃってるんです!慌てるから…」
「…」
「そんなスヒョンさんにジュンホ君を任せることはできません!」
「…でも…あそこで待っていてくれたら、ちゃんとゆっくり歩いてあそこまで…」
「スヒョンさんはダメです!」
「なんで!」
「そんな浮き足立った人にジュンホ君を任せられません!」
「…」
「スヒョ…スヒョン…スヒョンさんはっうううっうっうっ…氷の上にはううっうっうっ向きません…っううっかっこ悪すぎますっうっううっぅっ」
「…なんで君が泣くの?…泣きたいのはこっちだよ…」
「あうっあうっ…僕っスヒョンさんの、こんなかっこ悪い姿…見たくありませんっうううっ」
「…さっき笑ったくせに…」
「うっうううっ…ごめんなさい…笑ってから…悲しくなりましたっうううっ…」
「ドンジュン…」
「スヒョンさん…」
「…」
「スヒョンさんにはいつもかっこよく居て欲しいんです、僕…」
「…」
「僕の憧れの人ですから…ね?」
「…」
「じゃあ、僕がスヒョンさんをエスコートしますから、僕に掴まって」
「…」
「どうしたんですか?スヒョンさん、掴まって」
「…あ…いや…いい。自分で行く…うわっ」
「ほら〜、針が針の役目を果たしてないって言ったでしょ?タイヤで言えば…スヒョンさん?どうしたんですか?」
「なんでもない!」
「なんで顔を背けてるんですか?」
「いいから、ほっといてくれ!」
「スヒョンさんってば。拗ねてるんですか?」
「うるさいな。一人にしてくれ」
「…スヒョンさん…怒ったの?」
「…顔を覗き込むな!」
「ス…」
「向こうへ行け!め…目障りだっ!」
「スヒ…」
「もういい!君なんかキライだっ!」
「スヒョ…ン…さん…僕…僕なにか悪い事しましたか?」
「君が行かないなら僕が去る…よいしょあああああっ」
「スヒョンさん、危ないっ」
「触るなっ!」
「スヒョ…」
「あれあれあれ?あそこ、どうしたんだろう…」
「ぷっ…スヒョンさん、あの針靴でも転んでる…」
「なんかドンジュンの助けを頑なに拒んでない?どうしたんだ?」
「あっ。ドンジュンを振り切ってハイハイして逃げてるぜ」
「手が冷たいだろうに…かっこ悪いし…」
「あ…ドンジュンが来た…泣いてる」
「どうしたんだよドンジュン!」
「うえっうえっスヒョンスヒョンスヒョンさんに、嫌われましたっうえっうえっ」
「何かしたの?」
「滑るから手を貸そうとしたら顔背けて、きらいだってうえっうえっ」
「?」
「キライって言ったの?」
「うわああああん」
「スヒョンさん、大丈夫ですか?あれっ…何泣いてるんですか?手が冷たいからですか?」
「うるさい!チョンマン!向こうへ行け!ほっといてくれ!」
「…ドンジュンにキライだって言ったんですって?なんで?」
「お前もキライだっ!」
「はいはい、結構ですよ」
「うっ…うううっ」
「…スヒョンさん、おかしいですよ、どうしたんですか?」
「ドンジュンがっ…ドンジュンがっ…」
「ドンジュンが何か言いましたか?」
「…かっこよく見えた…」
「は?」
「めっちゃくちゃかっこよく見えちゃった…」
「…」
「ううっ手が冷たいよう…」
「そりゃそうでしょ、意地張ってないでドンジュンに助けてもらえばよかったのに」
「あの子にこれ以上かっこ悪いとこ見せたくない!」
「?」
「…」
「あ…まさかスヒョンさん…ドンジュンに本気で惚れたんじゃ…」
「違うっ!」
「…はあああん…ドキッとしちゃったんだぁ…本気で…へえええ…」
「違うっ!」
「ドンジュ〜ン、キライじゃないって。恥ずかしいんだって〜。助けてあげてよ〜」
「余計なことするな!」
「行けよドンジュン。気になるんだろ?」
「イヤです!」
「…あーあ、じゃあスヒョンさん、ずっとあのまんまだなぁ」
「…あのまんま?」
ドンジュンそう聞いてスヒョンのところへすっ飛んでいく
「スヒョンさん!手、大丈夫ですか?」
「なんだ!また来たのか!あっち行け!」
「う…。…そ…そんなこと言っても、行きません!スヒョンさん、手、離れますか?」
「え?手?離れるかって?何言ってんの!離れるに決まって…」
「あ…」
「くっついちゃった…」
「うわあっヤバイ、誰かぁ、お湯持ってきてくださあい」
「騒ぐな!ますますカッコ悪くなる!」
「そんな事言ってる場合ですか!早く手を取らないと凍傷になっちゃいますよ!」
「…いい…凍傷になっても…手が取れちゃってもいい!」
「何言ってんですか!」
「ほっといてくれ!」
「意地っ張り!スヒョンさんの手が取れちゃったら、誰が僕と『ボタン外しショー』をしてくれるんですか!」
「…」
「あ…」
「…だって、君、あれはもう二度とやりたくないって…」
「だって…それは…指導者がミンチョルさんに替ったから、あのショーもミンチョルさんとやんなきゃいけないのかと思うと…怖くて…」
「なぜ?なぜ怖いの?…ミンチョルの眼力にヤられるから?」
「…」
「答えないところをみると図星のようだね…」
「違いますよ。そんなことどうでもいいからお湯を」
「しっ。騒がないで!…やるんなら君がやって」
「…」
「他の人に見られたくない…」
「…わかりました…待っててくださいね。急いでお湯持ってきますから」
「シチュンさん、お湯、用意できてる?」
「なんだよチョンマン、盗み聞きしてんのか?」
「うん、だって気になるじゃん、あの二人さぁ。へへへ」
「さっきの録音マイクつけたまんまだってスヒョンさん、気づいてないみたいだな」
「いつもなら察知するのにね。今日はどうも調子狂ってるんじゃない?頭上にモノレールが走ってるしさ」
「で…録音してるわけ?」
「ちっちっちっ」
「なんだ、してないのか」
「録音だけじゃなくて、録画もしてる!」
「なにいっへへへっそうかぁ、やるなぁお前」
「ん。テソンさんがなんだかギラギラした眼でビデオセットしてさ、すごいんだよ、ささっと設置したんだぜ、手慣れてるなぁあの人…」
「はあ〜ん」
「そんでささっとスイッチオンしてさ、僕に『マイクをオンにしろ』って、すごい眼で…」
「ふう〜ん…そのビデオ、どうするつもりなんだ」
「もちろん編集してお客様に貸出しするよ、5000ウォンぐらい取ってもいいよねへへへ」
「…オーナーが没収しないか?自分のコレクションとして…」
「コピーするさ!」
「ああ、やっとドンジュンが来たよ」
「ドンジュン、お湯、ここだよ」
「…なんでわかったの?」
「んあっ…その…勘だよ勘」
「…」
「何?その眼」
「…またビデオ撮ってるんじゃないでしょうね?」
「…」
「…あまりスヒョンさんのカッコ悪いところ、みんなに知らせないでください。可哀相です」
「…お湯、持ってけよ…」
「ありがとう」
「…おいおい、ドンジュンさあ、今までスヒョンさんに酷い目に合わされてんのにさぁ…優しいな」
「…俺達…悪い事したな…」
「ああ…こんなビデオ…」
「止めるのか?」
「止めるわけないじゃーんへへっ」
「そうだよなぁっあの完璧なスヒョンさんのカッコ悪い姿なんて、レアもレアだもんなぁっへへっ」
「スヒョンさん、熱かったら言ってくださいね」
「誰にも知られてない?」
「…かけますよ…」
「ねえって。誰にも知られてないかい?」
「…いきますよっ」
「ドンジュン!答えろよアチッ」
「あ、ごめんなさい…ちょっと指動かしてみて」
「ねえってば、誰にも知られてな」
「知られようが知られまいが、スヒョンさんの手の方が僕には大事ですから!」
「…」
「また顔を背ける!手を動かしてみて!」
「…」
「もうっよいしょ…ああまだだめかな、熱いけど我慢してくださいね」
「あちちちっ辞めろよ!」
「ああ、ごめんなさい…あ、ちょっとはがれた…手の皮は…大丈夫みたいですね、よかった…」
「よくない!やけどした!」
「よしよし」
『よしよし?!』ドキドキドキ『ああ…僕…変だ…』
「もうすこし我慢してくださいね」
「あつうっ」
「よしっはがれた。次は右手」
「…」
「かけますよ」
「あちちちちっあついよう」
「あーかわいそうかわいそう。後でフーフーしてあげますからね」
『フーフー?!』ドキドキドキ
「よいしょ、よし、もう大丈夫だ。さ、僕に掴まるんですよ。立って」
「…」
「どしたんですか?こんなところで上目遣いの指導されても…」
「…指導なんかしてないよ…」
「なんなんですか…」
「…あの…あ…りがとう…」
「あは…あははっ…いいえ…どういたしまして…よかった…やけどって程でもなさそうだし、掌も大丈夫だし…ハイ、掴まってくださいね
どうします?テーブルに行きますか?それとも戻って休みますか?」
「…戻る…」
「じゃあそうしましょう」
ドンジュン、スヒョンを掴まらせてスケートリンクから出る
「ンフ。ヘタクソ。だめだよここから出ちゃ、ここでパーティーやるんでしょ?」
「こんなとこ、危険です!それにスヒョンさんはケガしたんだから休ませてあげてください!
せっかく楽しみに来たのにこんなじゃぁ…そりゃあお客さんも入りませんよ!」
「ドンジュン…キツすぎるよ…」
「だってスヒョンさんのこと『ヘタクソ』って言ったんですよ、コイツ!」
「…ヘタだもの…」
「ヘタじゃないです!キ○とかセッ○○とかはすごく上手じゃないですか!」
「ンフ、なんで君が知ってるの?そんな事を」
「映画を見たんです!うるさいなぁ。変なとこに食いつかないでください!それに、あなた邪魔です!二人にしてください!」
「んふ。僕とチョンソはなかなか二人きりになれないんだ。いや、なれたか。ンフ。まあいいや、どうぞごゆっくり」
ソンジュ、去る
「やっと二人になれましたね、スヒョンさん」
スヒョン、先ほどからずっと顔を赤らめて俯いている
「どうしたんですか?スヒョンさん…」
「…恥ずかしいよ…君があんな事言うなんて…」
「え?何が?」
「キ○とかセッ○○とかがうまいだなんて…そんな…」
「でもうまいんでしょ?」
「…」
「うまいんでしょ?」
「…しらない…」
「へええ。スヒョンさんでも赤くなるんだぁ。かわいいなぁ」
「…」
ここはステァウェィ・トゥ・ヘヴン…
尋常な感覚ではいられないホ○トクラブ
今宵の出来事は、きっと一時の夢か幻…
そして宴は始まったばかりなのだ…
楽しいパーティー
「スケートリンクは堪能してくれた?ンフ」
「してねぇよ!寒いし滑るし危険だし!ジュンホにもしものことがあったらてめぇボッコボコにしてやるからな!」
「ンフ…じゃああちらのメリーゴーラウンドに乗って、僕んちの濃厚ホ○トが描いた天国の絵でも見る?」
「…濃厚ホ○ト?」
「そ」
「…メリーゴーラウンドか…。おーい、乗りたいやついるか?」
「ウキッ僕のりたい!」
「それにのるとあたまがゆれますか?」
「揺れるっていうか、回る…かな、ンフ」
「ぼくはのらないほうがいいですか?」
「そうだな。ジュンホは変なものに乗らないほうがいい。他に楽しめるものはないのか?」
「じゃあ、モノレールに乗るかい?」
「…モノレール?…ああ…あれか…ジュンホ、どうする?」
「のってみたいです」
「よし、わかった。おーい、モノレールに乗りたい奴いるか〜」
「なんだよテプン、モノレールって…」
「おお、ウシク、ジュンホと一緒にモノレールに乗ってやってくれ」
「…いいけど…」
「オレはメリーゴーラウンドに乗る」
「ふううん…」
「他に遊べないのか?」
「じゃあ特別に僕がンフ、ブーメラン教室をしてあげるよ」
「それはいらない」
「なんで?」
「…よーし、みんなぁ、メリーゴーラウンドかモノレールであそんで30分後にお楽しみ上映会するからなぁっ」
「何?お楽しみ上映会?」
「ああ、おまえんとこ、設備は最高だって聞いた。ナントカサラウンドシステム装備のミニシアターもあるとかって」
「よく知ってるね。チョンソと一緒に映画を見るために作らせたんだ」
「そこ、すぐに使えるか?」
「オフコース!」
『けっなにがオフコースだよっ!』「じゃあ、30分後にこのビデオの上映会やるから、準備してくれ」
「オーケィ。チャン理事!」
「待て!お前が用意しろ!」
「ンフ…僕が?なんで?僕は御曹子だよ。雑用はチャン理事が…」
「たまには動かないと脇腹に肉がつくんだぞ。ほんとだぞ!ミンチョルさんなんか、油断するとすぐにプヨヨンだ!」
「…僕の腹は王なんだけど」
「王でもなんでも、油断大敵だ!たまにはお前が動け!」
「ンフ…僕が動いたって結局チャン理事がやることになる」
「なんで?!」
「ンフ…僕が何かしていると、理事が後からブツブツ言いながら直す。『余計なことをしでかして私の仕事を増やさないでほしいものだ』って僕に対しての忠誠の言葉を発しながらね」
「…そうか…わかった。じゃあチャン理事に頼め。30分後だ!」
「ンフ…言っておくよ」
モノレール組…イヌ、ジュンホ、ウシク、シチュン、テソン、mayoさん
メリーゴーラウンド組…テプン、チョンマン、ラブ、テジン
スケートリンク居残り組…スヒョン、ドンジュン、イナ、ミンチョル
モノレール
「テソンシ!私一度これに乗ってみたかったですう(@_@;)すごいですう、上からほらっ」
「何?mayoさん、何がみえ…うっ…スヒョンさんとドンジュン…ものすごく怪しい雰囲気ですね」
「はいっ!ああ喉が乾くう」
「ほらっこれ」
「あっ水筒だ。…これまだ使ってるの?ボコボコになってるけど…」
「保温機能は壊れてないよ」
「…中身は?」
「決まってるじゃない、梅のお茶だよ」
「う…今は、コーヒーが飲みたい」
「もう…ワガママだなぁっ!ここじゃ作れないよぉ」
「あっ…テソンシ!あれ!みてっ」
「何?あっ…」
「ミンチョルさん…」
「こけた…」
「イナさん、助けた…」
「あっ…またこけた…」
「ミンチョルさん、メリーコーラウンドかモノレールに乗ればよかったのにねぇ」
「うしくさん、ぼく、ものれーるにのるのははじめてです。つまとじゅんとうぉんとおとうさんとさんみんせんせいとおかあさんといっしょにのりたいです
そしたらみんなよろこびますね。このおみせをかりるにはいくらぐらいかかりますか?」
「…いくらだろうねぇ。テプンに聞かないと…。でもご家族のために借りたいって言ったらオーナーがなんとかしてくれるかもね
…けど…スケートリンク見たら美しい奥さんが怒らないかな?」
「どうしてですか?」
「君がこけたら危ないって…」
「だいじょうぶです。さんみんせんせいがいれば、こどもたちといっしょにすべってくれます」
「…ああ…そうだったね。そういえばそんな場面を見たよ…」
「うしくさんはこけそうでこけないあるきかたがじょうずですね」
「…ああ…婚約者に受けるんだ(^o^)」
「こんやくしゃ…けっこんしき…」
「うーん、まだ日取りは決めてないけど、お義父さんのためにも早く式をあげたいな…」
「ぼくなにかおいわいします」
「え…」『何をくれるんだろう…』
「にっとぽうなんかどうですか?」
「ジュンホ君、僕、ニット帽は持ってるよ…」
「そ…そうですか…じゃあ…きゃすけっとはどうですか?」
「…ああ…あの、君が被ってたカワイイ帽子ね。似合うかなぁ」
「それか、まさおさんからもらったぼくさーぱんつはどうですか?」
「…いや…そ…それは」
「それともかつらさんしゅるいぐらいどうですか?」
「かつら?…あ…ああ…あの会長が被ってたヤツ?いや…キャスケットがいいな」
「きゃすけっとですね。わかりました」
「あの…無理にとは言わないし、まだ日取りも決めてないし」
「はい。きまったらおしえてください。それまでにいっぱいさわってもらっておかねをためます」
「…はは…う…うれしいな…」
「イヌセンセイよぉ」
「ん?何?」
「あんた、高いとこ、キライじゃないのか?」
「僕はキライじゃないよ。生まれ変われる気がする」
「ふーん」
「シチュンは?」
「俺はキライじゃないけど、チョンマンは大嫌いみたいだな」
「そう?」
「うん。高いとこでの思い出ってあまりよくないらしいわ、あいつ。落ちたとか逃げるために飛び降りたとか…
それから…うひひひっ…『主導権を握られて好き勝手にされた』とか…ひひひ」
「主導権?何それ…」
「俺だったらもっと$%&して&%$にして$%@で…」
「シチュン」
「あ…はい…」
「出会った人を大切にしてね。人と出会う確率ってものすごいものなんだから…」
「…へ…へーい…」
メリーゴーラウンド
「おお、あれが壁画か。りっぱなモンだなぁ。なあチョンマン」
「…うっきー…」
「どーしたっ!お前が静かなんておかしいぞ!」
「なんだかあの絵を見てたら…すごく懐かしいニオイがしてっキー」
「懐かしい?」
「はい〜なんか、知り合いが描いたんじゃないかと思うような…音楽が流れてるような〜」
「あれは絵だぞ。音楽が流れてるのはこのメリーゴーラウンドだ」
「…うっきー…」
「おい。元気だせよ。ほら、バナナやるよ」
「うきっいただきまー」グサッ
「ぎええええっバナナにナイフがあっ」
「こらっラプ!あぶねえじゃねぇか!」
「ごめん。つい」
「ついじゃねえよ!チョンマン泡ふいて目ぇまわしちまったぞ!どうする気だよ!」
「…横にならせてあげよう」
「お…テジン、すまねぇな。こらっラブ!お前も手伝えよ!」
「あいっ…」
「テプン…このメリーゴーラウンドの馬の飾り、目がチカチカするよ」
「テジンは素朴な飾りが好きだもんな。こんな金銀俺もあんまり好きじゃない」
「つくりなおしたいなぁ。あの馬車の形も嫌だ。僕なら花の形にするのにな」
「花のモチーフのメリーゴーランドか。いいな。気持ちが安らぐな」
「…テプン…」
「ん?なんだ?」
「今度、公園に、遊具を作ってみようかと思う」
「ゆ…遊具?」
「うん。花のモチーフのブランコや滑り台を…」
「…いいじゃねぇか…でもどこの公園に?」
「店の前に空き地がある。あそこ…」
「…誰の土地だよ」
「しらない。でもウワサによるとあのヤン・ミミって人の土地らしい」
「…や…やめとけ。ややこしいことになるぞ。あのヘビ女がお前のシンプルな作品で満足するとは思えない
あいつにかかったら全部金銀に塗り替えるか、総スパンコールのブランコにされるか…」
「うっ…それは…いやだな」
「だろ?ゆっくり考えて公園をさがせ」
「ん…そうする…」
「ん?…らぶっ!なにやってんだっチョンマンを殺す気か?」
「はっ…つい…」
「ついじゃねぇよ!お前もうナイフこっちによこせ!」
「だめです!このナイフはミンジちゃんに貰ったんだもの」
「…ミンジさんもなんでこんな危険なオトコにナイフなんか…」
「これは刺さらないヤツだから大丈夫ですよ、テプンさん」
「…それにしたってお前。チョンマンの身体でナイフ・タンタンやるなよ!」
「んでも…ナイフ投げパフォーマンスやろうってチョンマンと言ってるんですよ。もちろん刺さらないナイフでだけど」
「ナイフ投げ?」
「そう。僕が投げるでしょ?危ないとこに来たらチョンマンがサッとよけるの」
「はぁ〜…スリルがあるな。それいいかも!でも安全が確認されてからにしろよ」
「はい」
「…っきー…良く寝た〜あれっなにあの人」
「ん?ああ、壁画の修復でもしてるのかな?」
「あ…あの人…あっあっあれは…」
チョンマン飛び降りて壁画の方に駆け寄る
「グァンス!」
「?」
「…グァンス〜久しぶりだなぁ〜…太ったか?お前…」
「?僕はテファ。またの名はチョルスだけど?」
「何言ってんだよ、俺チョンマンだよ。ウキッ」
「ウキ?…う…き…」
「そう!ほらっ!」
「…何か記憶のなかでウキッという声がするんだが、でも僕は今テファなんで…」
「…人違いかなあ…太ってるし…。まあいいや。ごめんね邪魔して」
「いえ…」
「チョンマン、あの、妙に濃い人は誰だ!」
「濃い?濃いか?あれは…えっとテファって人だって。僕の知り合いにそっくりなんだけどな。ちょっと太いけど…」
「テファ…そんなホ○トがいたのか?」
「テプン、さっきあのお坊ちゃんが『濃厚ホ○ト』って言ってた、その人じゃないか?」
「…ふううん…確かにかなり濃いな」
「僕、めまいを起こしそうだよ…」
「大丈夫か?テジン」
「オレ、あの人にナイフ投げてもいいですか?」
「だめだ!何言ってる!」
「だって…なんか…暗いし濃いし…腹が立ってきた!」
「ムショに入りたいのか!ミンジさんが泣くぞ!」
「…」
「…でも客がいるのになんで修復を…」
「ンフ。それもサービスの一環さ」
「うっ出たなバカ御曹子」
「嫌だな、僕はチャ・ソンジュだよ。ンフ。そろそろ上映準備ができたって」
「そうか。サンキュ」
「僕も…ンフ…見ていい?」
「…うーん…まあいいや。見せてやる。じゃあ館内放送でシアターに集合って流してくれ」
「いいよ。チャン理事〜」
「また人を使う」
「ンフ」