七夕の夕方,カメラを持って外に出ました。
  橋を渡ってしばらく行くと,七夕の笹飾りを持った親子連れと
  すれ違いました。我が家の娘達が小さかった頃は,
  毎年流しに来たものだなぁ,と感慨に耽っていたら,
  虹が立ち上がりました。
  10分ほど眺めていると,虹はだんだん上まで伸びて,
  とうとう大きな半円になりました。
  超広角レンズでも全体像は写せません。

  さてその虹ですが,
  いつものようなボンヤリした虹でなく,クッキリと見えるのです。
  断じて普通じゃないのです。
  よく観察すると,雨上がりでまだ空気中に降り残っている雨粒に
  映るいつもの虹とは違って,
  この日の虹は雲の面上にあるのです。
  私のこれまでの45年の人生で出会った虹のうちで,
  最も明るく美しく壮大な虹でした。

  橋の柵にもたれて夕方の涼しい風に吹かれながら,
  虹が夕焼けの中に消えていくまで,20分ほど空を見上げていました。
  あ〜の背中は心を映す鏡。
  幸せって,こういう時間のことなんだな−。