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冬虫夏草を探して食べたい 2 (津市にて 2010.7.20) 遙か子供の頃、手塚治のマンガにしばしばセミタケが登場してきました。 その強烈な印象は、今になっても脳裏から離れません。 それ以来、セミタケがあったら採ろうと思いつつ40年間、今まで過ごしてきました。 キノコに興味を持ちだしても、ひたすら食べるための美味しいキノコを探してきましたが、ちょっと飽きて来ちゃいました。 図書館で本を読んでいると、懐かしいセミタケや派手で大きいサナギタケを一度採ってみたいなあ・・・その時期は本によると梅雨から夏! つまり今からがシーズンです。 誰か、フレッシュな冬虫夏草を採って食べた人間は居ないかPCで検索しましたが、なかなか見つかりません。。何故でしょう?。。検索するとこれを食ったらただのゲテモノ食いなどと酷い書き方していたりします。 まあ・・・科がバッカクキン科ですからあのバッカクキンです。 さて、いつものごとく困ったときのgajinさんHP「あやしいきのこ」になんとその7/17セミタケ発生の記事があり、私はこれを逃せば一生の悔やみと思い、午前中からK公園を目を皿のように徘徊しまくりました。。 うまそうなアカヤマドリがいっぱいあるなあ〜・・・無視! |
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ああ、どこにあるのだろう・・・キノコはわんさかとあるのにセミタケが一向に見つかりません。 ひょっとして、もう溶けてしまったか、誰かに採られてしまったのでしょうか・・・と思い、2時間彷徨って家に帰って、もう一度「あやしいきのこ」の画像を見直してみました。。 その画像にいろいろ目印があったので、またそれを頼りにK公園にGO! 何しろ40年がけのセミタケです。 |
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現場を歩いていて、画像とぴったりの場所を見つけて、周囲を見渡すと、あった!ありました。。私の足下に・・・あわゆく踏みつけるところでした。。なんでこれが見つからなかったのだろう・・・私の目は節穴か?? このひねりの効いたイチモツのような形は、まさにgajinさんが撮影した個体そのものです。 ただ、梅雨明けのからから天気でかなり乾燥していました。 gajinさんが撮影したそのものを採取するのは気が引けたので、周りを探したのですが、結局これしか見つからず。。。すんません、gajinさん、人に探してもらって撮影被写体になった物を失敬します。。人が見つけた物でも、さすがに探し求めていた物だけに嬉しいです。。。。ということで、掘りました。 |
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地面の直ぐ下のニイニイゼミから、手塚治のマンガそっくりの形に生えています! 不思議だ。 |
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手に取ると、小さなニイニイゼミに比べてきのこ(ストローマ)がかなりでかくてキモいです。 |
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宿主の方は、しっかりとしておりパンパンに張っていました。 |
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ストローマの元のいぼいぼがぐろいです。 さて、私は今からこれを食べますが、まねはしないでくださいね。 これを食べた私が平気でもあなたに危害が及ぶかもしれません。よって、これを食べてどうなっても一切の苦情は受け付けません。自己判断でお願いします。食べちゃダメですよ! これくらい言えばいいでしょう。。それではいただきま〜す。 |
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乾燥していたので、2時間水に漬けておきましたが、僅かに吸水しただけです。 なかなか手強い。。熱をかけたら柔らかくなりそうなところまできたので、水からあげてクリーニングです。 |
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う〜ん立派なセミタケだ。。。 |
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今回も宿主を食べようかどうか迷いましたが、軟弱なのでストローマだけ切り離して食べることにしました。。。 しかし、蝉の幼虫は美味で、そこから出てきたキノコも食うのにその宿主の蝉の幼虫を食わないのも合点がいきません。 前回クモタケのペースト状になった中身を見てしまった為でしょう。 |
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ストローマを半分に切ると乾燥の為か、中に空洞がありました。これをいつものごとく、ホイル蒸しで賞味です。 |
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おおー、香りは控えめで穏和で癖がない、きのこのいい香りです。 歯ごたえは乾燥の為少し筋張っています。 そして、味ですが。。。まず、結構強い甘みが口に広がりそれから旨みがやってきました。変な癖もありませんし、クモタケのような苦みも全くありません。 何というか、甘みが意外に強くこのあたりはクモタケと感じた共通の甘みでした。 しかし、食べてから30分経過しても、まだうっすらとややしつこい旨みが口の中に残っており、これはそんなに量を食べるキノコではない気がします。1本くらいならまずまずかな。。 今回、長年の懸案であったセミタケを採って(採らしてもらって)、しかも味見までできたので、また一つ人生のハードルを越えたような気がしました。 満足・・・・ |