オオスズメバチ食べました
(2004.10.19)

 HP「極楽プログラマ」の主人KOHさんが、オオスズメバチ狩りに誘ってくれましたが、あいにく用事があって取材できませんでした。電話で、狩りの仕方を教えてもらったところ、オオスズメバチの巣は土の中にあって、夜ライトを近くに置くと親蜂がライトめがけて集まってくるので、これを殺虫剤で撃退し、巣の入り口に煙幕花火を4発ぶち込み、中の蜂を気絶させて、巣を取り出すそうです。
 スズメバチの種類によって、巣のかける場所、巣穴の数、凶暴性が違うのでとるには種類によってノウハウが違うようです。
 で、10/17の晩に岐阜で採取されたオオスズメバチの巣をKOHさんにク−ル宅急便で送ってもらい0/19にダンボ−ル箱が届いた次第です。
 品物は「蜂の巣 なまもの」ですが、これが「オオスズメバチの巣 なまもの」と書かれていたら果たして送られていたかどうか・・・。
 
 ひょっとして羽化して成虫が中に居るかもしれませんから、緊張して開封です。開封前に音を聞いてみると、しきりにカリカリ音がします。。。う〜ん、羽化しているやつがいるのかな?

 中を開けると、巣が3段緩衝剤を入れて入っていました。成虫を探せど居ません???
 音の原因は、写真の幼虫が巣の内壁を歯カリカリしている音でした。
 かなり大きめの音です。餌でも要求しているのでしょうか?
 3層の巣は幼虫とサナギ(白く蓋がしてある部分)半々くらいでした。
 先ずは、大きな幼虫をピンセットで取り出しましたが、皮が固いので簡単に引き出せました。ミツバチのようにくちゃくちゃにはならず、生きてるまま取り出せました。取り出すとき体を踏ん張っているのか少し抵抗します。
 取り出した幼虫はよく動きます。小指の太さくらいかな?
 中に黒い筋が見えるのは消化物が詰まってる感じです。後ほどこれを取り出します。
 大きいのを全部取り出したらどんぶり1杯分くらいありました。
 サナギの取り出し方は、まず蓋をこのようにはさみやカッタ−で切って、巣を逆さまにするとポロポロ下に落ちるので取り出せます。
 白いサナギは幼虫と違い動かず、すごく柔らかいのでピンセットで取り出そうとするとつぶれます。
 取り出したサナギは人差し指くらいで長さも幼虫の倍くらいありました。
 上は茶色くなりかけたサナギ、下はもうすぐ成虫になりそうなやつで、少し動きがあり堅いです。
 サナギを取り出していたら、中にはすでに成虫になっているやつ20匹ほど居ましたが、動きがまだ鈍いので、ピンセットで引きずり出して切断処分!
 時々マッチ棒くらいの虫が巣の中に居ましたが、寄生蛾かな?

 取り出したサナギもどんぶり1杯くらいありました。

 蜂の子だから、生で食えるでしょう。。。KOHさんによると、幼虫は糞があるので、サナギになる直前のやつを食べたらいいでしょう。。とのことでした。
 画像は、蓋の下にいるのもかかわらず、蜂の形でもないし、幼虫のように皮が堅くなく、動かない中間のやつが数匹居ました。

 早速、活きの良さそうなやつ1匹口に入れました。
 皮もは薄くて中は粘度がある薄いクリ−ム色の液体で満たされていました。
 特に強い香りはありません、舌触りはポタ−ジュス−プくらい、あっさりめのミツバチに比較してうま味が強く、味は濃厚でした。ただ、少し癖があり、ショウガの臭いというか土の臭いというか味覚的にはややマイナスな特徴がありました。ミツバチより断然濃厚でうま味も強いです。以前食したカミキリムシの幼虫ほどねっとり口にまとわりすく感じは少なかったです。

 KOHさんによると、幼虫を下処理せずに食べると、幼虫消化管の中に入っているコガネムシの殻などが口にジョリジョリ引っかかったりして、うまくないそうです。それを無くすため、一度茹でてから中の糞を取り出すそうです。茹でると中のタンパク質が凝固するみたいですが、豆腐よりかたいかな?という程度でした。
 10分間ほど茹でていると、幼虫の体を突き破りかなり大きめで茶褐色棒状なものが飛び出してくやつがいました。  これが糞かな? 煮ていてもこれ以上糞は出てこないようなのでざるに開けて湯を切りました。

 茹でた幼虫に比較して消化物いかに巨大かがわかります。

 消化物を幼虫からとりだしているところ。

 それにしても消化物はキモイ

 取りだしたあとの幼虫です。
 最初の半分くらいの容積になってしまいました。

 こいつを口に放り込みましたが・・・これが実に美味しい!!
 なめらかな豆腐の触感とエビとうりふたつの味!!癖は全くありません。繊細かつ比較的強い旨味があってこのままでも十分うまいです。

 サナギも同様に茹でましたが、こちらは糞が入っていない・・
 容量は、膨らんで茹でる前より少し増えました。お目目も黒から赤褐色に変身。
 やはり、生きてるときより少し堅なって扱いやすくなりました。

 こいつも、茹でたやつを数匹食いました。
 うん? やはりショウガ臭というか土臭みたいなマイナスの臭いが少ししまた。これが、サナギ本体のものか消化管に残っているかもしれない何かなのかわかりません。 強い癖ではありませんが、糞出しした幼虫と比較し味はおちました。

 サナギの中では真っ白でまだ柔らかいやつと少し茶色っぽくやや堅くなったものを比較したところ、断然白いやつが旨味が強く、堅く茶色がかるにつれて急激に旨味が少なくなる感じです。触感もよくないので、サナギを食べるのなら、少しでも茶色がかったやつは省いた方がいい気がします。

 茹でたものの評価は
   糞出しした幼虫>>>>白いサナギ>>少し茶色がかったサナギ くらいか

 今度は炒めて少し塩をふって食べました。

 う〜ん、、美味しい!糞出しした幼虫は、茹でたものそのままより炒めた方が、油と旨味がマッチして美味しいし、食感もこちらの方がしゃきっとしていいかな??でもエビそのもものの味がする茹でたやつも捨てがたい・・・直ぐに全部食ってしまいました。

 同様にサナギも炒めました。
 茹でたものよりは美味しいけど、例の癖は炒めてもとれてくれません。糞出し後幼虫と同時に食べたせいかあまり食が進みません。

炒めたものの評価は
   糞出しした幼虫>>>白いサナギ>少し茶色がかったサナギ くらいか

 今回オオスズメバチの幼虫(糞出し処理)はかなりうまかったです。私はあっさりしすぎのミツバチより好きですが、サナギは上記癖が少しあるので正直いまいちの気がします。

 糞出しした幼虫の味を他の燦然と輝く「イタドリムシ」「カミキリムシ」と比較すると、旨味・食感とも後者に軍配があがると思いますが、かなり美味しかったです。ざざむし類よりはるかに美味いし、ミツバチよりも美味しいと思いました。