「明日の豊かなパソコンライフのために」

KYPC 代表 : 山内 宏之

 コンピュータそしてパソコンは今世紀の大発明の一つに違いないでしょう。その急速な普及・発展は目を見張るものがあり、次々と我々に無限の可能性を与え続けています。しかしその反面、あまりの急速さ・可能性の大きさに戸惑いただ右往左往している人たちも日に日に増えているように思います。(私もその一人であるかも)また、パソコンが家庭にも入り、確かに便利にはなったとは思いますが、豊かになったと言う実感はまだあまり私にはありません。この様では本当の我々人間のために有益な道具として浸透するにはまだまだ時間が掛かるのではないかと思います。そんな思いで「明日の豊かなパソコンライフのために」をテーマとして私の所感を述べさせていただきます。

・パソコンは道具なり

 パソコンは様々な用途に対応できる道具です。それは人により十人十色・千差万別でしょう。大切なことはパソコンは道具でありそれ自体が目的でないと言う事です。即ち何かを成すための手段であって目的ではないのです。
その目的をしっかりと見定める事が大切と思います。例えば、ワープロと使って文書を作りたいとか、インターネットで趣味の世界の情報を集めたいとか、絵を描いて楽しみたいとかなどなどの目的が明確な人は、それに向かい比較的苦労も苦労と思わずパソコンという道具を使いこなして行けるようになるものです。
しかし、パソコンでどんなことができるのかも分からない方も多いでしょう。その様な方はまずパソコンにもっと近づいてみて下さい。お知り合いでパソコンの先輩や、販売店さんでも結構でしょう。私どものKYPCもその様な方のきっかけ作りになればと思っております。まずは触れてみて、いろいろな疑問を浮き上がらせて下さい。
そしてパソコンと言うものが少し分かってきたところで(少し分かってくるとそれ以上に疑問が多く湧いくるものですが)、パソコンを購入されるあるいはパソコンスクールに入校するなどのステップで良いと思います。
パソコンで何をやろうが少し見えてきたら、次にパソコンと付き合うための最低限のしきたりがあります。それはパソコンの基本と言われるものですが、これが重要となります。どんな目的のためにもパソコンを使う以上これを正しくマスターしているかどうかがその後の無駄な苦労が多いか少ないかを決めます。まずその一歩は正しいキーボード操作です。パソコンを使う以上キーボードからの入力は避けられませんのでまず必要となります。初心者の方には取っ付きにくいでしょうが、これを安易に考えますと後での苦労が付いて回ることとなるでしょう。次に必要なことは、最低限のパソコンの仕組みや理屈を覚えることです。それは難しい理屈でなくパソコンを動かしているOSと呼ばれるものの基礎です。私どもの場合Windowsと呼ばれるものです。例えば「私はワープロしか使わないのでワープロのソフトだけを勉強する。」と言う方がみえたとしましょう。でもそのワープロソフトはWindowsの上で動いているのです。全くWindowsの知識がなければ、ちょっとしたことで大きくはまってしまうこととなります。
この様な最低限のしきたりをマスターすれば、パソコンはあなたの大きな味方となって働いてくれるでしょう。また、これは後々までの大きな技術的財産となります。
しかし最終的に必要なものは、その目的のための固有技術です。パソコンは道具である限り目的のための技量が重要となります。例えは私は文才がないためワープロは使えてもこのような文章を作るのに苦労しております。パソコンとは関係なくそれぞれの固有技術と、パソコンを使いこなす技量とが両輪となって上手く回り出した時が初めて豊かなパソコンライフになるのではないでしょうか。

・コンピュータ/ネットワークの新しい文化で必要とされる能力

 今私達が遭遇しているコンピュータそしてネットワークでの広がりでの新しい文化において、今後さらに必要とされるであろう能力などについて述べてみます。
まず第一は受動の姿勢から能動の姿勢へ(passiveからactiveへ)。これまでは与えられたものをキッチリとこなしていくことが美学とされていた感が強いのではないでしょうか。しかしこれからはその様な受け身の姿勢から自らでつかみ取る積極的な能動的姿勢が重要となると考えます。現在でもインターネットを覗けば無限の情報が簡単に手に入れられます。しかし待っているだけでは何の情報も入りません。今後もっとその傾向は強まることでしょう。テレビ文化などとこの点で異なります。
次に必要とされてくる能力は、多くの情報の中らか適切な情報を選別する能力です。インターネットなどで簡単に多くの情報を入手できるようになった裏側には、簡単に情報を発信できるようになったからです。ですからその情報の中には間違いや適切でない情報も多く存在するようになってしまっているのです。(もちろん正しく有用な情報もたくさんあります。) 以前のような印刷活字文化の時代では明らかに間違った情報は極めて希であったのですが。ですからその多くの情報の中から適切な自分に合った情報を選別する能力が求められます。しかも自己責任において。
この様な能動的な行動と情報の選別のことはインターネットに限ったことではなくなるでしょう。人と人とのつき合いの中にも浸透してくるでしょう。その時必要とされることは、Noと言える勇気(能力)ではないでしょうか。特に日本人の場合、相手への配慮のあまりこの点が苦手な人が多いのでは。これからは出来ないことは出来ない、分からないことは分からないとハッキリ言えることが必要であると思います。それによりいやな副作用が少なく、能動的文化への脱皮が進むのではないでしょうか。そのためには常に自分の能力レベルを自ら把握しておくことも必要とされます。
また、人に対する能動的文化には新しいマナーの様なものが出来てくるのではないでしょうか。最近普及した所かまわずかかってくる携帯電話でも「今いいですか?」などの新しいマナーが出来ています。電子メールでも電話でもこれからは積極的能動的な中にも相手にNoと言わせるチャンスを与えるマナーが必要と思います。また、忘れてはいけないのは人と人とのつき合いはGive&Takeで成り立っていることです。この様に心掛けて行けば、能動的姿勢を自分勝手なわがままと取り違えることなく新しいコミュニケーションの形が出来上がって行くと思います。
この様な能力を磨き、積極果敢にチャレンジして行けば、きっと素晴らしい豊かなパソコンライフに巡り会えることと思います。そしてきっとパソコンがかけがいのない私達の有益な道具となることでしょう。


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