イルカは刺身に限る （自宅にて　2010.12.25） 　釣り仲間の松阪のSさんから「和歌山からイルカ肉が届いたけど食べないか？」との連絡があり、早速頂いて食べることにしました。 　イルカの旬は冬なので旬のイルカです。太一などでは当たり前のようにスーパーマーケットに売っている所謂地方食文化で、地元の人にはあたりまえの食料のようですが、私は大昔かつてそれらしき肉（赤肉）を地元のスーパーで名前なしで激安で売っていたのを買ったことがありますが、味は焼いたらぱさぱさしていたような印象しかありません。今回は、素性の明らかな肉ですし旬の食べ物です。 　中には3種類の冷凍肉類が入っていました。　説明書は太地の鯨問屋の紙に書いてありました。 　イルカ肉、骨剥（ホネハギ）？、オバキ？とな。。。検索するとオバキは鯨の尾の薄くさらしたものでよくヒットしますが、骨剥は鯨料理の部分で1件だけヒットしました・・・どこの肉だろう？？　骨剥とオバキは鯨肉の気がします。 　しかし、その食べ方はことごとく刺身です。イルカ肉はすき焼きでも食べると載っていますので、すき焼きでも食べてみることにしました。
	真空冷凍パックです。左からイルカ肉、骨剥、オバキです。　イルカ肉は綺麗な新鮮そうな肉でした。
	とりあえず、薄く切るには半解凍までしばらく待ちました。脂肪層の乗った美味しそうな肉じゃありませんか！
	皮の方は、これは・・・二見シーパラダイスのイルカタッチで触った、しっとりつやつや感です。　白い部分にちょっと黒がありました。
	皮は1mmくらいでその下の脂肪層は１ｃｍくらいでその下に赤肉です。
	半解凍にした肉を2〜３mmに刺身に切り溶けるまで少し待ちました。
	拡大です。よく見ると赤身と脂肪の間にもやもやした層が見えました。脂肪は柔らかいです。この時点で臭いはほとんどしませんでした。
	説明書通り、ショウガ醤油でいただきました。 　赤肉の部分の食感は鹿肉のロースの刺身に似ていました。旨みが強く僅かに獣臭さがありますが気になりません。脂肪層は甘くてとろっとして美味しいです。特に肉と脂肪の間の部分はぷるぷるして美味しかったですが、表皮は硬くてかみ切れませんでした。ショウガ醤油によく合います。 　これは、普通に美味しいです。後味に僅かに獣臭さがありますが、そんなに悪くないです。
	刺身で食べられる量は限られていますから、あとは説明書にあるネギとすき焼きで食べることにしました。　ネットで検索すると、焼いただけでは獣臭くて食べられないけど甘辛く煮付けると食べられるとかヒットしましたので、すき焼きはOKかな？
	薄めに切ったイルカ肉とネギとすき焼きの元で、20分くらいよく煮込みましたが、途中で大量のアクが出てきてそれをこまめに掬ってできあがりました。　煮込み時間は20分で良かったのだろうか？？
	できましたが・・・・なんか不味そうです。赤身も脂肪も刺身とは打って変わって固そうです。　食べる前に香りを嗅ぐと、獣臭いです。
	赤身を噛むと、固い・・・微かな獣臭と鯨のステーキのような硬さです。ぱさぱさして肝と肉のあいのこみたいな味で不味かったです。　そして脂肪層・・・これがまた固い、かみ切りにくい上に獣臭さが強くてめちゃ不味いです。本当に太地ではこれを食べているのでしょうか？？　この脂肪層のいつまでも口に残る獣臭さ・・・こりゃたまらん。。ダウンです。
	次は骨剥です。　どこの肉でしょう。検索するとアバラ肉のボイルのようです。解凍しても全くドリップが出てきません。　ちょっとぱさついている感じです。
	これも、薄く切って刺身でとのこと。。。切っていてもすかすかしていました。　香りを嗅ぐと・・・？？ツナの缶詰のような香りが少しします。
	わさび醤油で食すと・・食感がぱさぱさして脂の抜けたビーフジャーキーみたいです。　少しは旨みがありますが、加熱したツナと牛のあいのこのような味で、全く癖も獣臭さもありませんので、食べやすいのですが、美味いかというと・・・う〜ん。不味くはないかな？と言う程度でした。　イルカの刺身の方がずっと美味しかったです。
	最後に、オバキです。大昔、親父が酒のあてのよく食べていた気がします。尾の先のゼラチンでしょうか。。
	これは、鯨？
	からし酢味噌で食すと書いてあったので、酢味噌で食べました。　食感はぷるぷるして無味ですが、噛んでいるうちにだんだん獣臭さがでてきました。再び酢味噌で食べ続けると、また味がリセットされて最後まで食べてしまいますが、あとから口の中に獣臭さが残り、ダメです。これは美味くないなあ〜。。これは、確かにからし酢味噌じゃないと食べられないなあという感じ。 　今回食した中で、イルカの刺身が一番美味しかった（ましだった）です。イルカは刺身に限りますな。