毎日、何気なく暮らしているようでも、やっぱりちょっとしたことで落ち込んだり、怒ったり、悲しくなったりする事があります。
ちょっと前までの私は、そういう「マイナスな気持ち」を持ったままで、馬に接する事は良くない事だと思っていました。
だから、それまで嫌なことがあったりしても、できる限り気持ちを落ち着けてから、馬房に向かっていました。
でもそのうちに気がつきました。そんな事をしなくても、馬のお世話をしているうちにそんな嫌な出来事や、気持ちは本当に「些細な事」として消化されていくんですね。
「大した事じゃないや」と思えたり、うっかりすると忘れてしまったりします。(これはアルツか?)
八つ当たりするのは間違っていますが、そうでなければこういう関係もありなのかな・・・て。
お互い様なら、なお良いんですけど。(^-^)
そんなこんなである日、私は久しぶりにイラついていました。
何が理由だったのかは今は覚えていません。
アンサーの飼い付けと夕方の手入れの間、息子と愛犬がじゃれ付いてくるのも普段とまったく変わりのない風景でした。
私はボロを取りたいのに、息子が自分がやるんだと道具を持っていってしまいます。
私の体が息子にぶつかり、息子は尻モチをついて泣き出しました。
普段はこのくらいでは泣かない子ですが、私の苛々を感じるのでしょう。大きな声で泣いています。でも私は無視しました。「知らないよ」といって黙々と作業をしました。
息子は転んだ時に手が汚れてしまったのが気にいらないようで、拭いて欲しいのか、手の平を差し出して泣いています。でも私は無視しました。
そのとき、私の横をすり抜けてアンサーが息子の側に行きました。
いつも馬房の近くで泣かれると、迷惑そうにしているこの馬が、息子の前に立って、差し出された手の平をその柔らかい唇で払ってやっているのです。
私は呆然として、それを見ていました。息子はくすくす笑っています。
暫らくして、ゆっくりアンサーが私のほうを見ました。
私は、アンサーに「ダメじゃないか」というような、軽蔑の目で見られる。と咄嗟に思いました。
でも、その目は違っていました。
私の勝手な思い込みの可能性は大なのですが、その目はまるで
「おかあちゃん、今日は疲れてるんやな。ここは俺に任しとき。」と言っているような、そんな、ゆったりとした余裕のまなざしでした。
私はその目に見つめられて、その場で少しだけ泣きました。
目