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初めての山城歩き(松阪 天花寺城) (松阪市にて 2013.3.24) 本屋でこの本を見ていて、三重県は山城の宝庫であり私の家の近くにも沢山の山城があるとのことです。 本の中を見ると、山城のある場所と地形と解説が載っています。 今まで、山城というものに全く興味がありませんでしたが、この解説本はなかなか親切で解りやいです。 私は膝を悪くしてから、低山登りも止めてしまいましたが、発見しながら軽い歩きが出来そうでびびっと興味が湧きました。 私が城に興味を持てなかった一つに聞き慣れない用語にあります。この本にも専門用語で書かれていますが、用語の種類は意外に少ないので、IT検索してその意味を調べると、意外に単純な用語構成でできているのが解りました。 基本的に山城は「曲輪」「土塁」「堀」の3種類の組み合わせで戦略上構成されていることが解りました。 曲輪(くるわ):区画された平地で、城や建物や兵士の野営場など城としての中枢 土塁:城や建物を防御する為行われる土盛り、土の替わりに石が使われると石垣 堀:城や建物を守る為に掘られた溝、平城の場合水が入った堀になるが山には水がないので空堀になる な〜んだ、簡単じゃん |
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さて、今回探索する天花寺城跡の地形です。 この地図は一志嬉野インターから嬉野工業団地を経てT字路で天花寺町信号に至り左(北)久居方面と右(南)松阪方面に至る道を造るとき、発掘のため作られた図です。 これを見ると台地状に盛り上がった地形上に平地が広がっている様子がわかります。左下が一志嬉野インター方面で右下が天花寺町信号、台地の上に北上する建設予定の道が書かれています。 天花寺城跡は北東の曲輪Tにあり土塁Aー堀ー土塁Bを介して曲輪Uに続き、土塁Cを介して曲輪Vに続きます(曲輪Vは道路が出来た為に道路の向こう側に広がっています。さらに広大な曲輪W、曲輪Xに続きます。各曲輪の間は小規模な土塁や区画溝で仕切られています。 曲輪Vと曲輪Wには古墳群があり、曲輪Xの南端は室町時代から戦国時代の墓地跡があり多数の石塔や石仏が出土したとのこと。 北畠氏が佐藤氏に天花寺城に入るよう命じた文書があり、信長に対抗する為近隣の武士達を天花寺城に入れ、籠城戦を行った可能性が非常に高いとのことです。曲輪V〜Xは恒常的な建物跡は無く、兵が野営していたと思われるとのことです。 |
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天花寺城跡(曲輪T)の北東尾根には二重の堀切が設けられ、南には虎口(こぐち)部分で、虎口は土塁によって外升形状になっているとのことです。 虎口:城の入り口で戦略的に作られている。升型虎口とは、四角く土塁などで囲まれた場所に入り口を作り、入り口を突破した敵は枡形の中で攻撃され、枡形の中からもうひとつの入り口突破しなければ城に入れない形状になっているとのこと。外升形状とは、土塁で囲まれた城の外に升型虎口を設置する方法とのこと・・・・なるほど。。。奥が深い |
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久々にトレッキングシューズを履きます。その他、ガイドブック・軍手・勝利の美酒キリンオールフリーです。 |
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天花寺町信号に車を止めて・・ |
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一志嬉野インター方面から見た信号です。ここを左折して・・・ |
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久居方面を向くと道の向こう側に見える高台が城跡です。ここを緩やかに登り切ってするやかにカーブする手前に・・・ |
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入り口がありました。 |
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歩きやすい道が続いています。右側は急な谷になっています。 |
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あれ?これはもしかして・・・入り口から20m進と左に堀と低い土塁Cがありました。 |
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振り帰ると、まだ入り口が見えています。 |
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これが土塁Cです・・・高さ2mくらいかな・・ |
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土塁Cの向こうには曲輪Uが広がっています20m×40mくらいの平地かなあ・・・ |
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曲輪Uの中には人の顔みたいな瘤をつけた木がありました。 |
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曲輪Uの南は急傾斜です。 |
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直ぐに土塁Bー堀ー土塁Aが出てきました! これはお城である曲輪Tを守る為か高さ5mほどの土塁と幅3mほどの堀でした。 |
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植物について・・・檜や木楢・竹と低木は写真の茶、藪椿、ビシャコ、ユズリハなどです。 |
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ユズリハです。 |
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土塁Aを超えると周囲200mほどの曲輪Tです。 |
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藪と竹・コナラなどで時々このような開けた場所がありました。 |
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ヤブツバキがなかなか綺麗です。 |
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ふと足下を見ると、取り時をすぎた椎茸がありました。 |
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南側にある枡形虎口を土塁の上から見たところですが、よくわかりませんねえ。。 |
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枡形虎口の第一の入り口付近です。下から登ってきた敵は右折しながら第1の扉に近づき扉を突破したと思ったら。。。 |
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枡形の中に誘導されここで攻撃をうけます。 この攻撃をかわしたらもう一つの第2の扉を突破してようやく城に入れます。 |
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さて、曲輪Tは外周をくるりと歩くことができました。やはり右側は急傾斜になっています。 |
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外周を北東部まで歩いていくと、大きな堀が先に見え、降りてまた登ると・・・ |
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周囲20mほどの少し高い場所がありました。 ここはいかにも櫓がありそうな場所です。 |
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まさかとは、思いましたが、頂きがあると必ずあるイセ愛山会の札が・・・こんなところにまで。。 |
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松阪の猪さんも札が。 |
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勝利のオールフリーでぷふぁーー! |
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中心部の探索は終わりましたが、あとは広大な曲輪V〜Xの探索です。 入り口にもどり向こう側に曲輪Vが広がっているはずですが、藪漕ぎかもしれないので一番南の曲輪Xから様子を見ることにしました。 |
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さて、一志嬉野インター方面に歩いて信号を振り返ると、謎の歩道橋があります。 私はこの歩道橋を人が歩いているのを見たことがありません。 ひょっとして、この道を掘り割り状に造ったときの獣道確保?? この道は曲輪Xを少し分断するように作られているので、さらに南側からこの歩道橋を渡って曲輪Xに向かうことにしました。 |
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そういえば、この看板がある入り口から中を探索したことがありますが、古墳のようなものでしょうか?以前探したけどみつかりませんが、今回の地図には曲輪V〜Wに古墳らしきものがいくつかかりますから、それも一緒に探索です。 この看板の向かい側・・ |
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に車道があるのでここからあの歩道に行けるでしょう。 |
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車道を10m登って右を見ると!!!これは・・・と凍り付く |
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首の所にヘアスタイル番号が付いていました。。なかなかインパクトありました。。。左折すると・・ |
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ここを登っちゃだめよの標識がありますが、場所的にここを登るのでしょう。。。直ぐに右側に石段(過去の参道?)があり、登るとあっさりと歩道橋にでましたが、人か動物以外は登れない構造になっていました。 |
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歩道橋を渡って振り返ったところ。。 |
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前を向くと寺・・・天華寺と書いてあります。。ということは、この歩道橋は、堀切状にアスファルト道路が出来たので、道路の向こう側の人たちの参道を残す為作られた橋だと推察しました。 そして、規模的に曲輪Xはこの寺一帯のようです。 直ぐ横に古墳看板からの道があるので、この道に入り曲輪WとVとその中にある古墳らしきモノを探すことにしました。 |
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その道から直ぐ、右側(東側)にこのような枝道がありました。場所的に曲輪XとWの境界くらいですからここから北東の方面に歩き出しました。 |
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場所的にここが曲輪Wでしょう。 平地でまずまず整備された竹林ですから藪こぎはなしでした。 中央奥に周囲20mほどの丸い膨らみがありました。これが古墳でしょうか? |
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さらに北進すると堀というか溝で境界が作られていました。これが曲輪WとVの境界でしょうか? 曲輪Vには数個の古墳らしきモノがあるので探しに行きました。 |
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だんだん木がじゃまになってきました。 確かに周囲20mくらいの古墳らしきものが数個ありますが、これじゃおもしろくないなあ。。。曲輪Vから西に逃げ出して、古墳看板から北に続く軽トラ道向かいました。 |
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この軽トラ道には数年前から、耕作しなくなった谷田にどなたかがビオトープらしきものを作って楽しんでいます。毎年少しずつ充実しているようです。 |
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ミズバショウが2つ咲いていました。 ラッキー! |
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何スミレでしょう? 花を一つつまんで食べる微かな密の甘い味がしました。。ふう・・久々に歩いたので疲れました。 |
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軽トラ道の四つ辻を右に向かい、トンネルを越えて、名松線の天花寺踏切付近から南に歩いて帰る途中にこんな看板が。。。 なになに、白鳳時代にかなり大きな寺がここにあったようです。 なんて、昔から濃いばしょなんだ。。恐るべし天花寺町。。 |
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飲み物が底をつき、何か爽やかな植物は無いか物色しながら歩いていたら、ハナニラが咲いていました。。ラッキー! 花茎をかじり、甘い旨みのあるニラのみずみずしい味と花の爽やかな香りをしばし楽しみました。。 ガイドブックのおかげて今日はかなり楽しめました。 今まで里山を歩いていて、曲輪・土塁・堀のような構造は随分沢山見てきた気がします。また、ガイドブック持って山城を歩きたいけど、このガイドブックだけではとまどいそうな気がします。よほど地理感がある場所か、これとは別に白地図持って行かないと迷いそう。。でも、これをネタにいろんあハプニングに出会うのが楽しいんだね。。 |