オートフォーカスの全自動カメラに慣れ切ってしまった身には,
  完全機械式全手動カメラの扱いはあたかも宗教の秘儀のようです。
  まず,フィルムホルダーの引き蓋を抜き取る。
  そして,フィルムを巻き上げて,距離を目測で測ってピントを合わせ,
  露出計などでシャッタースピードと絞りを決定し,
  シャッタースピードリングを回してシャッタースピードを設定し,
  絞りリングを回して絞りを設定してから,
  シャッターをチャージします。
  これで準備完了。ようやくシャッターを切ることができます。

  1本目のフィルムでの撮影は,失敗だらけでした。
  初歩的なレンズキャップの取り忘れにはじまって,
  露出の補正計算は間違うわ,引き蓋を引き忘れるわ,
  ピントを合わせるのを忘れるわ,
  フィルムの巻き上げを忘れて多重露光するわ,もー,タコ状態。
  しかしその学習のおかげで2本目のフィルムではミスはありませんでした。

  私の買ったカメラはブローニーフィルムを使うタイプです。
  普通の35mmカメラで撮った写真と並べて画質を比べてみると,
  ちょうどハイビジョンテレビと普通のテレビほどの違いがあります。
  やっぱし,この画質の違いは圧倒的です。