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銭湯黒鱒
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Tuscaloosaで助かるーさ?その7

ツッキーのナショナルチャンピョンシップ参戦記第2弾

お待ちかね〜

不動明王の化身はキリストさんを打ち負かすことが出来るのか?って、とにかくHere we go !

Tsukky presents

TRUE STORY Vol. 2

CITGO/B.A.S.S. Federation Championship

Way to the

 月日の経つのは早いものだ・・・ナショナルチャンピオンシップから戻って早二ヶ月。あの日逃した夢の試合が間近に迫って来ている、夢を共に追い「シゲルーお前も一緒に行こう・・・」と私を認めてくれたジェリーやカールはルイジアナデルタのプラをビッグネーム達の中でどうやってこなしているのだろう・・・。ふと、クラッシックが開催される日が近付き物思いに耽っている最近である

 さて・・・お待たせしました、東京のお盆も終わりようやくひと段落。チャンピオンシップの後編をクラッシックの権利を獲得したアメリカの友人たちの健闘を祈りつつ書き始めよう。

オフィシャルプラクティスディはtuesday,MAY 13 2003とその翌日の2日間。約1ヶ月前に10日設定されたプラの日に訪れられなかった私にとっては船を降ろすのも釣りをするのも初めてなのであくまでも事前の地図でしか情報を持ちえてない、不安以上に何故かワクワク、ドキドキ。
プラもナンバー順にフライトし決められた時間内に戻らねばならないボートナンバーを呼ばれ朝靄と低く垂れ込めた雲の中スタートを切る。

久し振りに乗るバスボートにいきなり全開をかます度胸が無い私は自分の感覚を戻す慣らしと船の慣らしを兼ね、ハーフスロットルでタスカルーサの最上流部を目指した。各州の代表選手は普段からバスボートを道具にしてるだけ有って、いきなり全開(驚)綺麗なスプレーを上げ船を安定させ日本人をブチ抜いて行く。

私といえばローランスのGPSとハンディーGPSを交互に確認しながら下流から中流、そして上流へ・・・と日本とは逆の変わり行くリザーバーの風景に驚きながらドライブし、ポイントになりそうな風景を自分の頭のGPSにインプットし蛇行する湖を滑走する。

リザーバーと言えばまずは最上流部のインレット確認からイメージを創る築山スタイルであるが途中余りにも美味しそうなアイランド(後で聞いたらやはり一番のスポーニングフラット)脇でボートを止め、記念すべきファーストキャストをしてしまった。リーズにレイダウン・リリーパッドと気配はあれどもバズにバド、ラバジと入れてもノー感じ・・・なんで、サッサと諦め上流を目指す。

私が目処を付けた最上流部は「ノースリバー」が流れ込む一帯。多くの日本人アングラーならリザーバーイコール上流部はクリアな水が流れ込み・・・そんなイメージを持っていると思う、しかしタスカルーサはボートランプの有る最下流部がスーパークリア。中流部にかけてクリア〜ステインに変化し極めつけは最上流部には期待した綺麗な水の流れ込むインレットは無く、目に入った風景は平坦な田園風景であった・・・!面を食らいながらも上流を八郎潟西部・中流域を相模湖・最下流域を池原or奥多摩湖のイメージにリセット・・・全ての流域をチェックし細かに釣っていたら2日では足りない。

目に入る水の色とベイトの量をチェックしながら、流れの狭まるカレントの発生しそうな場所・流木・リリーパッドをトレースしても案の定反応は無し・・・アフタースポーンかどうかも分からないまま浅場・ブレイク・深場隣接のストラクチャーと並木君が渡米前に送ってくれた「タイフーン」でチェックを繰り返す。淡々とジグやテキサスでチェックするよりも大きなスピナーベイトは広範囲を探れあらゆるレンジをトレースできるので具合が良かった(有難う並木君)

タスカルーサでのファーストフィッシュは橋桁付近のリップラップで8インチ位のチビバス、そしてセカンドフィッシュは数あるボートドックの先端の中層で来たグッドバイト!「ガツッ」と当った後に桟橋の下へ下へと入り込もうとするファイトに「ビッグフィッシュ?」を思わせるが上がって来たのはスレンダーなポストの3パウンダー。呆気なく来たバスに「以外にチョロイじゃん♪」と下心発生!?同パターンを他のボートドッグで試すもそうは簡単には行かせてくれなかった・・・

このマッディなエリアには多くのコンテンダーが見える範囲に居て、アイランドから入り込むワンドやコーブはどうやら数週間前にはネストがあってポストバスには良いエリアの様だった。しかし、築山的釣り(どんな釣りヤ?)やチエックでは好反応を得られずGPSにマークだけ入れ別のエリアへ・・・

下りつつ岩盤・ゴミ溜まり・リーズ・矢板・ボートランプを流しては少しでも水の綺麗なシャローでバスの魚影を探すも魚の雰囲気を感じない

いつの間にか照り付ける太陽は夏の陽射し、ますます晴天無風のシャローにポストの魚を探せど気配は皆無であった。

暑さにテンパり、ボートをドライブする時に涼を取り「ビニオンクリーク」を上がりメインレイクのインサイドベンド・アウトサイドベンド・ロングポイント・アイランドの全ての地形と目に見えるストラクチャーのチェックをこなした・・・しかし、先に釣った3パウンダーを超えるバスは簡単には釣れず・・・このレイクの1ポンドはレギュラーフィッシュ2ポンドフィッシュで揃えるのもイージーでは無さそうだ・・・たった2日間のプラでインビジブルなストラクチャーやディープのベイトフィッシュの動きをつかめる筈も無く、ましてやラージとスポッツの釣り分けなんぞスポッツを知らない築山には1日め後半のプラは,
自分の経験と言う引き出しを全て開けつつ湖を走り回り「アフターならこんな場所」「地形ならこんなエリア」と絞り込む事より「消去法」でこの湖の概要を掴む事に必死だった。

1日めのプラは午後2時までなのでこの日は敢えて最下流部のクリアからスーパークリアなエリアに手を出すのは止めておいた  ・・・とある考えから・・・
ボートランプに戻りジェリーやカールとプラの状況をシェアし彼等もあちこちチェックしつつ、プリプラの時はもっと反応があった・・・とか、明日はこの方法を試す・・・と語っていたのだが彼らは恐らく今日私がチェックした上流域で勝負しそうであった。

翌日は朝から雨、普段なら憂鬱になってしまうがやけに気持ちは逸っていた。今日は自らが得意とするクリアウォーターエリアでのプラをメインにし上流と打って変わった水のクリアさにとある釣りがハマル・・・のではと想像していたのだ、

ボートランチングとスタート地点になるタスカルーサ最下流の「Rock Quarry」から一番近いコーブ岩盤とレイダウンで形成され日本のリザーバーにイメージが近い薄暗い早朝の数投はペンシルベイトやダイナモバズで表層をチェック、しかしそんな簡単にバスは出て来ない。

そこで、今回出発前夜急遽「もしも当れば・・・」と思いつき4個だけ忍ばせたルアーを投入。釣れれば恐らくこのレイクではハイクォリティな魚が出る筈・・・との思いから。
その2投目、明らかに黒くて大きな魚影が見えた!・・・気がした。まさか・・・な・・・。
岩盤に木が覆い被さり水中には岩がある場所にロングキャスト1発「バシャン」と着水したルアーに真横からもんどりうって巨大なバスがバイト・・・フックにカバーを付けていたのでフックアップはしなかったが、どうやら効果はありそうだ・・・後はボートドックやレイダウン・ロングポイント・ドレイン等々を雨のそぼ降る中チェックし多くのチェイスとカバー付いてるにも関わらずルアーを離さず釣ってしまった2ポンドクラスから、ローライトならエリアを替えアプローチ次第ではメインに組み込めそうな感触を得た。

ただ、雨中だけの「ロープレッシャー」のタイミングだったのが気がかりではあったが・・・同じアプローチをするアングラーが皆無であれば私だけの魚が多く居る・・・と言い聞かせ、雷を伴った激しい雨の時にはプレッシャーの高いブッシュをビッグスピナーベイトのガーグリングで2ポンドクラスが連発もした・・・しかし、同じ状況が整わねばこの方法は有用出来ないだろう。

余りにも強い雨と雷を伴ったサンダーストームのお陰で2日目のプラは途中2時間個人所有の屋根付きボートドックに避難してやり過した。(とにかく雨の量も雷の音もスケールがでか過ぎ、チキンハートな私は半泣き状態)雨に打たれ失った体温を取り戻す為にスキーターのロッドストレージに潜り込み仮眠を取り、初めてボートの上で毎日配られるサンドイッチとチョコバーで体力を取り戻したのであった。サンダーストーム通過後はお約束通り気圧が上がり魚の反応は悪くなった・・・2時間をロスしているので明日から3日対応できるポイント探しに、残りの時間は奔走した。 

読んで頂けば分かるように私のプラでは1日目上流域では苦戦しつつ獲れて5本で5ポンド、ただキーパー取りの場所はある、そんな状況。だが、キッカーパターンは見つからず。

2日目の下流域では、とある釣りで見つけたパターンがハマればビッグウエイトしかしフォローの釣りが今一見えていない・・・苦心している姿が見えるのでは無かろうか。そして、ここぞと思うディープやキーパー取りにはスピニングタックルの必要性を感じているのだ、しかし釣っている魚が2日ともラージのみ。特に下流域はラージよりもスポッツの比率が高いにも関わらず・・・だ。未だキャッチしていないスポッツが出れば同様のエリアでバタバタ・・・っと釣れる可能性が高い魚だけに試合中に悩んでしまうだろう。
 
日本のバスオブの試合のように常に「ワンデイ」ならハイリスクなパターンで押し切れるのだが3デイのトーナメントには緻密な計算も必要なのだ。
 そこで前夜に熟考し出した答えは、「レイク・タスカルーサ」は日本的感覚で釣れる中間的タフレイクであり、恐らくキーパー取りの釣りではキッカーが混じる確率は低い。・・・であれば、逆にキッカーを選んで釣れるタクティクスがあるならまずそれから始めて晴なら午前10時まで、ローライトならやり切ろう・・・と。折角、アマチュア最高の舞台に役者(コンテンダー)として立てているのだから脇役でなく主役を狙おうと腹を決めた。そして、プラの最中に他のコンテンダーが攻めた後でも釣れるアプローチや魚の居る位置をチェックしてて気付いた事もあったのでそれを試してみよう。
 
やる事が決まってモヤモヤしていた気持ちはスッキリし、たった2時間ではあるが睡眠も摂れ、案の定「トーナメントハイ」になっている私の体内時計は午前1時に目を覚ましてくれた。

さぁ、いよいよ本番。決戦の日が来た・・・鬼が出るか蛇がでるか本戦まであと数時間。

 この時点で築山、行きたくなかったアメリカが。住んでみたい・・・このままBASSに出たい・・・タスカルーサ釣り込みたい・・・に気持ちが変わっています。(笑)

次回は最終章「タスカルーサでの顛末・・・ラッキー♪tsukky・ESPN」少々お待ちを。
では。STAY TUNE!

築山 滋

スンマヘンとりあえずテキストのみUPしました!