貝石山で化石探しと山登り
(久居市 2003.3.28)

 貝石山は標高120mの低い山ですが、山の名前が示すごとく昔から貝の化石が沢山採取できることで有名です。地元に住んでいながら、貝化石を取りに行っていなかったので、今日、かなずち持って取りに行きました。

 伊勢山岳会の福井氏著「津周辺の山(1991年編)」に貝石山が紹介されており、景色のない藪山でどうしても登りたい人は登ってくださいと紹介されていましたが、今回化石採取の前に登ってみることにしました。時間は頂上まで10分程度とのこと。
 場所は榊原温泉の射山神社付近から榊原川に向かって見える山で、川沿いに下部が200mほどの幅で露出しており、ここで化石を取る感じです。その上部が竹林、最上部が椎などの常緑樹になっています。
 登り口は写真の「ゆかり橋」を渡って、直ぐ河鹿荘があり、「津周辺の山」によると河鹿荘本館右横から登ると有ります。後から解ったのですが、河鹿荘左端に鉄製階段がありさらに山に入って石段を登ると、本館右から登る道と合流することが解りました。
 今回は、本館右から登り、下山は本館左に石段から下りてくることにしました。
 河鹿荘本館右側の通路、登山口の標識無し。ここを50mほど歩いて登ると・・・
 木に赤テ−プが巻いてあり、貝石山登山口の札が下がっていました。
 竹林の中、赤テ−プをたよりに登っていきますが、道の竹は除かれていて、思ったより歩きやすかったです。
 5分ほど登ると、10m四方ほどの立派な石垣があり、周りに瓦が散乱しています。コンクリ−トの構造物もあったのでそれほど遠くない昔の廃墟のようです。
 この石垣から直下の河鹿荘まで半分埋もれた石の階段が続いていて、河鹿荘の左側に下山することが出来ます。
 この石垣沿いに登ると、すぐに平らな場所に出ました。
 平らな場所には5mほどの高さのこのような塔が・・・木の間からちらちら榊原の町並みが見えます。この山で唯一景色が見える場所でしょうか・・ここからは椎など常緑樹の古木に山の様子が変わります。
 赤テ−プに従って、急登するとまもなく頂上です。頂上は5×10mくらいの平らな場所ですが景色はありません。小さな石仏を祭ったほこらが有るのみでした。
 何も無い藪山と思って登ったせいか、結構いろいろあったし、迷わないし登りやすかった印象があります。これでどこか、景色がすかっと見えればいい里山でしょう。
 石垣の所まで降りて、そこから石の階段道を降りました。河鹿荘の浴槽屋上というか、重油タンクあたりに降りてきて、そこから赤い鉄階段に変わり、風呂を横目に見ながら降りました。
 「ゆかり橋」の直ぐ近くに降りてきました。

 ここからは、化石探しです。化石層の露出部に行き、ハンマ−片手にわんさかと化石収集といきたいところです。露出部へは、この階段を5mほど登り、左に続く道を20mほど進めばいいことがわかりました。
 露出部はずっと向こうまで続いているようです。
 私は、この山全体が貝化石の塊だろう、、というくらいに思っていたので、露出部に出れば直ぐに化石があるだろうと思っていました。ところが入り口付近の露出部を見ても全然化石がありません。
 先人がハンマ−で石を割った後が・・・
 化石が見つからないまま、100mほど進むと、大きくえぐれた場所がありました。沢山の人達が石を叩き出して、大きくへこんでいます。これは、もしかして、期待がもてる!
 そこには、あるわあるわ、落ちている石にも、ハンマ−で叩き出した石にも二枚貝の化石が沢山見つかりました。スイ−トスポットと言うやつでしょうか。この先にもこんな場所がありました。
 壁から横に半分露出した二枚貝の化石。
 壁に垂直に出た二枚貝の化石。
 割れないようにうまく、叩き出した、二枚貝の化石です。生きている貝と見間違いそうなのもいますが、これはしっかりと石です。

 見た感じ、シジミ、アサリ、アケミガイ(イソシジミガイ)によく似た感じです。初めての化石採取で興奮して、石を割り続けていましたが、二枚貝ばかりなのでだんだん飽きてきました。何か違う物は・・・
 葉っぱの化石を見つけました。
 壁の硬い層に10cmくらの楕円形の小さな巻き貝がかたまった部分を見つけました。苦労して叩き出すと
 5mmほどの小さな巻き貝を採取できました。なかなかおもしろかったです。