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竹原神社


  
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昔話"七羽の白鳥"


 天文二十二年といえば、今から四百四十年も昔になるが、その時代、家城に丹乗坊という 僧があった。丹乗坊は思い立って、修行しながら諸国を巡るうち、加賀白山比め神社(石川県)にお参りした。 その時、神の不思議な霊感を授かった丹乗坊は、
「私の故郷、伊勢国の家城にお迎えしてお祀りしたいと思います」
 と、分霊を願い出て護符を頂いた。
 家城の瀬戸ヶ渕まで帰ってきた丹乗坊は、一枚の岩の上に腰をおろし 、目の前に広がる奇岩の美しさに見とれながら、長旅の疲れをいやしていた。足元を流れる雲出川は深い深い渕になっていて、 吹き上げてくる川風が小鳥のさえずりも運んでくる。
「ああ、極楽浄土じゃ・・・・」
 丹乗坊は心が安らぐ思いがした。
 そのとき、バタバタと羽ばたく音がして、白山比め命から授かった護符が輝くばかりの七色の白鳥になると、次々飛び立った。
「おお」
 丹乗坊が目を奪われていると、白鳥たちは一羽づつ、七方に分かれて飛び去っていった。
「ああ・・・ なんて美しい姿なのだろう」
 丹乗坊はいつまでも白鳥を見送った。
 白鳥は、小倭、飯福田、山田野、八対野、川口、家城 の村々に飛んでいったが、一羽は竹原村に来て止まった。
 見たこともない美しい鳥に、竹原村の人々は驚いたものの、
「この白鳥は、加賀白山比め命のお使いだ」
 といって祠を造って祭ったが後に、立派な社を 建立してあがめた。これが竹原神社の始まりである。
 竹原神社の主神は白山比め命とし、伊邪那岐神、伊邪那美神とその娘の 菊理姫尊を祀る。
 この七つの神社を七白山といった。
 正月の内に、この七つの白山比め神社を巡って参拝すると、 加賀の白山神社に詣でたほどのご利益があるといわれて、昔は大勢が連れ立って白山巡りをしたという。
 その後、丹乗坊は 修行を積んで徳を得、鎮徳上人と崇められるほどの高僧になったといわれるが、ちなみに、白山町という町名は、白山比め神社の 白山を頂いたものだという。
    
                                   竹原    梅田範雄氏の話を参考
坂本 幸 著 民話と歴史「美杉村のはなし」より
本の紹介は→こちら