j-wara1.jpg (81480 バイト) ワラビを掘ってワラビ餅つくり
(津市〜 2013.10.19〜10.25)

 
 スーパーで売っているわらび餅は、ワラビじゃないデンプンで作られていますが、わらび餅の名の如くわらび餅は昔はわらびから精製したでんぷんから作られていました。 今でも本物のワラビ粉から作られているわらび餅はごく一部の和菓子店で作られていますがとても高価ですし、本物のわらび餅は作ってから直ぐに味が劣化しはじめることと冷蔵庫で冷やすとがちがちになって売り物にならないので、なかなか手に入りにくいです。 

 検索すると、高価なワラビ粉を買って自分でわらび餅を作って楽しんでいる方がいます。 また、岐阜県や長野県でワラビの根を大量に掘り出してそれを叩いてデンプンを作る体験を実施しているところもありますし、小学校の学習体験としてワラビの根を掘ってデンプンを作るところまで乗っているHPがありました。

 しかし、何故かワラビの根を掘り出してデンプンを造り、そこからわらび餅を作っているHPは見つかりません。どうしてだろう?

 と言うことで、私はスーパーで売っているわらび餅は大好きですが、本物のわらび餅を食べてみたいことと、本当にワラビからデンプンが抽出できてわらび餅ができるのが試したくなり、やってみることにしました。やるならデンプンが貯蔵されてきたと思われる秋かな・・・という感じで、寒くなったので今でしょ・・

 私はあまりワラビ取りはしないので大きなシロは知りませんが、いつもウド取りをする場所にワラビが生えているのでそこに行ってみましたが・・・あらら、ここは草刈りせずにずっと放置されてきた果樹園ですが、最近草刈りされたらしくワラビもウドもほぼ全滅しています。 その中に少しだけ生えているワラビがあったので、仕方なくこれを採って帰ることにしました。

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 シャベルを持って行き、一気に根を掘り取る予定でしたが、これが他の植物の根がワラビの根の周りにいっぱいあって、結局ほとんど手で少しずつ掘り出しながら採取するしか方法がありません。。

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1時間挌闘してやっとこれだけ掘り出しましたが、掘り出しやすい場所があればすいすいと採れると思います。

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 洗いながらたわしで泥を洗い流しました。

 

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 これをどうやって抽出するかですが・・・体験ワラビ粉作りHPでは木槌で叩いていました・・・小学校の体験HPではミキサーで潰していましたが、そのHPに和菓子屋さんからアドバイスでは「すりがねでおろす、またはすり鉢でする」と載っていたので手軽そうなすりがねでおろすことにしました。


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 これがとても大変・・・山芋みたいな粘りあって直ぐに卸せる根があると思えば、木のように硬い根があったり、すかすかの根があったり、本当にここからデンプンが出てくるのだろうか?と疑問を持ちながら、とにかくおろしました。

 途中娘が覗きに来て「(娘)おとうちゃん、なにしとんの?」 「(私)わらび餅はワラビの根からできたもの本物やでつくっとるんや」 「(娘)どんだけできるの?」 「(私)一切れくらいかなあ・・・」 「(娘)一切れやのになんでそんな大変そうなことやるの?」 「(私)おとうちゃんの趣味は体験したことがないことを体験することやからやっとるんやよ、それがおとうちゃんの元気の源やでえ」 「(娘)そやったなあ〜」という会話がありました。いつもの事なので家族も驚きません。

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 おろしたものはカスカスなので、適当に水を入れてよく揉み込み抽出します。

j-wara8.jpg (65526 バイト)  これを大きなガーゼで漉して、よくぎゅっと絞りました。
j-wara9.jpg (58269 バイト)  泥水のような色の液体が出てきましたが、これをしばらく置いておきデンプンが下に沈むのを待ちます。 どれだけ沈んだかワカラナイので、容器は2Lのペットボトルを切って使いました。冷蔵庫で12時間放置・・
j-wara10.jpg (52725 バイト)  そうすると、下にデンプンか木くずか泥か知りませんが、薄く沈むものがあり、これを静かに傾けて上水を捨てたら・・・
j-wara11.jpg (61127 バイト)  こんな感じで底にとごりができました。
j-wara12.jpg (60731 バイト)  これをまた適当な水量で伸ばして、今度はとごりを乾燥しやすいようにボールで冷蔵庫に30時間くらい放置しました。
j-wara13.jpg (60399 バイト)  すると、今度は上水は透明になり、上水を静かに傾けてとごりが流れない程度に水を除きました。
j-wara14.jpg (57749 バイト)  これを室内で3日放置すると・・・
j-wara15.jpg (65242 バイト)  かりかりに乾きました。 これをご飯のしゃもじでこそげ取ると・・・
j-wara16.jpg (72551 バイト)  こんな感じのモノができましたが、不純物かデンプンかさっぱり解りません。 わらびデンプンを作った人のHPを見てもやはり不純物かデンプンかワカラナイと書いてありました。
j-wara17.jpg (62697 バイト)  検索するワラビ粉1に対して水4と砂糖4くらいを入れて加熱するのが一般的な感じでしたが、当方は出来たデンプンの5倍量の水と2倍量の砂糖を入れて加熱しようという方針でした。。。
 HP検索するとワラビ粉は根に対して3%くらい出来そうなので、根が300gありそうですから5gは出来たかな?と天秤に乗せると・・・なんと1g丁度! 少ない・・・あまりにも少なすぎる。。。
j-wara18.jpg (57187 バイト)  1gに対して5mlの水ではあまりにも少なくて直ぐに蒸発しそうですから、とりあえず10ml水を加えて良く懸濁しました。
j-wara19.jpg (61141 バイト)  本当のワラビ粉は何度も漉すことで不純物を取っていきますが、最初の抽出の1回しか漉していないので、最終に懸濁液を濡れガーゼでさっ漉しました。。。そうすると、めちゃくちゃ不純物が上に残り、濾過された液が僅かになったので、また10mlくらい上から注ぎかけて不純物を洗いながら濾過を終了しました。
j-wara20.jpg (45288 バイト)  濾過後のものは、クリーム色ですが不純物がほとんど入っていないようです。しかし、この中にでんぷんはあるのだろうか?これで多分10mlくらいの容量です。
j-wara21.jpg (50272 バイト)  これに2gの砂糖を加え・・
j-wara22.jpg (52255 バイト)  よく混ぜて、家にある一番小さい鍋に入れて・・・
j-wara23.jpg (67510 バイト)  超弱火で加熱していきましたが、平らに伸ばすと直ぐに蒸発しそうなので、常に鍋を傾けてスプーンでかき混ぜながら加熱を続けました。 徐々に沸騰してきて液が透明になりとろみがでてきましたが、まだゆるゆるです。 そのまま加熱を続けて蒸発させて粘度がだんだん上がってくるのを待ちました。
j-wara24.jpg (54079 バイト)  ジャムくらいの粘度になってから火をとめました。色は黒っぽいです。

 
j-wara26.jpg (49711 バイト)  皿に移していると直ぐに固まりすごくくっつきます。 やりました!できました!ワラビデンプンは少しですが抽出されていたようです。
 
j-wara25.jpg (54076 バイト)  量は・・・こんなにちょこっと。。。でも、量の問題ではありません、蕨の根を掘ってワラビデンプンを精製し本わらび餅が出来たかどうかが重要です。
j-wara27.jpg (58629 バイト)  拡大すると、黒っぽく少し中に澱のようなものが見えます。

 
j-wara28.jpg (52229 バイト)  こんなに粘度が高いです。

 嫁とともに試食です。 こんな少しと思いますが、口にれると食感がしっかりしており2人で十分味見ができました。

 これはスーパーに売っているわらび餅とは全く違うお菓子です。 妻も非常に美味しいと言っていましたが、ホント美味しかったです。
 独特の食感をしています。 すごくもちもちしており、口の中に入れているとしばらくもちもちしていたあとに口の中に溶けていきます。これは初めて体験する食感です。味は砂糖の味なのでしょうが、この独特の食感とあいまって、上品な美味しさです。口の中に残る不純物や変な癖は全くありませんでした。

 できた量は、想像以上に少なかったですが、ワラビ粉で作ったわらび餅はとても美味しかったです。 加熱前に不純物を取り除かないとこのような食感は楽しめないと思いますので、不純物を除く作業は重要と思われます。