鶏冠石採りました
(勢和村古江にて 2004.1.16)

 「東海鉱物ガイドブック」という本には、シロウトでも鉱物採取できるよう親切な解説が掲載されており、その中で家から近くて魅力的な明るい赤色鉱物<鶏冠石:As4S4>を目的に採取に向かいました。
 このガイドブックには採取する岩まで特定できるよう掲載されています。場所は櫛田川岸で勢和村役場の直ぐ下流にある勢和大橋の100m下流にあるコンクリ−ト製沈下橋下流20mにある長さ5m幅2m高さ1.5mくらいの褐色の岩とありました。
 その通りの場所に行くと、一見してそれとわかる画像の岩がありました。
 この岩の下からは特徴的なてかてかした茶色の液体が流れ出ていました。
 それと、メジャ−ポイントらしく先人たちが岩を割った跡がいっぱいです。
 私はこの岩全体が鶏冠石くらいに思っていたので、やみくもにハンマーで岩を割っていましたがいくら割っても鮮やかな赤は出てきません。
 よく周りを観察すると、所々に1mmくらいの直径で朱色の石が混じっています。
 もっとよく探すと、ありました。。。幅1cmくらいの石英のよう堅い層に沿って点々と鮮やかな朱色〜赤色の鶏冠石です。
 ここで再びガイドブックをよく読み直すと、「鶏冠石は黒い細い脈に囲まれた幅10cmの石英脈の中から産します・・」。な〜んだそうだったのか・・・
 他にないかと探したら確かに幅10cmくらいの脈があり、ここには小指の爪ほどもある鮮やかな赤色の石が埋まっていました。
 結晶状のものを石英にくっつけた状態で叩き出そうとしてもこれがなかなか・・・鶏冠石はもろくて周囲の石は硬いので、鶏冠石だけがぽろりとはげてきます。
 うまく周りの石とくっついて叩き出してもこんな感じです。
 一時間ほど岩と格闘して、小指の爪くらいの大きさの鶏冠石を割り出したのでこれでよしとしよう・・・こう見ると確かに鶏の冠に見えます。ナルホド
 たいていこんな感じで採取できました。ここは中央構造線でいろんな鉱物がとれるようですし、丹生の地名からもわかるように水銀由来の鉱物もまた採取してみようと思います。
 この赤が水銀ではなくて、砒素と硫黄からできているとはねえ・・・
 この鉱物は加熱すると強いニンニク臭がするそうですが、怖いのでやめました。