私の相方

何年かぶりに南極ブラザースのちゃんとした練習をした。相方であるKとのちゃんとした練習である。

こいつとはスクラッチタイムというバンドをやったのが出会いである。体つきも華奢でその当時仕事も転々としていて、これというものもなくどちらかというと風采のあがらない”サエない”男である。

ところが、この男ギターを握ったとたんまるでハンドルを握った本田君のように豹変するのである。10代の頃中勢地区のバンドシーンで活躍をしていたらしくその方面ではかなりの名うてのギタリストだったらしい。

スクラッチタイムを計画解散したあと2人でオベーションを買って南極ブラザースを結成したのだが、この男一緒に始めたのにさっさと弾きこなし、ずいぶんと水をあけられたのでる。まあもともとギターを弾くという行為がとても好きなやつではあったが、実に上手に弾くのである。

スクラッチタイム以降こいつと楽曲を作ってきたのだがほぼ分業がされていて、私が商品開発。相方が製品化という作業である。ところがここで問題が生じてくる。新曲をわたすとこの男私の技術など全く無視し、自分のレベルで加工を施すのである。

活動凍結中の5年間、お互いの活動をへての再始動だったが、私は全然弾けてない。要するに「へた」なのである。

でも不思議と私の楽曲との相性がいいのか不思議と私を見捨てず続けようとしてくれている。

私は私でこいつの視線にビビリながら緊張しながら弾いている。お互い何かを補い合っているのか”いい”関係である。

CLUB QueやhPaのような昔からの「つれ」のバンドも楽しいが、南極ブラザースのように音楽的なことでの緊張感を持つバンドも楽しいのである。

もしかしたらこの男の存在が、私の音楽的技術を支えているのかもしれない。