カミキリムシ食べました
(2001.8.4)

 カミキリムシの幼虫はどの本を見ても美味しいと書いてあり、まさにキングオブぐるめのようです。
 されどイチジクや桑の木の中にいるのでなかなか手に入れることができません。
 先日釣り仲間の安田彗舟氏から、自宅のイチジクがカミキリムシの害で枯れかけている、と連絡をいただき捕獲に行きました。カミキリムシは初夏に羽化するので、幼虫の大物は冬に捕獲するのが良いのでしょうけど、そんなに都合良く木は枯れてくれません。
 イチジクを輪切りにしてもらったら、1−2cmくらいの小さいうちは表面付近の形成層に居ますが、これは食べても小さすぎて味が解りません。木の中に入り込んだ大物を捕獲するため、写真のように穴がある輪切りをビ−ニ−ル袋に入れて、暑さで苦しがって出てきた幼虫を捕獲しました。

 頭でっかちで細長く白いのが、カミキリムシの特徴です。これは4cm程度で味を確認するには十分です。

 どこかの本にカミキリムシの幼虫を生で食べるとトロの味がすると書いてありました。
 捕獲した現場で早速生食しました。が、、、囓ると中から乳白色のドロドロした液体がしたたり落ち、涙をこらえてしっかりと噛み砕いたところ、全く嫌な香りや癖はありません。と言うより、香り自体がありません。味は旨味がやや強く、癖もなく苦くも甘くもしょっぱくもありません。食感はどろりと口にまとわりつくような液体感と、皮がややゴムのように感じられ、頭は固くばりばりと砕けます。頭は生食しない方が良いでしょう。

 さて、生で食べた評価ですが、決してトロのように美味しくありません。癖はありませんが、進んでもう一度食べようとは思いません。

 次はフライパンに薄く油を引いて、ややきつね色になるまで炒めて食べました。炒め始めるとピンと体が伸びて1.5倍くらいの長さになります。皮は透明になり、中のドロドロした液体は固まります。

 食べてみてびっくり!素晴らしく香ばしい香り、味は炒めたばかりの落花生に旨味を増強したという表現がぴったりです。皮も頭もさっくりした感じになって、身はしっかり固まって豆腐より堅めです。

 炒めたものの評価は、かなり美味しいです。また食べてみたい味ですが、これほど苦労して捕獲してまでは食べる価値はないかもしれません。世の中にはもっともっと美味しい物があります。

 今回は虫の中の最高峰を食べたことで満足できました。