真冬のウバユリは美味かった
(2003.1.13 松阪市)

 春の芽出しのころのウバユリは新芽、球根とも非常に苦く、私はこの山菜をかなり不味いものだと思っていました。しかし、ウバユリの美味しさが際だつのは冬とのこと・・・冬に一度ウバユリを探して食べることにしました。
 芽出しの頃、夏の花の頃、秋の実がなる頃とあれほどそこら中に生えていたウバユリが探せど探せど見つかりません。ウバユリは道脇に沿って生えますから、多分除草作業で刈られてしまったためだと思います。それにしても林道の奥深くまで正月前には綺麗に除草されているものです。おかげでこんなに目立つウバユリの枯れ枝を見つけるのに随分苦労しました。

 枯れ枝の根本をスコップで掘り起こすと大小球根が沢山ついていました。

 1本から結構沢山収穫できました。左のタバコと比較しても大きさはまずまずです。これだけあれば1人で十分量です。

 水で洗いながら、鱗片を1枚1枚剥がして下ごしらえします。

 単純に塩を一降りして煮ただけのもの・・・・驚いたことに全く苦みがありません。ほくほくしてねっとりして噛むとかすかな甘みがありまずまずのお味です。
 春の芽出しの頃の鱗片のあの苦さが嘘のようです。今まで私が抱いていたウバユリの概念を変えなければなりません。

 ごま油で炒めて少しだけ塩をかけたものです。
 これは、美味い!ほくほくして甘みがあり、鱗片を取り巻いている繊維質の皮が香ばしくなり、煮たものよりずっと食感が良くなっています。

 今回、煮たもの、炒めたものとも鱗片は美味しかったのですが、食べていてあれっ!と思うことがありました。食べているうちに苦い部分が存在することが解りました。分解していくと、それは鱗片を剥いた最後の中心部・・新芽になる部分です。この写真の部分!!これ捨てた方がいいでしょう。
 まだ、球根状態の出芽前の芽が苦いんだから、芽出し頃の新芽が苦いのは当然だと思います。その関係でそのころの鱗片も苦いのかな?
 それは、さておき私は今回ウバユリに対する味の認識を新たにしました。縄文人が好んで食べていたという事実にもうなずけます。