j-touc1.jpg (74161 バイト) 冬虫夏草を探して食べたい 1
(津市にて 2010.6.26)

 遙か子供の頃、手塚治のマンガにしばしばセミタケが登場してきました。 その強烈な印象は、今になっても脳裏から離れません。 それ以来、セミタケがあったら採ろうと思いつつ40年間、今まで過ごしてきました。 キノコに興味を持ちだしても、ひたすら食べるための美味しいキノコを探してきましたが、ちょっと飽きて来ちゃいました。 
 図書館で本を読んでいると、懐かしいセミタケや派手で大きいサナギタケを一度採ってみたいなあ・・・その時期は本によると梅雨から夏! つまり今からがシーズンです。 誰か、フレッシュな冬虫夏草を採って食べた人間は居ないかPCで検索しましたが、なかなか見つかりません。。何故でしょう?。。検索するとこれを食ったらただのゲテモノ食いなどと酷い書き方していたりします。 まあ・・・科が
バッカクキン科ですからあのバッカクキンです。

 そろそろ、シーズンインかと思って近場の神社などを探しますが、これが全く見つかりません。。 冬虫夏草は菌が土壌に居てそこに虫がいて初めて条件が整って、そのたもろもろの条件があり、所謂シロのようなものが存在するようです。 それでもサナギタケのように大きくて派手なオレンジ色なら見つかるはずですから闇雲に探しましたが、なかなか見つかりません。

 困ったときのgajinさん頼み・・・HP「あやしいきのこ」にクモタケが発生する場所が載っていたのを思い出し、そこに探しに行くことにしました。 先ずは、種類はともかく冬虫夏草を見つけなきゃ。。
j-touc2.jpg (73371 バイト)  そこに行くと、梅雨のイグチが所々で出始めていました。 この美味しいイグチは今回は全く無視して、ひたすら冬虫夏草の目になって探していきます。 何しろ相手は、相当小さなキノコですから、今までのようにちらちら眺めながらのペースではダメのようです。 地面をなめるようにゆっくりゆっくりとその気配を探していきました。 これは、今までのキノコ探しとは全くペースが違いなかなか新鮮な感覚でした。
j-touc3.jpg (81699 バイト)  マッチ棒の先ほどのキノコが地面から出ていました。 これはタンポタケの仲間か! と思って小さなノコギリ鎌で周りを少しずつ崩していきましたが、、、残念!柄の下は土があるだけでした。
j-touc4.jpg (71879 バイト)  と、突然木の株もと近くの傾斜地に、「あやしいきのこ」に載っていたのと同じ形のキノコがあるではありませんか! 画像には2個写っています。
j-touc5.jpg (72924 バイト)  指先と比較すると、本当に小さい・・・マッチ棒みたいです。 これを小さなノコギリ鎌で周りを徐々に寄生宿主ごとほりあげて、ゆっくりゆっくり慎重に周りの土を剥がしてきました。 すごく気を遣う作業です。
j-touc6.jpg (62225 バイト)  地中の蜘蛛の巣穴らしきものまではぎ取りました。
j-touc7.jpg (65738 バイト)  慎重に巣をはぎ取ると・・・あれ?? 蜘蛛が見えません。。白いふわふわしたかたまりです。。これでは完璧に冬虫夏草とは確認できません。。そこでもう一つのクモタケらしきものも掘り採りました。
j-touc8.jpg (75841 バイト)  おおーーー! もう一つの方はふと短い中に蜘蛛の足が見えます。。これで初めてクモタケ、即ち初めて冬虫夏草を採取したと確認できました。やったぜ!
j-touc9.jpg (82800 バイト)  う〜ん立派なクモタケだ。。。
j-touc13.jpg (64770 バイト)  2本掘り採って、上のふと短いやつは保存用にして、下の細長い方を食べることにしました。
 クモタケを検索すると時々「食不適」とか書いている奴が居ます。。この表現は卑怯だと思います。「食不適」と書くくらいなら、解らないなら解らないとはっきりと書くべきです。それか、こうこうこういう理由で食不適ですと書くべきです。 

 今から、私はこのクモタケを食べますが、この記事を見て食べられると判断しなで下さい。食べるのは自己責任です。 食べたらダメですよ。。。。これくらい言えばいいでしょう。それではいただきます。
j-touc10.jpg (56295 バイト)  柄の部分(クモタケの場合、シンネマというそうです)と宿主の部分に分けました。 両方の味を食べ比べようと思いましたが、宿主を包丁で半分に割ったら、溶けかけた蜘蛛が現れて戦意喪失。。シンネマの部分のみを食べることにしました。
j-touc11.jpg (77914 バイト)  食べ方は、味が最もストレートに解るホイル蒸しです。。なにしろ物が小さいですから、蒸しすぎてからからにならないよう、さっと熱を通しました。。。
 今まで、いろいろなキノコをホイル蒸しにしましたが、これほど少ない量で味が判別できるかどうかわかりませんでしたが、蒸し上がったホイルを開けると、なんとも良いキノコの香りが意外に強くしかも全く癖が無くしたのに、驚きました。。ああ!こいつも立派なキノコなんだ。。
j-touc12.jpg (57918 バイト)  何も付けずにゆっくりと咀嚼しながら味わいました。。食感はやや繊維質の硬さがありますが簡単にかみ切れました。。それよりも味です。。。こんなに小さいのにまずまずの強い旨みと甘みそして僅かな苦みを感じました。。美味いか不味いかと言われれば、これは美味い方のキノコだと思います。僅かな苦み意外ほとんど癖がありません。。私の体験では、クモタケ(シンネマ)は決して「食不適」ではありませんでした。
 その後、体調に全く変化はありませんでした。。今回を「冬虫夏草を探して食べたい 1」にしたのは、第1に子供の頃から探しているセミタケを見つけたい。。。セミタケがだめならサナギタケを見つけて食べたいからです。。 そうそう、簡単に見つかるもものではなさそうですが。。