三重南紀の生産者100人が
100畝(せ)の畑でつくる
100個で100円のみかん
初めに
三重南紀は、三重県の南端、熊野市、御浜町、紀宝町を中心としたかんきつの産地です。温暖な気候を活かし、「年中みかんのとれる産地」として知られています。
いま、私たちは、新しいこれからの産地づくりに取り組んでいます。そして、そのためには自分たちの産地をもっともっと知る必要があると考えています。
「三重南紀の生産者100人が、100畝(せ)の畑でつくる100個で100円のみかん」
自分たちの産地の姿をもっとわかりやすくするために、産地の規模を100人の生産者と100畝の畑と100個で100円のみかんに縮小して見つめてみました。
100人を見てみると、70歳以上の人が46人、60代が25人います。
50代は18人、40代以下は11人です。
100人の平均年齢は、66歳です。
このままだと、10年後40人がリタイアします。
40人のうち5人には後継ぎがいるので、10年後、産地は65人になります。
100人は100畝の畑をつくっています。
そのうち70歳以上の人が28畝の畑でみかんをつくっています。
60代の人は24畝、50代が22畝、40代以下が17畝です。
残りの9畝は農業法人です。
100畝のうち、40畝が極早生温州です。
31畝が早生温州、甘夏が11畝あります。
セミノールが5畝、カラと高糖系温州と伊予柑が2畝づつ、デコポンと清見が1畝づつです。
残りの5畝の畑には、サマーフレッシュ、ハウスみかん、ポンカンや早香など、いろいろなみかんが植えられていて、ここでは年中みかんが食べられます。
100畝の畑からは、100個のみかんがとれます。
そのうち40個が極早生温州です。
29個が早生温州、甘夏が17個あります。
セミノールが5個、カラと伊予柑が2個づつ、高糖系温州とデコポンが1個づつです。
残りの3個は、いろいろなみかんが混ざっています。
100個のみかんで、100円の売上げがあります。
そのうち45円が極早生温州です。
17円が早生温州、甘夏が15円です。
セミノールが10円、カラが4円、伊予柑と高糖系温州とデコポンがそれぞれ1円の売上げです。
残りの6円は、その他のみかんの売上げです。
100個のうち、74個はJAに出荷されます。
18個が民間の業者に出荷され、5個が熊野市や新宮市の地元市場に出荷されます。
のこりの3個は直売です。
生産者の減少にともなって、みかん畑の面積も減っていきます。
このままでは10年後、みかん畑は16畝減って、84畝になります。
今の産地の規模を守るためには、減っていく16畝に新しい担い手を迎えることが必要です。
16畝の中には、新しくみかんづくりをはじめるのには、不向きな畑もあります。
不向きな畑に新しい人を迎えるのは、むずかしいので、あきらめます。
でも16畝のうち7畝はいい畑なので、そこに新しい担い手を4人迎え入れることができます。
新しい人を迎え入れることのできる産地になりましょう。
新しい人が4人やって来て、7畝の畑でみかんづくりをはじめたら、10年後は、みんなで69人※1、畑は91畝※2になります。
※1. 65人+4人=69人 ※2. 84畝+7畝=91畝
さらに…10年の間に、経営面積を1割増やしてみましょう。
畑は99畝※3になります。
※3. 84畝×1.1倍+7畝=99
さらに10年の間に、反当収量を1割増やしてみましょう。
みかんの生産量は109個※4になります。
※4. 99畝×1.1個=109個
さらに10年の間に、販売単価を1割増やしてみましょう。
みかんの売上げは120円※5になります。
※5. 109個×1.1円=120円
10年後、私たち三重南紀は、
69人の生産者が、99畝の畑で、
109個のみかんをつくり、120円売上げを得られる、
そんな、みかん生産を目標に、新しい産地づくりに取り組むことを提案します。
三重南紀かんきつプロジェクト推進機構
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