微熱少年

   経年変化のせいか、題字が読みにくくなっています。
   「微熱少年 松本隆」です。あの伝説のグループであ
   る「はっぴいえんど」のドラマーであり、作詞家であ
   る松本隆氏の詩・エッセイ・レコードレビュー・小説
   を収録した本です。ブロンズ社刊。装丁は羽良多平吉氏。
   右端の水色の部分が背表紙です。裏表紙には模様は
   なく、表表紙と同じ色です。
   第1刷は昭和50年(1975年)6月30日。オークションで
   入手した私の本は第2刷で昭和57年4月20日発行、
   定価1200円。
   ますむらさんの作品は「春街スケッチ」が収録されて
   います。
   あとがきに、次のような文章があります。
   「ますむらひろし氏の絵筆は六月の風のように繊細で
   優しい。彼の絵による刺激なしではぼくはここまで
   書き継げなかっただろう。ちょっぴりはにかんだ、
   もうひとりの微熱少年に感謝!!」

   オークションで2冊目を入手してみると、カバーに
   印刷された定価は980円でした。奥付を見てみると
   昭和50年7月25日第二刷となっています。
   以前に入手したものとは発行の年月日が違うのに
   どちらも第2刷です。ただし、古いほうは漢字の「二」
   で、新しいほうは数字の「2」です。どーなってるの?
   うーむ、ワカラン。

   
 

   タイトルも表紙も全然別の本のように見えますが、
   次の「風街詩人」という文庫本は内容的には上の
   「微熱少年」とほぼ同一の本です。ただし、文庫
   本にする際にレイアウトはかなりいじってあるので、
   たとえば「春街スケッチ」も、イラストの順番が
   変ったり、文字を入れる場所が変えられたりして
   います。
   なぜタイトルが変更になったかということは、
   「文庫版のためのあとがき」に書いてあります。
   曰く、「昨年(1985年)、同じタイトルで青春小説を
   発表しましたので、この本の内容を少し変え、
   「風街詩人」というふうに名称変更しました。」
   小説の方の微熱少年はハードカバー、文庫本とも
   新潮社から出ていますが,これはますむらさんとは
   関係のない本です。