j-esuka1.jpg (24694 バイト) エスカルゴ牧場へ行きました
(松阪市にて 2009.6.21)

 松阪市に世界で初めてエスカルゴの養殖に成功した人が居て、試食付きで工場見学が出来るということは、いろんなメディアが情報提供していて早く行きたかったのですが、ここは完全予約制で1時間近く説明をしてくれるとのことなので、私1人ではなかなか行きにくいので嫁を誘ってみんなで行こうとと訴えていました。しかし、嫁は「かたつむりなんか見るか! 試食があっても絶対食わん! とにかく気持ち悪い!」などといろいろ言って、何度懇願しても行ってくれません。

 今日、朝起きたら下の娘がキノコのぬいぐるみストラップを私にくれるではないか・・・今日は父の日だから私が好きなキノコをプレゼントしてました。 おおおー!感動したぞ! 嫁や上の娘は何もくれないから、今日は私の好きなところについて行くという。

 ということで、かねてから行きたかったエスカルゴ牧場を予約して行くことになったのですが、嫁は「試食のエスカルゴは私は絶対くわへんでな。あんたくいな!」とまだ抵抗しています。。 ここがレストラン入り口。子供たちは大喜びだけど、嫁のトーンは低いです。。
j-esuka2.jpg (26262 バイト)  高瀬社長の登場です。鉄工所の社長もあるので、普段は鉄工所の方をやっているから、予約が必要とのこと。 

 いきなり講義から始まります。 ここで衝撃の真実が・・・われわれ日本人がフランス料理店で食べるエスカルゴ料理のブルギニョンには実はエスカルゴ使われていない。。では何が? インドネシア産の乾燥カタツムリだそうです。 それでは本場のフランスでは?というとアフリカマイマイを使用しているそうです。エスカルゴの最高種ポマティア(ブルゴーニュ種)はフランスでは乱獲がたたって、ほとんど絶滅状態とのことで、それでは養殖はというとあまりに繊細なため本場フランスでも完全養殖には成功していないそうです。 
 それをこの鉄工所の社長は執念の25年間、「ミクロの世界でした」と社長が失敗を繰り返し完全養殖に成功して、こうして工場見学を開けるまでなったとのことです。
 それにしてもエスカルゴ料理にエスカルゴが使われていない事実をここで初めて知りました。 
 それで、本物のポマティア求めてレストランがやってくるそうですが、契約するところは以外に少ないようです。 何故か?帝国ホテルもやってきたそうですが「検討した結果、経費的なことから見送った」とのこと・・・高い本物のエスカルゴを使うより偽物を使う道を選んでしまうようです。
 ということで、さぞかし儲かっていると思いきや、年間300万円の赤字で家族と鉄工所の従業員からは「もうやめてくれ」と言われているそうですが、ここまでやってしまったらやめられませんわなあ・・・
j-esuka3.jpg (24564 バイト)  見学コースは1人840円で1時間弱の講義と工場見学に試食用本物エスカルゴプルギニョンが1人2個付いてきます。
j-esuka4.jpg (21929 バイト)  それを焼きたてパンの上に特性ソースとともに乗せて食べる、う〜ん美味! 以前どこかの料理やで食べたプルギニョンとどこが違うとといえば、先ず大きさが本物の方が大きいです。それと食感がぷりぷりして、ああこれは生のものを加熱したんだなあ・・・というのが解ります。 味は?ソースの味が強すぎてよくわかりましぇーん。
j-esuka5.jpg (25834 バイト)  あれほど、嫌がっていた嫁も、高瀬社長の執念と情熱の講義にたじろぎ、美味しく全部いただいていました。「へへへ、ざまあみろだあ」
j-esuka6.jpg (18946 バイト)  これはポマティアの卵、大きいです。
j-esuka7.jpg (7853 バイト)  そして、実物も手に乗せてくれました。このようにかなり大きくて殻が厚いかんじです。
j-esuka8.jpg (26453 バイト)  この後、孵化工場と生育工場など細かなノウハウの詰まった工場を情熱的に説明してくれましたが、企業秘密なので撮影は禁止でした。 細かなノウハウと職人技の世界のように感じました。 
 ここで嫁がよせばいいのに余計な質問を・・・「これだけの施設と技術、もう後継者はいるんでしょうね?」。。ここで高瀬社長はむっとして「どれだけすばらしくても年間300万円の赤字がでるものを家族に引き継げると思いますか?」 ・・・ごもっとも。。

 ここで、社長は自分はガンを煩っていることを私達に話し、次にあなたたちがここに来るときは、本当にここの施設はなくなっているかもしれなせんよ。。と話していました。 それでも自分は日本人1億人に私の話をし続けるとのこと。 恐るべき情熱と執念、紛れもない変人です。変人じゃなきゃこういうことは出来ないのかもしれません。 私は、社長のの話にいたく感動しました。

 世界で初めてポマティアの完全養殖に成功した男であり鉄工所の社長。 TV、新聞などそこら中で報道され、マンガにも載っている技術・人物なのに、今のところ赤字だというだけで、この技術を墓場まで持っていくつもりでしょうか?