近頃、休日になると一人で海を見に行くことが多くなりました。
  あんまり休みはないんだけどね、
  この冬はけっこう天気が良いので、休みの日はいつも晴れ。
  青空に白い雲が流れていたりすると、
  つい雲について海まで流れていきます。
  海はいいですねぇ。寒いけど、風景が大きいんですよね。
  何をするわけでもなく、東に開けた海をぼーっと眺め、
  波打ち際をウミネコを追いかけながら歩きます。

  と、そこへ犬が通りかかりました。
  犬生を達観しているかのようなその落ち着いた歩み。
  はっ、と後ろを振り返り、あ〜の来た道筋を眺めれば、
  それはあたかもパンチドランカーのジョーの足跡のごとく、
  あっちへふらふらこっちへふらふら。
  (あ、「あしたのジョー」、読んだことあります?)

  犬もきっと何かを考えているに違いないけど、
  それは少なくとも悩みではなさそうです。
  おお、ここにも人生の師がいたのだ。
  その境地をあ〜に教えてくれぇぇ。

  悩み深き中年の魂を癒してくれるのは、
  静かな海、太陽のきらめき、風、海鳥、そして犬。