この日は4amに目が覚める。そのあとなかなか寝つけないが,ずっとベッドで横に
なっている。6:50am起床。東の空に逆さ三日月。快晴。
朝食のあと,家に電話する。
外に出ると涼しいが,CNNの予報では21℃まで上がるとのこと。白いポロシャツ一枚にする。
9am,バス出発。まず市内を走ってエッフェル塔南側の広場に着く。
小さな屋台のような店のおじいさんからアクセサリーを買う。よそで買うより高いだろう
とは思ったが,なんとなくそのおじいさんから買いたかったのだ。
次にルーブル美術館へ向う。着いてみると,職員のストライキで閉館中。
なんだとぉぉこっちははるばる日本から来てるんだぞぅぅぅ,って言ってもしかたがない。
昼過ぎになったらストも中止になるかもしれんということで,あっさりあきらめて
ノートルダム寺院に向う。
空には白い絹雲。寺院の北側の広場で撮ったのが次の写真。
2階建ての赤いバスが走っていく。2階の座席には屋根がない。
ここで振り向いて南を見ると,寺院の入口だ。なんという装飾の数!
これ以上はもう付けられませぇぇぇん,というぐらい壁という壁に彫刻がある。
建物はフランスの大地から切り出した灰白色の石灰岩でできている。
色気がない分,彫刻に情熱が傾けられたんだろうか。それにしても彫刻,彫刻,彫刻。
中に入って巨大な空間に呆然。壁のステンドグラスにも目を奪われるが,
地震国日本からやってきた私は天井を見上げて不安になる。もしもここで地震が
あったら,この天井は危うい。
しかしヨーロッパの大地では地震の心配はないのであった。
ノートルダム寺院をはじめとして,この旅では数多くのキリスト教寺院を見学したが,
天井のデザイン1つをとっても,どの寺院も違っていた。
昔の建築家たちの独創性には脱帽する。
室内の壁には,木彫のレリーフ。
過剰なまでの装飾群に半ば呆れながら見とれる。
壁際のいくつかの小部屋には古典宗教画やマリア像があった。
この小ぶりなマリア像は何か心を落ち着かせてくれた。
広いホールの一番前の席に座って巨大な祭壇を見ていたら思わず目頭が熱くなる。
ここに来れてよかった,と思う。
できればあと半時間ぐらいじっと座っていたかったが,時間がない。
寺院を出て,南東側にある土産物屋で小物をいくつか買う。
またバスに乗り,マドレーヌ通りを走って三越へ。
ここを起点に,適当にグループになって地図を頼りに街を歩く。
私は8人グループでときたま見かける不粋な日本語の看板に辟易しながらぶらぶらと歩き,
オペラ通り脇の Rue St. Augustim にある「きんたろう」というラーメン屋に入る。
パリでラーメンかい,と思いつつもネギラーメンを注文する。
注文を受けた日本人店員は奥に向って「ドゥーネギラーメン」と大声を出す。
日本風に言えば,「ネギラーメン2丁〜」って感じかな。
ラーメンが49フランでエビアンの小ビンが17フラン。
食後,オペラ座に行き,建物の前の石段で記念写真。
ここでも後ろを振り返ってみると,次のような風景。
広い道はアスファルト鋪装されている。街並の建物はすべて高さに規格があり,
大きな看板などは禁止されていて,落ち着いた印象を与える。
8人のグループは分解し,2人でマドレーヌ寺院へ向う。
ここはギリシャ神殿風の建物で,むやみにデカイ。
次の写真を見ておくれぇぇ〜。
こんなに柱をぶっとく長くする必要がどこにあるんじゃい〜。
もー,好きにせいぃぃ〜。と,ため息をつく。
寺院の中は撮影禁止だったので,土産物コーナーで老婦人から絵葉書や十字架
ペンダントなど買う。
外に出る時,重厚な鉄の扉のレリーフを撮影する。
寺院を出て,元の地点に戻る途中で有料無人トイレを発見。
けど,中には入ってみなかった。
バスに乗ってもう一度ルーブル美術館へ。途中,凱旋門の周りをぐるーっと走ったので,
車窓からパチリ。これも上の方だけ見てると特に大きさを感じないが,
地面にいる人たちと比べると,この途方もない大きさがわかる。
午後のルーブルは開いていた。地下のバス置き場の扉は鉄の柵で観音開き。
金属探知機でチェックを受けてから入場。1時間半ぐらいしかないので,きのうから
続けて来てくださっているガイドさんから説明を受けながら,有名な作品を見て回る。
レオナルド・ダビンチのモナリザの前にはかなり人だかりができていた。
写真に撮るとけっこう明るく写るが,実際は薄暗い。
やはり間近に見る本物は,深みがあって美しい。
巨大な絵画や,ミロのビーナスなどを見て,古典芸術の素晴しさを堪能した。
次の写真はサモトラケのニケ。
階段の踊り場に静かに佇むこの彫刻は実に魅力的だった。
展示室から出てきて土産物など物色するも,何も買いたいものはなし。
本物のすごさを見てしまったので,絵葉書もポスターもすべて色褪せて見える。
バスに乗ったところでガイドさんと別れ,ホテルに戻る。
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