ざざむし類の味について
(2003.12.22 嬉野町)

 
HP「ざざむしの謎に迫る」によると、昔から食されてきた所謂ざざむしとは、カゲロウ・カワゲラ・ヘビトンボの類をまとめた川虫の総称で、採取の適期は冬(餌を食べなくなり虫臭さがなくなるという)で、料理法は洗浄後一度茹でた物を取りだし甘露煮にして食します。ヘビトンボはマゴタロウムシとも呼ばれ民間薬としての利用があるが、商品としてザザムシの甘露煮からは姿が悪いためか除かれているとのことです。

 冬になるのを待ってご覧の川にたもを持って少し上流側の石ころを長靴でがさがさやり、流れてきたざざむしを採取しました。

 カゲロウのの仲間です。2cmくらいの大きいやつを選んで採取しました。カゲロウ・カワゲラの類はめちゃくちゃ種類が多くて、同定するのに1冊の厚い本がいるくらいですから私には同定できません。

 ヒゲナガカワトビケラの仲間は丸々ぷにゅぷにゅして美味しそうです。一番沢山捕れました。

 ヘビトンボは10cmくらいある大型の幼虫です。平たくてムカデによく似ており噛まれるとかなり痛いです。上の2種が藻類や植物粕食べてるのに、こいつは肉食でトビケラなんか一緒に入れると食われちゃいます。
 こいつは炒めたりして食べると美味しいとどこかのHPに書いてあったので期待がもてそうです。

 炒めたカゲロウの仲間です。生きてるときと姿がぜんぜん変わってません。今回の中では一番インパクトが少なそうなので、こいつから食べることにしました。
 歯触りは見たまんま堅いです。味は1匹目は癖が無く薄味動物性タンパク質と言う感じでしたが、2匹目を食べるとなにやら嫌な臭みというか表現しがたい味が腹の方からしますし、砂が出てきました。これは多分食べた消化物による嫌味のようです。

 炒めたヒゲナガカワトビケラの仲間です。水分がぬけて少しシワシワになりました。歯触りは堅くないですが・・・・この口の中に広がるえもいわれぬ嫌味は何でしょう!今までに味わったことがない・・強いて言えば草食動物の糞にプラスチックの溶けた有機溶媒を混ぜたような味です。もう一度良く味わおうと口に入れかけましたが、どうしても一口が入りません。あえなく、ダウン。
 伝統食だから、大したこと無いだろうという先入観で食べたので、そのギャップはかなりの物でした。この味が虫そのものの味か消化物の味か判別できないまま、牛乳を飲んで次のヘビトンボに・・・・

 炒めたヘビトンボです。平たい体が少し丸っこくなったくらいで、外観に変化がありません。触ってみても殻は強靱、お腹はぷにぷにと言う感じです。
 こいつは民間薬で子供が食べるくらいだし、HPにもけっこうイケルと書いてあったので、迷い無く腹の真ん中からかぶりつきました。。。。。が!!!!!
 この想像を超えた味は何でしょう???強いて言えば肉食動物の糞?!はっきり言って臭いです。おかしい、、、なんでこんなに不味いんだ!腹の内容物を引きずり出してからもう一度腹部を食いましたが、やはりいや〜な味がします。
頭部は強靱なので指でつぶして身をひねり出し食しましたが、あら不思議。。淡泊な動物性タンパク質の癖もない味ではありませんか。
 ひょっとすると、消化物の味が強烈に身に染みこんでいるのかも知れませんが、私がもう2度とこいつを食べることはないでしょう。
 さらばじゃ!マゴタロウムシ

・・・虫を甘く見たらいかんということか。教訓