冷却CCDでの測光観測

私の観測の実際の流れを紹介します。
★ 鏡筒の外気順応とCCDカメラの冷却
日没2時間ほど前より、スライドルーフを開放し扇風機の風に当てて、LX200の鏡筒を外気温と馴染ませる。
観測小屋内は換気していますが、冬季は問題少ないですが夏場の気温差が多い時ほど、星像が安定しま
せんので、撮影までのこの順応は意義があります。  雨後に夜半から晴れ上がり急遽撮影と言うときなど
ボケた星像に悩まされます。
撮影用のパソコンの時刻合わせをする。パソコンの時刻は、ずれていきますので毎回電話の時報で合わせ
ます。  これを怠ると何の為に秒の単位まで極小時刻を求めているかわかりません。
同時にCCDカメラ(CV-04)を起動し冷却を開始しておきます。カメラ固有か機種の関係で撮影中にチップの
温度変化が有り安定化の為にもなるべく、撮影開始前1時間以上は冷却しておきます。
私のCV-04は撮影開始時の外気温から‐30℃ぐらいが安定しているようで、冬季で‐20℃、夏季で±0℃に
しています。  また安定化の為撮影時は扇風機で送風しています。
★ ダーク、フラットフレームの撮影
ダークフレームは観測のたびに毎回撮影しています、設定頻度の高いダークフレームをあらかじめ用意して
も良いのですが、当日のCCDカメラのチップ温度が安定しているか不安も有り毎回収得しています。
フラットフレームは乳白色板で黎明時に天空を使い撮影します。 フラットフレームはダークと異なり、光学系
の周辺減光やCCDカメラチップ前のゴミやフィルター上のゴミなど撮影のたびに毎回異なりますので理想は
セッティングのたびに撮影するべきです。ですが私の場合は光学系の変更は有りませんしカメラ、フィルター
は装着したままで、取り外し格納時にゴミ等の付着が有りませんので、あらかじめ撮り貯めたフラットを使用
しています。  時間の有るときにチップ前面の保護ガラス窓や光学系を清掃し撮りなおしします。
ピント合わせとフラットの省略や急遽撮影が出来るように、全ての機材はセットされたままです。 
ほんとはカメラやフィルターなどは防湿庫に入れて置くのが良いのでしょうが、今のところ問題ありません。
★ 観測対象の選択と撮影予定
食変光星を観測対象とした場合、極小時刻を求めるのでしたら、1日未満の周期で極小予報時刻の前後
1.5時間、トータル3時間は必要です。  1日以上の周期の星は3時間以上撮影します。
私の場合、以前に観測が有る星は極小時刻からO-Cを求めてありますので、要素から現時点の予報計算
をし、観測予定を立てています。初めて観測する星の場合は、神奈川県の永井和男さんのH.Pからダウン
ロードしている、”短周期食連星の極小予報”から当日撮影可能な星を選んで観測します。
この予報はCracow星表を使い、12等より明るい星の主極小の予報で、観測対象には困りません。
ただ長い間誰も観測していない星や周期の変動が大きい星など有りますので、予報通りにはいきません。
新星や超新星の場合は最低5コマは撮影し、平均した光度を出すようにしています。
観測対象の選択の前に比較星が視野内になければならないのですが、よほど長焦点で無い限りは問題
ないです。ただ比較星は

    つづく