|
夜のとばりが降りる中、日々の自分とは異なる顔が暗闇の奥へと、その表情を少しずつ変貌させていきます。
それは喜怒哀楽にあふれた、もう一人の分身が演じる常に新しいドラマであり、夜毎の酒席には様々なシーンが展開されていくのです。そして心の中に満ちる物語を感じることは、酔客として華やかな舞台での演技に違いありません。しかしながら、それぞれ世界に一人しかない主人公達は、スクリーンの向こうに魅入るがごとくしっかりと場面を、享受する事は残念ながら不可能といえます。
これから展開される物語りは、貴方の心を離れ、真夜中の向う側の幽玄境にたゆたい、そして時間の中に置き忘れ去ったかも知れぬ肖像として、素晴らしき刻印となることでしょう。良き想い出となっていただけたら幸いです。 |
|
|