名 称 |
中勢用水土地改良区 ( 愛称:水土里ネット中勢 ・みどりネットちゅうせい) |
設 立 |
昭和47年8月2日 |
理事長名 |
田 村 宗 博 |
所 在 |
三重県津市納所(のうそ)町520番地 電話番号 059−224−1307 |
業 務 |
国営及び県営事業で造成された水利施設の維持管理 |
受 益 |
津市と亀山市 約3,183ha(田2,914ha、畑255ha、その他14ha) |
組織構成 |
組合員約5,500名、総代100名、理事31名、監事3名、職員13名
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経 緯 |
本事業地域は三重県の中央部、津市の北西に広がる平野に約3,183haの受益地を有する。この地域の河川は、いずれも背後の山が浅く、流域が狭く、地区中央を貫流する安濃川は、この地域で一番大きな河川であるが、流路は約30kmたらず、流域面積は110kuという流況である。その他の小河川はいずれも三紀層の丘陵地を流域としており、このため渇水流量が非常に少ない地域である。
かつて、安濃川を水源とする水田は、約1,400ha程度でありながら22ヶ所の井堰で反復取水しており、堰そのものも、礫、木杭等を材料としたものが大部分であるため、洪水の度に流出し修復すると云う状態で井堰の維持管理に年々多大な労力と経費を費やしていた。
安濃川掛り以外の水田は、約100ヶ所に及ぶ溜池と小河川が水源で、あとは天水に頼るという状況であった。一方、畑に至っては水利施設は皆無であり、この不安定な水利条件が本地域の農業経営不振の原因となっていた。
本事業は、これらの不安を解消するため、昭和47年より国営中勢用水農業水利事業を、翌年から県営かんがい排水事業をスタートさせ各々事業完了させて現在に至る。
国営事業により建設された安濃ダムで確保した約1,000万トンの水を利用することにより
1)安濃ダムで貯水しながら水利、治水の両面をコントロールする。
2)安濃川の井堰を四ヶ所の頭首工に統合し、通水や水路改修の労力を削減し、農業の省力化を目指す。
3)安濃川の北側にある志登茂川、田中川においては、上流部から注水し、畜産や生活汚水を希釈し、農作物に無害な水にした後、灌漑を行う。
4)溜池や導水路と幹線や支線とをパイプラインで結び、農業の汎用化に対応できるネットワークを作る。。
このような全体計画の基に事業は順調に進み、国営事業は約366億円あまりの事業費で平成2年度に、県営事業は約108億円の事業費でもって平成14年度に第三計画変更を行い完了した。土地改良区は昭和47年に設立、役員構成は理事長1名、代表理事5名、理事、監事、総代により運営されている。事務局は、事務局長、事務次長、総務と企画工務、施設管理の3課制。
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地 勢 |
受益地は、補給水路が地形を縫う様に走り、右に折れると思えば、急な傾斜を駆け昇り、そして谷をくぐると云うように、変化に富んだものとなっている。水路を埋設する地質は山の岩あり、風化土あり、谷の湿地あり、それは水路にとって過酷と云うほかない。
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↓赤線:国営県営パイプライン総延長約120km 伊勢湾エリアでの位置関係、規模比較。
パイプライン総延長120kmを直線距離にすると、津市から西は神戸、東は浜松までになる距離です。 |
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安濃ダムの貯水量は、東京ドームの約8.5杯分の容量があり、
満水(錫杖湖)面積は、サッカーグラウンドの約45個分もの広さになります。 |
水土里みどりネット
土地改良区が組合でなく区(地区、区域等)となる名称をもちいたのは、改良区:Land improvement district = 地縁的性格の団体であるためです。新たに改良区の愛称も“水土里ネット”に決まり、ますます地域とのふれあいを大切に、“水土里ネット中勢”の役割と姿を創造していきたいと思います。
「水」は農業用水、地域用水などを
「土」は土地、農地、土壌などを
「里」は農村空間や農家・非農家の生活空間などを意味します。
水土里(みどり=緑)には“自然”とか“環境への影響を少なくする”意味があることから、豊かな自然環境や美しい景観を意味し、おいしい水、きれいな空気など清廉なイメージを表現しています。
土地改良区は、全国40万km(地球10周分)に及ぶ水路などのネットワークによって農村の健全な水環境を形成し農地を潤すことにより、安全で安心な「食」と「農」の基盤づくりを担うとともに、これが国民共有の財産である美しい農村の基礎ともなっているとの役割を地域及び国民にアピールし、併せて、人・物・情報のつながりにより農家のみならず地域住民や都市住民と連携(ネットワーク)して「水」「土」「里」を創造し、都市と農村の共生対流を促進するなどの将来に向けた土地改良区の役割と姿を表現しています。
また、近年に環境に対する意識の高まりから、土地改良法に「環境との調和への配慮」が記されました。管理団体という概念を解き、生態系保存や治水効果等多面的機能の発揮から地域に貢献できることなど、皆さんの“水土里ネット中勢”という新たな視点から、皆さんの声を反映し、皆さんと一緒に交流と活躍の場を提案していきます。環境との調和に取組むことなど、当に21世紀にふさわしい新たなチャレンジだと考えます。
If you want things to stay as they are,things will have to change.
(大切なものをそのものとして今ある形で次代に引き継ごうと思ったならば、そのものは必ず変わらなければならない。)
土地改良事業など大切な農業・農村の基盤について、我々自身として内発的に変化をしていかないと、21世紀において土地改良事業というものが生き残っていけない‥
英語の格言を借りて。厳しいことですが、行政主導の次代ではありません。地域に触れ、地域を知り、地域の皆さんと一緒に土地改良の未来を育んでいきましょう。
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