涵養林育成の植林活動
涵養林の役割と大切さを生徒たちに学んでもらおうと中勢用水土地改良区は平成21年10月下旬、津市内の生徒たちを水源林である安濃ダム流域に招待して植林活動を行いました。
安濃ダム周辺 キャンプ施設
安濃ダム流域は、戦前植林された杉と檜の針葉樹の人工林で、広葉樹はごく僅かで流域自体の保水能力は余りありません。降雨がある時は2、3時間で安濃ダムへの流入がありますが、その後ダムへの流入は余りありません。それに山林自体、林業従事者の高齢化に伴い間伐作業もままならない状況であり、最近荒廃した山林が目立ってきました。このため、少しでも森林の保水能力を高めてダムへの水源を確保するのと同時に生徒たちに植林活動を通して水源林と農業用水の関わりを学んでもらおう、とこの企画を実施しました。
この企画には、本改良区の農業水利施設・第三頭首工を見学したことがある津市の西郊中学校が賛同し、二年生生徒が学年単位で環境学習として参加しました。植林当日、二年生生徒163名と引率の教諭を植林活動の錫杖湖畔キャンプ場へ招待。バス車中では、改良区職員が頭首工等の農業水利施設を分かりやすく説明しました。
植林会場のキャンプ場は、以前安濃ダム建設時の土捨て場であったところであり、非常に安濃ダムと関わりのあるところです。このため礫等が多く生徒たちにスコップで植林の穴を掘ってもらうのは無理だったため、事前に小型重機で穴を掘って苗木の支柱も打ち込んで当日の植林に備えました。植林当日、生徒たちは「元気に育てよ」「育て、満開」等思い思いのメッセージを書いた木札を持ち寄り、植林したヤマザクラ、コナラ、モミジ、ヤマボウシにかけ、数年先の苗木の成長を楽しみにしていました。
植林後は安濃ダムを見学したほか、水源林と農業用水の関わり等の学習を行いました。
(生徒の皆さんが植樹しましたヤマザクラの一部は、キャンプファイヤー内が手狭になったため
メッセージとともに場内へ移植しました。また、数本は根を張らず枯れてしまいました。)

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