ハリエンジュ(ニセアカシア)
(嬉野町 04.5.4)

 
街路樹などに植えられ非常にふくよかですがすがしい香りが強い花を咲かせる大木です。いわゆる、アカシアの蜂蜜のあれです。
 この花は、お浸しや天ぷらに利用される比較的ポピュラ−な山菜とのことです。

 5分咲きほどの香りが強い若々しい房を集めました。
 生で花を食べてみると、先ず強い芳香が鼻に漂い、噛むとほんのかすかな苦みがするだけで、甘い味がします。甘い味は蜜の部分だけかと思ったら、なんと花びらも甘いではありませんか!花の根本に少し青みとぼそぼそ感がありますが、ほとんどアクが無くて、生で食べられる花でこれほど美味しいと感じたのは初めてです。一つ二つつまんでいると口の中に芳香が広がります。

 香りを逃さないように、さっと30秒ほど熱湯に入れ、直ぐに水で冷やし、水切りして皿に並べたものです。
 何も付けずに一房分の花を口の中に含みゆっくり噛むと、生の時感じたぼおぼそした食感は無くなり丁度良い歯触りになり青味も無くなりました。口に飛び込んでくる第一印象は上品な甘さです。アカシア蜜と花びらそのものの甘さに加え、マメ科のかすかな旨みも加わりかなり美味しいです。それに加え口の中一杯に広がる芳香は秀逸です。二房分の花を食べると鼻に抜ける芳香がしばらく口の中に滞留して、えも言われれぬ幸福感が味わえました。
 初めて食してみて、意外なほどの美味しさに感激しました。味付けはなにもいりません。

 さっと天ぷらで食すのが最も一般的だそうですが、香りが飛んでしまい、タマネギの天ぷらのような甘さがあるだけです。この花は、軽く湯通しして何も付けずに食べるのが一番のような気がします。