j-higa25.jpg (77424 バイト) 冬の夜の干潟(松名瀬干潟)観察とサキグロタマツメタ試食
(松阪市にて 2014.1.31〜2.1)

 私は、潮干狩りシーズンの春から5月の昼間に潮が引くとき、松名瀬干潟のアマモ場をたもでがさがさして生物観察を時々楽しんできました。 そして、夜に潮が引くときにも干潟を観察したいと思い、ネットで調べていましたが夜に潮が引くのは真冬で、冬に干潟観察している人がいることを知りました。 この企画は2年間暖めてきましたが、今日の金曜日から土曜日の深夜に-20cm潮が引くチャンスが到来したので、松阪市松名瀬干潟に深夜の観察に行ってきました。
 今日の観察メニューは、お土産として夜行性のツメタガイをげっとすること、アマモ場をがさがさすること、夜に干潟で寝ているかも知れない魚をタモで掬ってみることなどです。
 真冬の干潟はどうなっているのでしょうか・・・期待を込めていざ出発! 今日は0時46分が干潮です。現地に23時に到着して早速GO!です。 
  一人で真っ黒な干潟に出て行き方向が解らなくなるかもしれないので陸側の灯りの位置をしっかり頭の中にインプットしておきます。 ヘッドライトとヘッドライトが切れたときの予備の懐中電灯、サンプルポリビン、タモ、デジカメ、ベーダー履いていざいざ夜の干潟に行かん!!
 
j-higa26.jpg (55510 バイト)  干潟は1kmくらい沖まで、砂場と膝までの水深が交互に続いており、ホントに真っ暗です。 ヘッドライトの灯りだけが頼りですが、今晩はよく晴れているので冬の星座が綺麗! 沖まで歩いたときはヘッドライトを消して星座を見ながら「星巡りの歌」を歌って良い気分です。
 さてさて、夜行性でそこらを這っているはずのツメタガイを探します。 
j-higa27.jpg (85636 バイト)  おお! 直ぐに居ました。 殻の何倍もの足を広げて這っていました。 そこら中にいっぱい居るのかと思ったら、沖のアマモ場には居なくて潮干狩りするくらいのところに居ました。 まあ、二枚貝を食べているので二枚貝の居るところにかたまって居るんでしょう。。 しかし、見つけた数は割りに少なくて6〜7個でした。
j-higa28.jpg (60221 バイト)  潮からあげると足をにゅるにゅる中に入れます。
j-higa29.jpg (84411 バイト)  水温が低い為か、生物が少ないです。カレイやマゴチなんかが居るかな?と思っていたんですが歩いていても全く魚が見あたりません。イソギンチャクの仲間がちらほら・・・  冬なので緑藻・紅藻・褐藻・・・海草の種類はやたらと多いですが・・海がしーーーんとしています。
j-higa30.jpg (68027 バイト)  にょきにょきストローみたいなのが出ていました。 これは釣りに使う袋虫でしょうか??
j-higa31.jpg (82072 バイト)  冬でも沖にはアマモはいっぱいでした。。 春や初夏だとこのアマモをタモでがさがさすると、エビ・ワレカラ・ギンポ・カレイ・様々な稚魚がわんさかと捕獲できるんですが、 生物が居ませんねえ・・いや、ウミトビムシくらいは居ますが・・・・アマモ場がさがさは冬はダメですね。企画倒れです。。。ふと、アマモを見ると米粒みたいなのがめちゃくちゃ沢山付いていました。
j-higa32.jpg (45211 バイト)  これは何かの卵でしょうか。。
j-higa33.jpg (98819 バイト)  紅藻の下をがさがさしたら、今回唯一の魚類・・10cmほどのギンポをゲットしました。
j-higa34.jpg (68347 バイト)  ヘッドライトになにやら異様な物体がぽつんと写りました。。。近づいてみると。。。この白人のナニのようなやつは、昔図鑑で見たことがありますが思い出せません。。 触る引っこんでしまうか解らないので、掴んでぐっと引っ張ってみましたが、、つるいんにゅるんと滑って引っこみませんがナニがへたっとなってしまいました。。。
 帰ってから、図鑑で調べるとウミサボテンでした。夜行性で夜にこのようににょきにょきと出て開くようです。。刺激を受けると発光現象があるとのこですが、ライトを照らしていたので気がつきませんでした。。 しまった、知っていればもっと遊んだモノを・・・
j-higa35.jpg (67373 バイト)   こんな感じです。。 図鑑を見るとナニナニ別名「コジキマラ」。。この名前は・・・ドンコの滋賀県方言「コジキマラ」と同じではないか!! 
j-higa36.jpg (64715 バイト)  足で砂をごそごそ掘ったらあっさり抜けてきました。。 う〜ん、ぐろい。。。。

 ウミサボテンは3本見つけました。 というか歩き続けていたら異様にふらふらシマス。。めちゃ疲れてます。車の処にたどり着いたのは日付が変わって1時でした。。2時間も気温3度の冬の干潟を歩いていました。50過ぎにはチトきついです。 時間が経つのを忘れていたと言うことは、それだけおもしろかったということです。 魚は少なかったけど、いろいろ知ることが多く充実した時間でした。
j-higa37.jpg (56670 バイト)  家に帰って朝目覚めて捕獲したツメタガイを見てみると・・・あれ?タニシみたいな形だなあ・・・これ見るとサキグロタマツメタのようです。 在来のツメタガイは一匹もいませんでした。。 
サキグロタマツメタを検索すると美味と出てきます。。肝は特に美味らしいです。。しかし、私はツメタガイも食べたことがないので比較がよくわかりません。

 ツメタガイの食情報を検索すると各地で結構食べられているようですが、メジャーな食べ物では無いようです。 三重ではバンジョガイと言って沿岸では食べてる人が居ますし、愛知県ではウンネと言っていずれもだいたい甘辛く煮て食べられているようです。。 
 食文化のないところで、このように食べてみた人の感想が書いてあり微かな癖があり途中から食が進まないと記述しています、私もしっかり塩ゆでして味を確かめようと思いました。
 ツメタガイは煮ると肉がめちゃ硬くなるので長時間煮てはダメだがあまりに時間が短いと生臭いとでてきたりします。サキグロタマツメタはツメタガイより柔らかいと出てきます。はてさて・・・
j-higa38.jpg (54506 バイト)  沸騰した塩水に入れて茹でるとアクのようなものが出てきました。。 しっかりと茹でた方が肝まで出しやすいとのことですが、、10分茹でたところでもうアクが増えなくなったので終了。
j-higa39.jpg (55239 バイト)  串で肝まで出そうとしましたが半分以上肝が切れてしまいました。。 流水で砂を洗い流し・・・うん、10分も茹でたのになんかぬるぬるするし・・・・香りを嗅ぐと、貝の香りの他に硫化物・・つまりドブのような臭いも少しします。。。う〜ん・・
 食べてみた人の食が止まった原因は内臓に微かな嫌な味がした・・とありましたので、内臓と身は切り離して先ずは身の方の味見をすることにしました。
j-higa40.jpg (59929 バイト)  Wikiにはエラを取って料理すると出ていましたが、ツメタガイのエラが何処にあるのかITや手持ちの図鑑で調べてみましたが、何処にも情報がのっていませんでした。実物を見てみると・・・なるほど白い内臓部分にエラに様な模様がありました。。 
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 と言うことで、左から肝、エラ、身に分けました。 身の方を先ず食べますが、まだ少しぬるぬるするので塩もみしましたが、塩もみしてもぬるぬるは消えずにまた身の中から出てくる感じなので止めました。
j-higa44.jpg (51532 バイト)  さて、そのまま試食です。
j-higa42.jpg (60557 バイト)  ツメタガイはめちゃくちゃ硬いとヒットしますが、サキグロタマツメタをかじりついた感想は・・・硬くない・・・これならサザエの方が硬いです。スライスしなくても十分いける食感です。。 味は貝類共通の味で、ドブのような臭いもほとんど気になりません。。貝の甘みと旨みがあってまずまずですが・・・・・うん?1個食べたあとに口の中に残る粘液が張り付いたような感じはいまいちです。。 2個目を食べ、、3個目を食べたところで口に張り付いたような感じに加えて食道と胃からもう食べたくないとシグナルが出てます。。 これは・・・、、私は美味とは思いません。甘辛く煮たら違うのかもわかりません。
j-higa43.jpg (58472 バイト)  さて、検索すると肝は味が濃いとか美味いとか出てきますが。 一口・・・磯臭い!味が濃いが嫌な味! イラナイ! 以上!
 ひょっとして、貝好きの人にはこれが美味く感じるのかもしれません。。。