ザ・スパイダース

Vo. 堺  正章
Vo. 井上 順
G.  かまやつ ひろし
G.  井上 堯之
B.  加藤 充
Dr. 田辺 昭知
Key.大野 克雄

メンバーを見てみると驚きのメンバーである。ベースの加藤氏をのぞくと業界の重鎮ばかりがそろっているバンドである。

しかも恐るべき分業がなされており、その後のおのおのの活躍がすでに予測される。

まずVoの2人とギターのかまやつひろし氏はバンドのエンターテーメント性を担っており、メインボーカルは歌のうまさに加え、父親譲りというか芸能人2世の感性で抜群のショーマンである。一方そんな堺の影で、2番手に甘んじていた井上だが、その後の活躍で証明されているように堺に決してひけをとらない歌唱力、ショーマンシップを持っている。つまり、堺も井上も他のバンドで考えると十分にボーカリストとしての看板を担えるのである。しかし、このバンドのすごいところはエンターテーメント性だけでなく、音楽的にも円熟したモノを備えており、その曲(または場面)により、その演出をかえ、飽きのこない楽曲を続けたのである。演劇の場合のダブルキャストにあたる手法だといえよう。

次に、音楽的な要素だが、これも後の活動をみれば一目瞭然だが、ギターの井上尭之とキーボードの大野克雄である。フロントは3人に任せ黙々とプレーヤーに徹して、スパイダースサウンドを支えていたのである。また、楽曲のアレンジ等もこの二人の功績である。

ギターのかまやつひろしは音楽的なことやライブそのもののエンターテーメント性より、ファッション等の情報を海外から集め、いち早くそれらをバンドの中に取り入れていた。最近の言葉で言うとビジュアル系の草分けでもある。

音楽的にもエンターテーメントにおいてもまたファッションリーダーとしても、それぞれ1つのグループをヒットさせる実力を持ったメンバーが集まっていたにもかかわらず、GS時代を初期から末期までその王座に君臨し続けた理由は、圧倒的な統率力でまとめ上げたドラムスでリーダーの田辺昭知のもつカリスマ性だろう。

ベースの加藤充はバンドの絶頂期にあって自分のポジションをよく理解した人で、バンド解散時にはなんの未練もなく音楽業界を去ったという。
再結成の時にはツアー中のみ長期有給休暇をとって参加して、純粋に音楽好きを通した人である。

バンド解散後フロントの3人はそれぞれソロとして、音楽だけでなくテレビドラマや映画などエンターテーメントの道で成功し、音楽担当の2人は純粋に音楽に集中できるように誰かのバックバンドになったり、テレビや映画のサウンドトラックや主題歌を手がけるようになった。
音楽業界を去った加藤氏は保険関係の会社に勤め、当時の苦労を胸に新しい世界で大成しているらしい。リーダーの田辺は和田アキ子や堺正章、タモリなど大物タレントを抱える大手芸能プロダクションを経営している。

残念ながらこのバンドはリアルタイムではないのでライブの様子やヒット曲についての認識はほとんどない。
しかし、再放送などでされた映画や、ソロでの活躍等でふれられることから、もしかしたらプロ・アマを越えてバンドの理想形態だと思っている。

おすすめの曲
「あのころ君は若かった」
「ノーノーボーイ」
「バン!バン!バン!」
「夕日が泣いている」