マンガ少年 欄外情報


   ◆ the list of Manga-shonen ◆

     ・#22「こちらはゴロニャオ・・・」 ぬかの目博士がネズミトランプでヒデヨシに負けたおかげで
                すてきな放送局ができたんですね。博士、ありがとー 
(2004/5/30)

     ・#20「冬のサーカス団 その3」 3度目のカラー作品。葉魔って名前はちょっとこわそう
                だけどいいヤツだなぁ。ギルドマジャングルがちらりと出てくるけど,
                これもおそろしげな雰囲気を醸し出していますねぇ。(2002/1/12)

     ・#19「冬のサーカス団 その2」 マンガ少年2度目のカラー作品です。あやつりタクマが振り
                下ろした剣をテンプラが受け止めてくれなかったら、ヒデヨシは脳天かち
                割られていたなぁ。「キアー」って他人事みたいに言ってる場合じゃない
                のよぉ。(2000/11/25)

     ・#18「冬のサーカス団」 タクマってやっぱお人好しだー。ヒデヨシの借金をわけのわかんない
                もので帳消しにして、挙げ句に操り人形にされちゃうんだからなぁ。
                (2000/11/19)

     ・#17「キララ貝でひとねむり」 タクマっていい人ですねぇ。ヒデヨシにお金を貸すなんて・・・
                まだ付き合いが短いんだろうか?(2000/10/29)

     ・#16「ハサミを持ったギャンブラー」 イカサマをし、それが見つかればふてくされて開き直り、
                往生際が悪く、そしてシツコイ。このヒデヨシの性格に、よいところは
                ひとつもないのに、許せるんだなぁ。あの細い眼でごまかされちゃうんだ
                なぁ、きっと。(2000/10/16)

     ・#15「雪待ち草の酒」 寄り目のビックリ顔のパンツがかわいい。オクワさんが活躍して
                るのがウレシイ。ヒデヨシとテンプラに続いて、他のみんなも
                がまんしてお酒を飲んで月に映りっこしたのかな。(2000/9/15)

     ・#14「ブドウの森」    大ダコに立ち向かうパンツとタクマがカッコイイ。麻酔薬にやられた
                ヒデヨシが大ダコから元に戻る直前の姿がタコあんパンみたいで、
                おいしそう。(2000/8/18)

     ・#13「猫の目岩の奥で」 パンツの見る夢にはヒデヨシもテンプラも出てこないんですね。
                でもひやむぎは食べに来るんだなぁ。麺類が好きなのかも。(2000/8/9)

     ・#12「唐あげ床屋」   のってきた唐あげ丸さんを一撃のもとに正気に帰らすヒデ丸の技が
                イキナリ炸裂する。この力加減はきっと絶妙です。(2000/8/3)

     ・#11「続・植物見張り塔」 すわ、ヨネザアド物語の再来かっっ!! と色めき立ちましたが
                 平和に終わってホッと一息。(2000/7/29)

     #10「植物見張り塔」 初のカラー作品。緑が今もきれいです。降りても降りても
                登ってしまう塔は登るのが楽そうでいい。(2000/7/27)

     ・#9「ギルバルス」  ギルバルスだよーん。イラストもあるよーん。多くは申しますまい。
                ギル様クラブの方々は必見! (2000/7/22)

     ・#8「ヒデヨシ版宝島」 キッド船長って、ほんとに詩人ですね。島の半分ぐらいは
                ダイヤにしといてあげたかったなー。(2000/7/20)

     ・#7「タヌキが空から落ちて来た」 現在の「アタゴオルは猫の森」でも、このときみたい
                なヒデヨシのダイナミックな動きを見てみたいな−。
                #7の最後に、ますむらさんが書かれた、1950年代から1970年代のロック
                史についての番外編を追加しました。(2000/7/22)             

     ・#6「ぼくらが地上に帰る時」 小さくなっても大きくなっても悠揚迫らぬ雨宮氏と
                 テンプラ。このあとど−なったかちょっと心配。(2000/7/18)

     ・#5「氷山1977」    洋一と公平はあと2977年はイルカでいられるのだ。

     ・#4「理科室の地下で」 横になってヨダレをたらして昼寝しているヒデヨシ。
                 夜の集会でも独り熱気に加わらぬヒデヨシ。

     ・#3「影切り森の銀ハープ」 私も影食いにちょっとだけ影をかじってもらいたいな。

     ・#2「夏の終りにやって来た春」 ペン入れを大島の浜辺でやっておられたという・・・あぁ、計量カップ

     ・#1「自動販売機」   記念すべきマンガ少年第1作!! そこにはアタゴオルへの入口があった。



   私が大学1年生のときにマンガ少年は創刊されました。私は手塚治虫氏のマンガが読み
  たくてその新しい月刊誌を手にしたのですが、その中に、1つだけ異彩を放つ奇妙な作品
  がありました。それが、ますむらさんの「自動販売機」でした。私はたちまちにその世界
  に引きずり込まれ、それ以後、「ファンタジー・ゾーン」を毎月毎月心待ちにするように
  なったのです。
   さて、マンガ少年に掲載された作品と、それがのちに単行本に収録されたものは、もち
  ろん基本的には同じものですが、月刊誌には、単行本にはないリアルタイムな話題とか、
  レアな情報が欄外に書かれていたりします。またときに、マンガ少年に掲載されたものと、
  単行本のものとで、セリフや絵に違いがあることもあります。ここではその欄外情報と
  差異情報を御紹介することにします。
   マンガ少年をお持ちでない方は、朝日ソノラマの作品集やスコラまたはメディアファク
  トリーの文庫などを御覧になりながら以下の駄文をお読みください。

「こちらはゴロニャオ・・・」
   マンガ少年 1978年6月号 欄外情報 #22
 

もこもことした白い雲がのどかな雰囲気を醸し出しています。あー、もうすぐ夏だな−って感じです。
ヒデヨシの作ったお話もいいね。「いや 酢ダコを下さい・・・ヒクッ」というのがいいですねぇ。
けど私としては、ヒデヨシ体操も捨てがたい。
では欄外情報です。

1ページ上、「少年マガジンを、先日生まれて初めて読んだ マンガ少年思いのますむらひろしが描く」
タイトルの上に
「ファンタジー・ゾーン(22)」。一番下に「ますむら ひろし」

9ページ左「ますむらひろし先生へのおたよりは,278野田市吉春×××-×へお送りください。」

11ページ左、読者の声「ファンタジー・ゾーン」ーーーおもしろいです。童話みたいだから・・・。」

22ページ下、「[おしまい] Goronaok '78.4.19」。Gronaokなのかもしれません。


「冬のサーカス団 その3」
   マンガ少年 1978年4月号 欄外&差異情報 #20
 

地味なキャラクターだなーと思っていたミイラ男が実は葉魔だった,という意外な展開が好きですね。
キッチリグルグル巻きした包帯をゆるめたとたん,カッコイイ髪型になる葉魔って,形状記憶頭髪
の持ち主だなー。すぁて,久しぶりに欄外情報だっ。

1ページ上、「〆切りと,約束と,交通ルールだけは守れ,ますむらひろし」。タイトルの下に
「ファンタジー・ゾーン(20)」。「れれれれーっ」のディラン猫の右に「ますむら ひろし」

2ページ右、「〆切りを,守る心に,朝日ソノラマ。ますむらひろし,とにかく〆切り守れ!!」
うむ,担当さん,かなり切実です。「〆切り」の連呼です。

17ページ左,「ますむらひろし先生へのおたよりは,278野田市吉春×××-×へお送りください。」

24ページ下、「[つづく] 220Goronaok」。独特の字体なので220Goronaokというのは正しいかどうか
わかりません。合っているとしたらこの220というのはおそらく日付けで,
2月20日にこの作品が出来上がったのではないでしょうか。

次は差異情報。この号も初めの16ページがカラーです。■■■こんな感じの青と,薄い青■■■
使い分けてあります。また、前号と同じように灰色■■■も使われています。
そのあとのページは黒インク。以下,(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(2)です。

1ページのタイトル、(マ)では手書き「冬のサーカス団 ☆その3」(文)では「冬のサーカス団 -3-」

6ページ4コマ目と最後のコマ,8ページ4,5,6,8コマ目,9ページ1,2,6,8,11コマ目のバック,(マ)空白
(文)には斜線などが加筆されています。

12ページ6,12コマ目,毛脈の服、(マ)では真っ黒のベタですが、(文)では唐草模様が加筆されています。

14ページ1コマ目,「ホウタイヲ」というフキダシの上、(文)には白い三角形がくっついていますが,
これはどうも写植か何かの紙の切れ端だと思います。(マ)にはないですからね。それから2,3,6コマ目の
バックにも(文)には斜線などが加筆されています。

15ページ1,3,4,5コマ目,のバックにも(文)には斜線などが加筆されています。また4コマ目のヒデヨシの
ほっかむりの水玉模様は,(マ)には4個ありますが(文)ではそのうち1個半がなぜだか塗りつぶされて
います。

16ページ3,4,5,6,8コマ目バックに(文)には斜線などが加筆されています。また5コマ目のパンツは(文)
毛と目玉の黒目が加筆されました。6コマ目,葉魔のセリフ(マ)では「おれがほうたいをとったから」
(文)では「おれがほうたいをとったからさ」葉魔の瞳加筆。7コマ目,ヒデヨシのセリフ(マ)では
「なっ なんだと?」(文)では「なっ なんだと」ヒデヨシの鼻とロープの陰影加筆

17ページ4コマ目,(マ)「同じ 海草で作ってあるんだ」(文)「同じ 海草で作ってある」
5コマ目,(マ)「頭にまいた」(文)「頭にまいた 者が」

18ページ,(マ)「終る時が」(文)「終わる時が」

さて差異情報ですが,今回を持ちまして終了させていただきます。このように,ますむらさんは
初出の雑誌から単行本に収録されるに際しては,細かなところまでチェックされて,より完成度を
高める作業をされているのです。それがわかっていただければ本望です。
なお,欄外情報だけは今後も続けまーす。


「冬のサーカス団 その2」
   マンガ少年 1978年3月号 欄外&差異情報 #19
 

緊迫したストーリーの中で、ヒデヨシだけが楽し気に振る舞っています。バラニル草の中でも鬼ごっこ気分。
オクワさんに知らせるために逃げ出したはずが、「家で着がえをしていたら手間取ってしまった」って、
オクワさんちに行くのを忘れるとは、なんてヤツだ〜、ヒデヨシ。
・・・でも、人のことは言えません。私はクルマで35km離れた実家 (そのときはしばらく留守で誰も実家には
いなかった) に、郵便受けにたまった手紙を取りに行って、まっくらな家に入って電気やガスのチェックを
ちゃんとして、「完了〜」とか言いながら、またクルマに乗って帰ってきて、玄関のドアを開けた瞬間に、
肝心の手紙を持ってくるのを忘れたことに気がつき、また取りに行った経験があります。
ばかばかばか〜。結局その日は手紙のために140kmも走ったんだなー。これはもう、正真正銘のアルツハイマー
ですな。あ、話題がそれました。欄外情報だっ。

1ページ上、「☆よせばいいのに、またもや転居に賭ける不滅のますむらひろしが描く☆」。この頃、
ますむらさんは野田市吉春というところに引っ越されました。
ヒデヨシの足の下に「ますむら ひろし」。その下に「ファンタジー・ゾーン(19)」

2ページ右、「[前回のあらすじ] 緑馬の森でヒデヨシたちは不思議なカギを見つけた。その夜タクマは
謎のほうたい男に襲われた。次の日の朝、雪原に出現した「葉魔サーカス団」の団長は、ヨネザアドの
住人を前に鈴を鳴らし、あやつり人形を箱から起こした。その人形は、消えたタクマの顔をしていたのだ。」

15,25ページ上に四角い枠があって、その中に「ますむらひろしのファンタジー・ゾーン 冬のサーカス団」
という文字と、ほっかむりをしたものなど4つの小さなヒデヨシの顔

19ページ左、「[読者の声] "ヒデヨシ"は近来まれなユニークなキャラクターだと思います。(北九州市・
Kさん) ふむふむ、近来まれどころか、20年以上を経た今でもまれですよぉ〜。きっと、空前絶後ですね。
ヒデヨシの前にヒデヨシなし、ヒデヨシのあとにヒデヨシなし。しかして秀吉の前に信長、秀吉のあとに家康。

ううむ、我ながら名言じゃ、緑色で強調しとこっと。さて差異情報ね。この号は初めの16ページが、緑の
カラーです。濃い緑■■■と薄い緑■■■を使い分けてあります。また、灰色■■■も使われています。
■■■を含めれば、4色です。そのあとのページは青インク■■■。青というより紫に近いかも。
(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(1)です。

1ページのタイトル、(マ)では手書き。また、(文)では「冬のサーカス団 -2-」となっていますが、
(マ)では「冬のサーカス団 その2」でした。

2ページ目からのカラーページのタクマの服、(マ)では濃い緑色(文)では真っ黒のベタ

3ページ2コマ目と16ページ5コマ目、背景は(マ)では薄緑のベタですが、(文)ではドーナツ型の模様が加筆
されています


「冬のサーカス団」
   マンガ少年 1978年2月号 欄外&差異情報 #18
 

比較的暖かい地方に住んでいる私は、雪の中の宝探しなんてしたことがありません。子どもの時にやって
みたかったねぇ。
水羅姫を見て、「くーっ うまそうな足」って舌舐めずりしちゃうヒデヨシの頭を「これこれ」って
たたいてやりました。てことで欄外情報。

1ページ上、「★ボディビルのガッツポーズで78年をきめ倒す ますむらひろしが描く★」。ヒデヨシの
足の下の黒いところに「ますむら ひろし」。一番下に「ファンタジー・ゾーン(18)」

5ページ上に四角い枠があって、その中に「ますむらひろしのファンタジー・ゾーン 冬のサーカス団」
という文字と、ほっかむりをしたものなど4つの小さなヒデヨシの顔

9ページ左、「[ヒデヨシファンクラブより] 会長K.T.さんあてに千通を越える入会申し込みが届いて
います。現在新聞の発行をめざし、四人で奮闘中です。イラストや文章などお寄せ下さい。このファン
クラブはみんなのものです。独善的にならないよう、楽しく運営して行きたいと思います。よろしく。」

22ページ右、「■タクマがあやつり人形に!? 何だかわからないが、ヒデヨシ、とにかくお前が悪い!!」

てわけで差異情報。今回、少ないです。(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(1)。
なおこの作品は、(マ)では黒インクで薄緑色の紙に印刷されていました。

1ページのタイトル、(マ)では手書きでした。また、(文)では「冬のサーカス団 -1-」となっていますが、
(マ)では「-1-」はありません

18ページ1コマ目、(マ)では毛脈のマントは短かめで足がブーツの少し上まで見えていて、両手もちゃん
と見えていて、右手にはバトンを持っていますが、(文)では長いめのマントに修正されています。
7コマ目、(マ)ではセリフの改行が「はじ めに ご紹介 し ますの は」だったのが、 (文)では
「はじ めに ご紹介 します のは」に変えてあります。


「キララ貝でひとねむり」
   マンガ少年 1978年1月号 欄外&差異情報 #17
 

まだウサギ耳が直っていないヒデヨシはなんだかとても穏やかです。さて、この号にはヒデヨシの
「フッフッフッ うまい まずいは二番目さ・・・一番大切なのは 満腹感だよ」という名言があります。
このセリフにはまいったなぁ。さてさて欄外情報。

1ページ上、「☆若き煙出し片のう油が描く☆」。(けむだしへんのうゆ)というのがどういう意味なのか
私は知りませんが、唐十郎氏の演劇に関係があるそうです。そして、このキャッチフレーズに、
ますむらさんは激怒されたということです。ますむらさんの担当者の悪のりのし過ぎだそうですが、
どこがどういけないのか、演劇に興味のなかった私にはわかりません。唐あげ丸さんの下に
「ますむら ひろし」。その下に「ファンタジー・ゾーン(17)」

3ページ左、「新婚旅行の沖縄で寝てばかりいたますむらひろしが描く、ねむーくなるファンタジーの
世界!!」。南の島のバカンスはいいですよねー。たまには行きたいな。

今回、欄外は少なかったですね。次は差異情報。(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(1)。
この作品も、(マ)では■■■■青インクでした。

1ページのタイトル、(マ)では手書きで、「キララ貝」は角張った文字です。(文)ではその「キ」と「ラ」
のすぐそばに雪ではない白い星のような模様がありますが、これは元の(マ)では「キララ」という
手書きの文字をキラキラ輝かせるためのものでした。

4ページ下2つのコマと5ページのコマと6ページの下のコマ、(文)では背景の草むらや木立のシャドウなど
の線が描き足されて、より暗く重い森になっています

24ページ(最後のページ)のヒデヨシの耳、(マ)ではなぜか普通の猫耳に戻っていますが、(文)ではウサギ耳
に描き直されています。また、(マ)ではヒデヨシの身体に毛もヒゲもありませんが、(文)では加筆されています
そして、サンゴの陰影も加筆されています。もう一つ、(マ)にはヒデヨシの右上に、フキダシがあって、
その中に「雪だよ」というセリフがありました(文)ではそこはベタで塗りつぶされ、雪が数十個増えています

この作品の最後に10月16日の日付けがあります。結婚式の一週間前ですね。前号の「ハサミを持った
ギャンブラー」の最後のページの日付けが10月11日だから、たった5日違いでこの2つの作品は完成したの
だろーか?結婚式の前に超人的に仕事して、一挙に二か月分仕上げられたんでしょーか?・・・
けれど、MF文庫第1巻の「アタゴオル記憶」によれば、「キララ貝でひとねむり」は沖縄への新婚旅行の
あとに描かれたということだから、これはひょっとしたら、「キララ貝」の日付けは11月16日の間違いでは
なかろうか?と思うのであった。


「ハサミを持ったギャンブラー」
   マンガ少年 1977年12月号 欄外&差異情報 #16
 

鉄バサミっていう猫、かっこいい。1冊1冊の本が猫耳ぐらいの大きさだったら、私も収集したアタ本を
全部リュックサックに詰めて毎日持ち運んで、「中を見てもいい?」って聞かれたら、「いいけど・・・」
って言って、リュック開けさせて、その間に逆光になるように立ち位置変えて、「リュックにつめた私の
宝物ですよ」と言ってみたいなーーー。フエフエフエ・・・・
それでは、欄外情報です。

1ページ上、「☆ますむらひろし愛と涙の結婚記念作品☆」。タイトルのすぐ下に「ファンタジー・
ゾーン(16)」。右下に「ますむら ひろし」

4ページ右、「ファンクラブ700名突破、原稿料アップ、カラーテレビ購入記念作品!!」

5ページ上、前号と同様の黒いギザギザの枠が2つあって、白抜き文字で左の枠には
「ますむらひろし ファンタジー・ゾーン」、右の枠には「ハサミを持ったギャンブラー」とあります。
その間にハープを吹いているヒデヨシの風呂敷の結び目から上のカット。
同ページ左、「[ますむら先生ついに結婚] フジTVでおなじみのますむら先生は、たいした混乱もなく無事、
ハネムーンツアーに出発しました。10月23日九段会館に各界の無名人約100名が列席。当誌編集長の祝辞に、
いつになく厳粛な先生の眼からは、ただ涙・涙・涙の連発。ますむら先生、末長く御幸せに。」

次は差異情報です。(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(1)。この作品も、またまた(マ)では
■■■■青インクでした。

1ページのタイトル、(マ)では手書きで、「ハサミ」の「ミ」の文字の上2本がハサミの形をしていて、
「ギャンブラー」の「ン」の文字の点がネズミトランプのりんごのカードです。(文)ではタイトルは活字
同ページ、テンプラの足の左側に、(文)では音符が3個ありますが、(マ)にはありません

4ページ上のコマ、テンプラのセリフが(マ)では「こんどは勝てるどっ」でしたが、(文)では、
「こんどは勝てるぞっ」に変わっています。これはたぶん、写植の間違いでしょう。それから細かいところ
では、3コマ目の左のネズミ・トランプの解説の文章の送り仮名、(マ)では、「・・・行ないます」
(文)では「・・・行います」に。

17ページ5コマ目のセリフ、(マ)では「・・・もう1度・・・」(文)では「・・・もう一度・・・」

今回は以上で終わりです。ところで、私は今気付いたんですけど、21ページの9コマ目のヒデヨシのひげの
先端が、「ひ・ろ・し」になっていますね。結婚式直前の作品だから、これはもしかしたら奥様が手伝った
ついでに描き加えたのではないでしょーか。
ついで、と言えば、ますむらさんが結婚された1977.10.23の夜空をプラネタリウムソフトで調べてみると、
月だけが中空にありました。満月にあと3日、というかなりふくらんだ月です。


「雪待ち草の酒」
   マンガ少年 1977年11月号 欄外&差異情報 #15
 

表紙 (1ページ) のヒデヨシの腹に書いてあるという奥様の名前を判読しようと、マンガ少年をななめ
から見たり、眼鏡をはずして見たりしたのだけれど、どーも読めません。
「つう」?「フーコ」? んーーー、「アコ」とは読めないなぁ・・・

ドロッとした沼の水、苦い雪待ち草の酒、ヒデヨシはとりあえず、何でも腹に納めてしまうんですね。
まず、飲む。何も考えずに、何も感じずに、飲む。そしてそのあとで考える。

さてさて欄外情報は。

1ページ上、「クイズグランプリでおなじみの◆ファンタジーゾーン(15)◆」
左下に「ますむら ひろし」

3,5,13,15,21ページ上、前号と同様の黒いギザギザの枠が2つあって、白抜き文字で左の枠には
「ますむらひろし ファンタジー・ゾーン」、右の枠には「雪待ち草の酒」とあります。
その間にハープを吹いているヒデヨシの風呂敷の結び目から上のカット。

4ページ右、「フジTVクイズグランプリをおさわがせしたヒデヨシ。今度は、いよいよNHKだぜ、
ヒデ!!」この「クイズグランプリ」の件が何なのかということについては、巻末の読者ロビーに
兵庫県のN・Yさんが「ところでみなさん、"クイズグランプリ"をごらんになりましたか?ますむら
ひろし先生のファンタジー・ゾーンの主人公のネコの名前をあてる問題があったでしょう・・・・・
なんとなく、うれしくなってしまった・・・。」という感想を寄せています。わかるねぇ、その気持ち。

5ページ左、「[月祭り'77のお知らせ] マンガ界のニキビますむら先生の絶唱が、再びステージに
流れます。ロック・コンサート「月祭り'77」の10月10日(月)正午のステージです。会場は千葉県野田市
文化センター(東武野田線愛后駅下車徒歩15分)。詳しくは 0471(22)#### Y・Yまで。」

15ページ左、「[読者の声] 『ファンタジー・ゾーン』は春の夜の淡い夢のようにぼくに
微笑みかける・・・。(長野県・Iさん)」

差異情報です。(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(1)。この作品も、(マ)では
■■■■青インクでした。

6ページ3コマ目のテンプラのセリフ(マ)では「・・・表わして・・・」(文)では「・・・表して・・・」

9ページ6コマ目と10ページ7コマ目、オクワさんの帽子、(マ)ではまん中が白いが、(文)ではそこに斜線
加筆されています。

16ページ6コマ目、(マ)ヒデヨシにヒゲがありません!! (文)ではちゃんと左右に3本ずつついています
にゅっふっふっふ・・・

17ページ右下のコマとその次のコマ、パンツとオクワさんの持っているグラス、(マ)では模様も何もない
白抜きですが、(文)では水面とアワが加筆されています。

これは差異情報じゃないけど、18ページ6コマ目、けっこう大きなヒデヨシだけど、(マ)にも(文)にもヒゲが
ありません!! にゅっふっふっふ・・・・・・

24ページ左下隅に、(マ)には「おしまい '77.9.13  Goronarkow」という文字がありますが、(文)にはありま
せん。なおこの最後のGoron・・・ですが、「ar」あたりがさだかではありません。本当は何と書いてある
のでしょう?

えー、ファンタジー・ゾーンには全然関係ありませんが、このマンガ少年11月号の裏表紙は、東芝乾電池
の広告で、それによると、電池を買ってそれについているシールを葉書に貼って送ると、巨人軍の王選手
のサインボールがもらえたそうです。ま、それは珍しいプレゼントではないけれど、その個数がスゴイ!!
昭和52年9月1日〜10月31日まで、毎週756個も当たる!! という・・・・ぉぉぉぉ
8週間もあるから、全部で756×8=6048個だぁ。1個10秒で書いても60480秒=1008分=16.8時間かかるなぁ。

米沢原画展でのますむらさんも、それぐらいの数のサインを書かれたかもしれませんね。ご苦労様でした。
そして、ありがとうございました。
 


「ブドウの森」
   マンガ少年 1977年10月号 欄外&差異情報 #14
 

タクマの涙ぐましい1時間の説明も、ヒデヨシには通じませんでした。「オレがタコだったの
か!?」と「オレはあきらめないぜぇっ」は名言です。いいなぁ、ヒデヨシの性格。好きよ。
この2つのセリフの間に起きたヒデヨシの思考の変遷過程は、きっと次のよーでしょう。

「オレはタコが好きだ」→「タコはオレが食うために生きている」→「よってタコがオレであるはず
はないっ」→「オレがタコになったとみんなは言ったがこれは抜け駆けしてタコを食うためだ」

ではまず欄外情報から。

1ページ上、「★O宇宙の御用聞が描く★」。「O宇宙」(オーうちゅうと読むのだと思う)というのは
「青猫島コスモス紀」に出てきます。O宇宙は「生物が死んだ後、透葉孔を通って魂が帰る所、生物が
生まれる前、魂が住んでいた所」だそうです。
ヒデヨシの左手の下に「ますむら ひろし」。下に「ファンタジーゾーン(14)」

2ページ右、「スダコと夏バテをスランプで包んで油であげてみました。塩コショウをしてお召し上
がり下さい!!」

5ページ左、「[ヒデヨシファンクラブ結成] スランプ界の若獅子、ますむら先生のファンクラブが、
ついに結成されました。その名も「ヒデヨシファンクラブ」。かきのタネ、スダコ愛好家の方、山形
県出身の方、スランプでおなやみの方などの入会を歓迎します。詳細は81ページをごらん下さい。」

7,9,11,15ページ上、前号と同様の黒いギザギザの枠が2つあって、白抜き文字で左の枠には「ますむら
ひろし ファンタジー・ゾーン」、右の枠には「ブドウの森」とあります。
その間にハープを吹いているヒデヨシの風呂敷の結び目から上のカット。

11ページ左下、「[お知らせ] スランプの王道を歩むますむらひろし先生に、待望のファンクラブが結成
されました。『ヒデヨシ・ファンクラブ』です。入会希望の方は、50円切手をはった、返信用封筒を同封
の上、〒167東京都杉並区××○-○○-○○ Kさんあてにお送り下さい。」「ぱふ1979-2.3」によると、
このファンクラブは1978年の春に「ゴロニャオ便」という会報第一号を出したそうです。切手100円で
入会できたのに、めんどくさがりの私はそれすらしなかったんですねー。モッタイナイことしたなぁ。
ところで、昔このファンクラブに入っていた、という方はここを御覧になっていませんかぁ〜〜。
やっほ〜〜。やっほ〜〜。やっほ〜〜。やっほ〜〜。・・・インターネット空間にむなしくひびくこだま。

22ページ下、「★ますむらひろしのファンタジー・ゾーン★・・・次回も、奇妙ナ世界ヘノイザナイヲ、
アナタニオ約束シマス。」。その左に口を閉じたヒデヨシのカットがあって、「どうも」というフキダシ
ついています。

次、差異情報。まず言っておくと、はじめの16ページは緑のカラー刷りです。正確には、黒に加えて、
濃い緑と、薄い緑と、グレーの3色が使われています。(マ)はマンガ少年、(文)は文庫版ですっ。

1ページのタイトルは(マ)では手書きの袋文字で、中は濃い緑色ですが、(文)では活字になっています。

3ページ下のコマのパンツのセリフ、(マ)では「現われそうだな・・・」(文)では「現れそうだな・・・」
以下、テンプラやヒデヨシやタクマのセリフも送り仮名を同様に直してあります。

7ページ左下のコマのセリフ、(マ)では「うわ〜〜」だったのが(文)では「キャ〜〜ッ」に変えられました。
フーコちゃんの叫び声だから、女の子っぽくしたのですね。

11ページ左上のコマのヒデヨシの口、(マ)では閉じているが、(文)では開いている。というか、(マ)のあご
に見えた部分に歯や舌を描いて、口の奥をベタぬりしてあります。同ページ左下には(マ)ではお知らせ
(文)ではタコがケーキを持っているカット

12ページ3コマ目の書き文字「サッ」は、(マ)では濃い緑に塗られているが、(文)では色版がなくなった
ので、代わりに二重斜線が加筆されています。 

13ページ4コマ目の花の上、(マ)では真っ黒のベタ塗りだが、(文)ではそこに「それから3日目の夜」と
いう説明文が入りました。

16ページ4コマ目のパンツのセリフ、(マ)では「くそっ」だったのに(文)では「そっ」になっています。
「くそっ」はお下劣だからやめたのかも。
 


「猫の目岩の奥で」
   マンガ少年 1977年9月号 欄外&差異情報 #13
 

この作品を読むと、つりや虫とりや水遊びと昼寝だけで1日が過ぎていった、少年の頃の夏
を思い出します。あの頃のゆったりとした時の流れ、何ものにも束縛されない心、を忘れて
はいけないな、と思います。・・・我に帰って欄外情報でっす。

1ページ上、「マンガ界のニキビが描く」。編集さん、だんだん図に乗ってきました。
その右下に「ますむら ひろし」。下に「ファンタジーゾーン(13)」

2ページ右、「夏バテも食べちゃうスーパーヒーロー、ヒデヨシ!! 今日もタヌキ寝入りと
ブタ笑い!!」

3,15,21ページ上、黒いギザギザの枠が2つあって、白抜き文字で左の枠には「ますむら
ひろし ファンタジー・ゾーン」、右の枠には「猫の目岩の奥で」とあります。
その間にハープを吹いているヒデヨシの風呂敷の結び目から上のカット

3ページ左、「[ヒデヨシが目を開けた!!] ヒデヨシは、三年前、『ガロ』五月号『星降る夜
の天使たち』で目を開いている。その目のかわいいこと、かわいいこと。ますむら先生に
よると、今後二度とヒデヨシは目を開けることはないという。ヒデヨシに目はいらない。
全身が目なのだ!!」。編集さん、違うんです。ヒデヨシは、あれでも目は開いているんですよ。
ヨネザアド物語のおしまいの方にちゃんと書いてありましたよん。

15ページ左、「『ファンタジー・ゾーン』の感想文を月刊マンガ少年編集部
『ファンタジー』係までお送りください。」

23ページ下、「★ますむらひろしのファンタジー・ゾーン★・・・次回も、奇妙ナ世界ヘノ
イザナイヲ、アナタニオ約束シマス。」

次は差異情報でっす。マンガ少年は(マ)、文庫版は(文)ね。

1ページのヒデヨシとテンプラのバックに、(文)ではもくもく雲がありますが、(マ)には何も
ありません。また、テンプラの帽子と髪の毛に、(文)では影となる斜線が加筆されています。
そして、前号と同じく、テンプラの目の下の線も加筆されました。もうひとつ、(文)では
枠につる草模様がついていますが、元の(マ)では、真っ黒でした。

8ページ左上のコマ、(マ)ではヒデヨシのセリフが「テンプラ 何か 聞こえて くるぜ」
でしたが、(文)では「テンプラ」が削除されてます。

9ページ2コマ目、3コマ目、(マ)では2コマ目のちっちゃなテンプラから右上にフキダシが
出ていて、その中に「ここは・・・」というセリフがあり、3コマ目のセリフは「どこなんだ
ろう・・・」ですが、(文)では2コマ目のフキダシがなくなり、3コマ目のフキダシが広げられて
セリフに「ここは」が追加されています。

11ページ4コマ目、(マ)ではヒデヨシとテンプラの間にトゲトゲのフキダシがあって、「ら」
という大きく太い手書きの文字がありますが、(文)では塗りつぶされています。

13ページ2コマ目、(マ)ではテンプラのバックは真っ白ですが、(文)では斜線が加筆されて
います。

14ページ右下のコマ、ヒデヨシとテンプラが驚いて発するセリフが、(マ)では大きく太い
手書きの1文字で「え」ですが、(文)では活字で「ううっ」に変えられています。

15ページ左上のコマ、(マ)バックは真っ白ですが、(文)には「+」の模様が加筆されて
います。

19ページ左下のコマ、(マ)ではバックは真っ白(文)バックは斜線
 


「唐あげ床屋」
   マンガ少年 1977年8月号 欄外&差異情報 #12
 

ある意味、ヒデヨシと双璧をなすアブナイキャラクターである唐あげ丸さんの登場です。
そこだけ一年中雨が降っているという「雨降り森」、いいですねぇ。この森の境界線近くに
座って、雨のカーテン越しに青空を見ていたい。さて欄外情報です。

1ページ上、「スランプ界の若獅子が描く」。ちょっとちょっと編集さん、悪ノリしちゃ
いけませんぜ。ヒデヨシの足の下に「◆ファンタジーゾーン(12)◆」。その下の行に
「ますむら ひろし」

2ページ右、「あすなひろしと親戚じゃないますむらひろしは、"スランプの王道を歩む!!」
確かに、私は古本屋では「あすなひろし」に反応してしまいます。
まだまだ、修業が足りんのぅ。

3ページ右、「[ますむら先生スランプに!?] 先生は、最近スランプを楽しんでいる。
その原因を、「スダコとカキのタネを食いすぎたためだ。」と分析する先生は、「米とミソ
を食うことが一番だね」と、その解決策にふれられた。読者諸君、貧しい先生に米とミソを!!
言動までヒデヨシに似てきたますむら先生のこのごろである。」。「スランプ」を連呼して
いるところをみると、なかなか作品が仕上がらなかったのかなぁ。でも、そんな苦労の末に
唐あげ丸さんというスバラシイ猫が誕生したんですから、ヨカッタヨカッタ。

5,9,13ページ上に、「ますむらひろしのファンタジーゾーン」という文字があって、
その右に「や」って言う感じに口を開いているヒデヨシの絵があって、
その右に「唐あげ床屋」の文字。

11ページ左、「[読者の声] ますむら先生の作品は独特の味わいがあって飽きがきません。
(新潟県・Iさん)」

22ページ下、「それから しばらくの間 ぼくらのハープは "虹のハープ" だった」

次に、差異情報ね。(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(1)だよん。この作品も、
(マ)では■■■■青インクでした。

15ページ左上のコマ、(文)では雨の向こうに背景の木がうっすらと描き足されています。
それから、右下のコマでも同じく加筆があります。(マ)よりも(文)の方が唐あげ丸さんの
左側の斜線が多いです。また、右の5つの音符の周りにあるぎざぎざの線も(文)では、10
本、多いのです。インドのトラ狩りのよーに、激しい演奏になっています。

16ページ右上のコマのヒデ丸、(マ)にはヒゲがないっっ!! あぁぁっ、お忘れになったんですね。
(文)ではちゃんと左右に3本ずつのヒゲがあります。次に、3コマ目のヒデ丸が振りおろした
こん棒の上にある動線も(文)の方が9本多い。気合いが入ってます。

19ページ5コマ目、(マ)のバックは真っ白ですが、(文)では二重斜線で埋めてあります

20ページ4コマ目も、(マ)のバックは真っ白なのに、(文)では「+」の模様が描かれています

21ページ2,4,5コマ目のテンプラの目、(マ)では目の下の線がありません(文)で、加筆されて
います。また、左下のコマ、テンプラの帽子と服、(マ)では真っ白ですが、(文)では斜線が
入っています
 


「続・植物見張り塔」
   マンガ少年 1977年7月号 欄外&差異情報 #11
 

さて、続編です。前号で最後に突如、花に乗って現れたギルバルスの活躍はいかに?!
ってとこですが、一部で有名なオッパイ ギュウ事件により、やっぱりヒデヨシに食われて
しまいました。ギルバルスといえども、ヒデヨシには太刀打ちできませんなァ。
じゃ、欄外情報ね。

1ページ上、「マンガ界ののんき者が描く」。むぅぅぅ、のんき者とな?・・・そ、そう
だったのかもしれんけど。白抜き文字でタイトルの上に書くこたァないよなぁ。
その次の行、「ファンタジーゾーン(11)」。次の行にタイトル、「続・植物見張り塔」
下、ヒデヨシのお腹に「ますむら ひろし」

2ページ右、「[前回のあらすじ] 昔、ヨネザアドを支配していた紅どくろ王朝の「植物
見張り塔」に迷いこんだヒデヨシとテンプラ。魔女により天龍の卵の中に封じられてしまう。
異常を察知し塔へ向かったギルバルスの前に、百年の眠りから目覚めた巨大な天龍が立ち
はだかっている。」

7ページ左、「[編集部からみなさんへ] 5月号ヒデヨシ色紙プレゼントに、二千通を超える
応募をいただきありがとうございました。抽選の上、20名様に発送いたしました。発表は
発送に代えさせていただきます。今後もいろいろ読者プレゼントを計画しています。
なにとぞ、ヒデヨシをごひいきに!!」。2000分の20ですか。約分して100分の1ですね。
けっこう競争率高いなぁ。

24ページ下、「植物見張り塔に秘められた、紅どくろ王朝の謎が、姿を見せはじめた。
月蝕の夜までには、まだまだ長い平和な時がある。対決にそなえよ、ヨネザアド。魔女よ、
再び会いまみえん。」うむむ、かっこいい。ギルバルスが出てくると引き締まるね。

では次に、差異情報でぇす。(マ)はマンガ少年、(文)はMF文庫・アタゴオル(1)ね。

1ページのタイトル、(マ)「続・植物見張り塔」でしたが、(文)では「植物見張り塔 -2-」
になってますね。前回のも書くのを忘れてたけど、(マ)ではただの「植物見張り塔」だった
のが、(文)では「植物見張り塔 -1-」になっています。

6ページ右上のコマのパンツのセリフのルビが(マ)では「リンゴ酒(しゅ)」だったのが、
(文)では「リンゴ酒(ざけ)」に変わっています。

23ページいちばん下のコマ、(マ)ではギルバルスの顔の右にも左と同じぐらいのフキダシ
があって、「紅どくろ王の手先だったんだな あの魔女は・・・・」というセリフが
入っていました。それが(文)ではベタ塗りで消してあります。そして、左側のセリフも、
(マ)では「魔女め 今度こそ はっきりと かたをつけてやるぜ」だったのが、(文)では
「魔女め」が削除されています。言わずもがな、ってとこでしょうか。

24ページの下。(マ)には欄外情報の左側に、カタツムリの殻に入ったヒデヨシが左向きに
寝そべって、左手でほおづえをついているカット絵があります。
 


「植物見張り塔」
   マンガ少年 1977年6月号 欄外&差異情報 #10
 

今回の「植物見張り塔」は、マンガ少年とそれ以後の単行本を読み比べてみても、内容には
違いはなかったので、欄外情報のみです。だけど・・・

1ページ上、タイトルの下に「ファンタジーゾーン(10)」。下に「漫画界の未熟者 ますむ
らひろし 初のカラーに挑戦!!」・・・・ふっふっふっふっ、そーなんですよ、この作品は
めの16ページがカラーです。色は薄い緑濃い緑グレーを使い分けてあります。こういう
のは、2色カラーというのでしょうか? このカラーページは紙も印刷も割とよいです。
それにしても、「未熟者」とはなんたる言いぐさ! 失礼千万じゃ!! プンプンッ!!!

3ページ左、「[先生宅にファン殺到]  最近、ますむら先生宅にファンが殺到しています。
先生の愛猫も、このすさまじさにやせ細るばかり。先生のお宅を訪問される場合、手紙で了
解を得た上、出かけましょう。そして酢ダコ、柿のタネ、リキグリーンをおみやげに買いま
しょう。」当時のますむらさんは松戸市に住んでおられて、その住所はマンガ少年に載って
いたのですから、熱狂的ファンがいっぱい押し掛けたのでしょう。当時は住所を公開して
いいか悪いかということに無頓着な時代でしたね。

20ページ右、「奇妙な時間をはらんだ植物見張り塔。ヨネザードには不思議な現象がゴロ
ゴロ!!」

今回は以上です。欄外情報も、たまにはあっさり終わりましょう。次回は植物見張り塔の後編
です。ではまたね〜。


「ギルバルス」
   マンガ少年 1977年5月号 欄外&差異情報 #9
 

       さぁて、いよいよギルバルスの登場です。まず、欄外情報だっ!!

       1ページ上「漫画界の民宿が描くめるへん」ま、まんがかいの民宿・・・???
  なんざんしょ、民宿って。んーむ、意味が分からないのじゃ。
       1ページ下、ギルバルスの首のすぐ下に「ますむらひろし」の白抜き文字。その下に「ファ
       ンタジー・ゾーン(9)」

       2ページ右「ヒデヨシよりもっとかっこいい主役が登場!! ヒデヨシ、お前の地位危ない
       ぞ!!」かっこよさをヒデヨシと比べちゃいけませんぜ。

       5ページ左「[ますむら先生 ステージに立つ] ますむら先生が、ステージに立つ。4月29日
       から5月1日まで、千葉県野田市の文化センターで「花祭(はなまつり)'77」というコンサー
       トが開かれる。巨大なテントを構内に立て、そのステージにますむら先生の左ききのギタ
       ーひきがたりが流れる予定。」

       7ページ左下「[プレゼント] マンガ界の民宿ますむら先生が徹夜して描いた色紙を、
       20名の方にプレゼントします。クレヨンで描かれたヒデヨシ色紙です。御希望の方は、
       〒104 東京都中央区銀座4-2-6 朝日ソノラマ宣伝課 ますむらひろし色紙係。〆切りは5月5
       日です。」7ページ左「[次号] 幻想/ふしぎな世界へ誘う『ファンタジー・ゾーン』第10弾」

       9ページ左「[読者の声] ますむらひろし先生の作品は個性がある。大ファンになりまし
       た。(札幌市・Sさん)」

       続いておまちかね(?)の差異情報でぇっす!! いろいろあるんだ、今回、うん。さあ、みなさ
       ま、文庫版などを対照しながらお読み下さい。

       1ページ。タイトルはマンガ少年(マ)では横幅一杯に「ギルバルス」です。そして!!
       ギルバルスの顔に注目!! (マ)では短剣をくわえている上唇が人間の唇です。口の幅も文庫
       版(文)の半分ぐらいしかない。また、服は(マ)では真っ黒で模様はありません。そのあとの
       ページでもほとんど(文)では顔のアップのときには口は描き直してありますし、服には白
       のドット模様がついています。(文)と違う時は、以下、[口][服]とだけ記します。そんなわ
       けで、(マ)の初期のギルバルスは猫耳、ふさふさ毛皮なのに、口は人間っぽいんですよ。
       「ギル様命」の方々は、この1977-5のマンガ少年は必見ですじゃ。古本屋さんを捜そお!!
  ・・・あ、でも猫口でないギルバルスは次の「植物見張り塔」でも見れますから、
  そんなにレアじゃないかも。しかし、ますむらさんは、どうして「ギルバルス」の回だけ
  ギルバルスの口とか服を描き直したんでしょうか。または、どうして「植物見張り塔」の
  回は直さなかったのでしょうか。ナゾです。
       それから1ページ下のコマ、(マ)ではテンプラの下の草むらは真っ黒のベタです。

       7ページ左下のヒデヨシの顔、(マ)では口は閉じている周りに泡や音符はなくて、かわ
       りにプレゼント情報が書かれています。

       9ページ右上のコマ、(マ)ではパンツの右下の草むらは真っ黒です。そして、下半分のコ
       マのギルバルスの口と服

       10ページ2段目のコマ、。それから(マ)ではやっぱりバックは真っ黒。3段目のコマ、
       。4段目のコマ、(マ)では草むらや糸杉は真っ黒

       11ページ右のコマ、。左上のコマ、。左下のコマ、

       12ページ上の2コマ、。右下のコマ、(マ)ではランプ屋に目、鼻、ひげがある
       に、(文)では消されています。それから、(マ)では顔の周りにぐにゃぐにゃとした放射状の
       線も描かれています。左下のコマも同様で、(マ)には目と、もわもわの放射線がありま
       す。

       13ページ2コマ目、。3コマ目、ランプ屋の目に(マ)では瞳があり口が少し大き
       い。下のコマ、。なお、この口の違いについては、言葉では説明しにくいので、こ
       のコマの顔を真似して私が描いたイラストを御覧ください。・・・マウスで描くのは難し
  いねー。(マ)ではギルバルスにはきれいな歯まで描かれています。

       14ページの3コマ目、のみ。口は直してないので、(文)でも歯が4本見えます。

       15ページ左上のコマ、(マ)ではキツネの目のまん中に白いドットあり。それから、短剣
       の上に「ボッ」という太ゴシックの手書きの効果音。次のコマ、。次の次のコマ、
       。左下のコマ、

       16ページ2コマ目、、それから、(マ)ではギルバルスの顔の向かって左側には髪の
       毛が全然描かれていませんが、(文)では描かれています。また、セリフが(マ)では「道案内
       のお礼をしなくっちゃね」とかわいいんですが、(文)では「道案内のお礼をしなくて
       は・・・・」になってるんですよ。また、フキダシの下にも(マ)には斜線があります。
       3コマ目、。左の大きなコマ、

       19ページ1コマ目、。そして!! 中段のコマ、(マ)ではコマが2つに分けてあって、上段
       のコマ割りと同じ形です。で、その左の小さいコマにはやや左向きのギルバルスの顔がア
       ップになってて横笛を右手で持ってて、「それじゃ」と言っています。ま、去っていく前
       にちょっと挨拶のつもりだったんでしょうが、右のコマの「ギルバルス」の一言だけでい
       きなり去っていく方が、かっちょいいよね〜〜〜。てわけで、(文)では2段目のコマの左側
       は、真っ黒なベタです。あ、それから、も直してあります。

       20,21ページの見開きの絵、

  ギルバルスは感情移入を許さない、クールなキャラクターですね。しっぽは、やっぱり
  ないんじゃないかな〜〜。
 


「ヒデヨシ版宝島」
   マンガ少年 1977年4月号 欄外&差異情報 #8
 

  今回は「ヒデヨシ版宝島」です。前作の「タヌキが空から落ちて来た」の続編ですね。
  島中がダイヤから一転して酢だこに変わってしまうところで、不覚にも私はキッド船長に
  同情してしまいました。ところで、膨大な酢だこの山をヒデヨシは全部平らげたんだろう
  か?でわっ!!  欄外情報いってみヨォ〜

       1ページ上「マンガ界の奇人が描く」・・・すごいキャッチフレーズだなー、これって。
  のっけから編集さん、暴走気味です。
  で、下に「ファンタジー・ゾーン(8) ますむら ひろし」

       2ページ右「ますむら ひろし−ヒデヨシ=0」こ、これも強烈だっ。移項すると、
  ますむらひろし=ヒデヨシ、ですね。

       5ページ左「[ますむら先生結婚間近か?] ネコ狂いのロックンローラー、ますむら先生に
       も春がやって来たらしい。ネコと一緒になると豪語していた先生も、酢ダコに似た美しい
       女性に、心の内を告白したのだ。しかし、結婚により女性ファンの失望を買うのを先生は
       恐れているのである。」ネコと一緒になると豪語・・・にゃんとな?

       15ページ左「[読者の声] ますむらひろし先生の作品にいつも感動しています。がんばっ
       て下さい。(池田市・Sさん)」

       21ページ左「[読者の声] ますむらひろしの作品に期待するものがいっぱいある。(広島
       市・Tさん)」こういう初期のファンの方々は、今はどうしてみえるんでしょう。今でも
  心にはアタゴオルの風が吹いているのでしょうか。

      24ページ右「恐るべきクレイジー・キャット、ヒデヨシ。こういう猫がいる限り、明日
       の世界に平和はない。」いいねぇ、こういうのは。同ページ下「ますむらひろしのファン
  タジー・ゾーン・・・・次回も、奇妙ナ世界ヘノイザナイヲ、アナタニオ約束シマス。」
  というお約束の一言があって、その右にドーナッツ模様のはちまきをしたヒデヨシが
  「げっぶ・・・どぉも」と呟いています

       次はマンガ少年版(マ)と文庫版(文)との差異情報だ!!  今回、多いですよ。

       2ページまん中のコマ。(文)にはないけれど、(マ)には登場人物紹介で、それぞれのそば
       に「ヒデヨシ」「てんぷら」「たくま」「ヤニパンツ」と活字で書かれています。

       3ページ左上のコマ。同じく(マ)には女の子の右に「ふー子ちゃん」( [フーコちゃん]では
       ありませんぞ! ) と活字で書いてあります。

       9ページ左下のコマ。(マ)ヒデヨシの口の中に「べ」の文字が!!そして(文)ではそこが
       黒くベタ塗りされています。フッフッフッフッ、ますむらさん、塗り忘れたんですね〜。

       10ページキッド船長のアップのコマのバック。(マ)では真っ白なんですが、(文)ではいく
       つかの丸い模様が描き足されています。

       11ページ左下のコマ。最後のセリフが、(マ)では「気がする」であるのに対し、(文)では
       「気がするんだ」

       12ページ上から二つ目のコマ以降。(マ)「てんぷら」「たくま」と表記されていたも
       のが(文)ではすべて「テンプラ」「タクマ」になっています。

       15ページ左上のコマ。(マ)では「ダイヤじゃなくてアワばっかり出てくるぞ」だったの
       に(文)では「くそっ アワばっかり出てくるぞ」になってます。

       16ページ上のコマの右上。(マ)には「そして一時間後には島中がダイヤモンドに変わっ
       ていた」という解説がありますが、(文)では何もありません。それから下のコマのキッド
       船長のセリフ。(マ)では「・・・なっちまったんだぜ」(文)では「・・・なっちまっ
       た・・・・」

       17ページ下のコマ。(マ)ではヒデヨシのセリフのフキダシは単純なぎざぎざのダイヤ形
       で、中には「ダイヤが食べられっかよ」だけですが、(文)では、「ぺっ」というセリフと
  フキダシが右上に追加されています。

       19ページ下のコマのヒデヨシのセリフ。(マ)「生れて」(文)「生まれて」

       22ページ上の二つのコマ。(マ)ではバックは真っ白ですが、(文)ではベタ塗りされていま
       す。これは塗り忘れをあとで塗ったのではなく、意図的に黒くしたかったのでしょう。
  というのは、(マ)の上のコマでは、つぼの足りない一片の右に、欠けていることを強調す
  るための短い放射状の線が描かれてありましたからね。

       23ページ右下のコマ。(マ)ではバックがやはり真っ白でタクマの頭の左上にフキダシが
       あって、「いやしいやつだ!」の手書きのセリフ、そして黒いタバコを口にくわえていて、
       煙りがちょっとある(文)ではベタ塗りになっているけれど、タクマの頭にフキダシのな
       ごりの三角形が残っている。タバコは消されている。それから左下のコマのバックは(マ)
       では白地にだ円形の模様がヒデヨシを中心にして放射状に出ています。帽子の形もはっき
       りわかります。しかし(文)では真っ黒で、帽子もよくわかりません。「うっ」のフキダシ
       の形も(マ)ではとげとげです。

       24ページ(マ)では「げぶっ」が手書きで文字もフキダシも(文)の3倍ぐらいの大きさ
  あります。また、左上にもフキダシがあって、「いいか 全部 食えよ」と活字で書いて
  あります。誰のセリフかは特定できませんが、私はテンプラだと思います。

       ---------以上です、ふぅ〜。じゃ、またね。

  あ、それから最後のページの画面下の文字は、「Gornao.K.(Akiko) '77.15.2」って読めます
  ね。「K」って何の略なんだろう。謎を残して次回へ続く。
 


「タヌキが空から落ちて来た」
   マンガ少年 1977年3月号 欄外&差異情報 #7
 

今回は「オレは恐ろしい猫なんだぜえっ」の扉絵ではじまる「タヌキが空から落ちて来た」
です。私はこれ、好きなんですよぅ。ヒデヨシがいろんなポーズをしてくれているのが楽し
いねっ。特に十文字投げ→みだれふぶき→月の輪落とし→とどめは→熱風ジャック投げ、の
一連のナイフの投げ技がダイナミックです。それから、酢ダコがうまそうに見えるしさ。
じゃ、まず欄外情報から。

1ページ上「ファンタジー・ゾーン(7)」。マンガ少年での連載中はますむらさんの作品は
ファンタジー・ゾーンと銘打たれていました。アタゴオル物語と呼ばれるようになるのは後
のことです。

2ページ右「空から珍妙な物体が落下して来た。あれはなんだ。ブタかタヌキかはたまた猫
のぬいぐるみか!?」

3ページ左「[編集部からみなさんへ] 1月号「青猫島コスモス紀」プレゼントの結果ですが、
総数500通の中から厳正な抽選の上、10名様に本を発送しました。発表は発送に代えさせてい
ただきます。それから、ますむら先生に、最近数多くのマタタビが送られて来ますが、スダコ
にしてほしいとの事です。」。・・・あーーー、やっぱ、ハガキを出すんだったぁー!!
10/500ですよ、約分して1/50だ。こりゃ当たる確率高かったですよ。

20ページ右「猫背・猫ババ・猫なで声・猫舌・猫の目・猫かぶり→これみんな ますむらひ
ろし」。むむむ、猫ババだけはいけませんぜ。同ページ下のヒデヨシの左にお約束の一言

それから差異情報だっ!! 例によって、マンガ少年(マ)と、メディアファクトリー文庫(文)とを
対照します。んでまずはじめに言っておくと、(マ)の印刷はこの回は初めての青インクでした。
[■■■■こんな感じの色です。]  この青インクの印刷は少し色が薄すぎて、私は好きではあり
ません。ファンタジーゾーンは、ほとんどの回が黒インクなのですが、これはますむらさんが
ガロに描いていた時代からの、黒インクへのこだわりだそうです。

6ページ左下のコマのセリフ、(マ)では「たくま」(文)では「タクマ」。以後のページで
も、同様です。

9ページ右上のコマのセリフ、(マ)では「終ってから」(文)では「おわってから」

10ページ5番目のコマ、タクマのセリフ、(マ)では「恐しい」(文)では「恐ろしい」。「こ
んなにスゴイとは!!」のフキダシの形が(マ)ではぎざぎざで、その周りにひび割れのような模
様があるが、(文)ではつるっとした形になって、その後ろは真っ黒。8番目のコマのセリフ、
(マ)では「当らない」(文)では「当たらない」

11ページ3番目のコマのセリフ、(マ)では「ううっ・・・・・・このままでは」だったのが、
(文)では「このままでは」になっています。

13ページ右下のコマからあとのページに出てくるテンプラの表記もタクマと同じく(マ)では
「てんぷら」(文)では「テンプラ」となっています。初期の名前はひらがなだったのです。

14ページ左上のコマ、(マ)ではタクマの口の中に舌の線が3本引いてあってその内の上の2本
を消すように斜線が6,7本引いてあるが、(文)ではベタで黒くつぶしてある。5番目のコマ、タ
クマのフキダシの形が、(マ)ではぎざぎざで、(文)ではつるっとしている。7番目のコマ、「フ
ッ見てろ・・・」のフキダシの大きさが(マ)(文)2倍ぐらい大きい

16ページ上のコマ、やはり(文)になって、フキダシの大きさが必要最小限に小さくされてい
。3番目のコマ、(マ)ではバックが真っ白だが、(文)では二重斜線の模様がある。下のコマ、
(マ)では「おいいいかげんに・・・」と「オレはタヌキじゃねえ・・・」のフキダシの形が
ざぎざだが、(文)ではつるっと丸くなっている

17ページ右下のコマ、ここもキッド船長のセリフのフキダシの形が(マ)ではぎざぎさ(文)
では丸い。そして、(マ)にはヒデヨシの「キャアア」というセリフがキッド船長のセリフの下
にある。フキダシの形はアメーバみたい(文)では塗りつぶされてしまっている。5番目のコマ
のバック(マ)真っ白(文)二重斜線

18,19ページの見開きのコマ、「流星群だっ」のフキダシの形が(マ)ではぎざぎざで大きい
が、(文)では丸く小さくされている。

19ページ下のコマ、タクマのフキダシが(マ)ではぎざぎざ(文)ではもこっもこっ。送り仮
名が(マ)では「向って」(文)では「向かって」。それから、テンプラとフーコちゃんのフキ
ダシも(文)では少し小さめになっている。

20ページのコマ、(マ)では海賊船の沈んだあとの煙りの右にぎざぎざのフキダシがあって、
中に「あのタヌキはどこにいった」と書いてあります。キッド達が健在なのがわかります。

以上のようにこの作品では、単行本になる時に多くの箇所で、ぎざぎざのフキダシが丸いもの
に変えられています。

もう1つ、番外編の情報です!!
この1977-3には、巻末近くに「おーい みんな ROCK を聞こうよ!!」という特集が
9ページもあります。その1ページ目にはイラストがあって、これをますむらさんが描かれて
います。8人のロックアーチストの絵ですが、前列4人はビートルズのポール、リンゴ、
ジョージ、ジョンで、後列4人のうち1人はディラン。しかしあとの3人はミック・ジャガー
とジミ・ヘンドリックスと・・・? うー、私はロックには詳しくないので自信がありません。
このイラストはどこかの本には再録されていませんでしたかね。
そして、8ページに渡る本文もますむらさんが書かれているのです。1950年から1976年までの
ロック史について、熱く語っておられます。ページごとのタイトルだけ書いておくと、
「ロックとはなんだ」「ビートルズとロック」「ロック王国イギリス」「ロックの故郷アメ
リカ」「5大ロックコンサート」「ロック史上に輝く10枚のLP」「ロックに消えた5人」
「ロックアーティスト名言集」
です。読みごたえありますよ〜〜。実はこのロック大特集はつい最近発見したんです。
 


「ぼくらが地上に帰る時」
   マンガ少年 1977年2月号 欄外&差異情報 #6
 

      「ぼくらが地上に帰る時」は米沢やなでら山というのんびりした雰囲気の出だしから、
  イキナリ穴に落ちて、月面に行ってしまう、というスピード感が好きです。それから、
  ラストの見開きのテンプラがホントに大きくみえて、リアル。
  じゃ、さっそく欄外情報からね。

       1ページ(扉ページ)タイトルの上に「ますむらひろし ファンタジー・ゾーン(6)」。右下
       に作者名「ますむらひろし」

       2ページ右「イリュージョン+誇大妄想×猫=ますむらひろし」うーん、数学的に考える
       と[ (イリュージョン+誇大妄想)×猫=ますむらひろし]としたほうがよかったのでは・・・

       3ページ左「[ますむら先生のくせ]  驚いた時、感激した時、〆切日に原稿が間にあわない
       時のいいわけなどに、「ら」というえたいの知れない感嘆詞を発します。「ら」は主に、
       ますむら先生が自分に都合の悪いことをすっとぼける場合に数多く使われます。なんでも
       煙りにまく、便利な言葉です。」つまり、[ら]は、[ぁら]の[ぁ]が省略されたものなのかな
       ぁ。私もよく[ら]とか[り]とか言いますねぇ。

       7ページ左「[読者の声] ますむらひろし先生の作品が大好きです。もっとページがふえた
       らと思います。(京都市・Tさん)」

       20ページヒデヨシの右に、「次回も・・・」のお約束の一言

       次にマンガ少年(マ)と、永遠なる瞳の群(永)との差異情報です。

       11ページ右上のコマのセリフ、(マ)では「だって月には空気がない」が、(永)では「だっ
       て月には空気がないはずでしょう」に修正されています。

       フキダシの形について。11ページの「ここが月だなんて・・・」、「米沢市の地下
       が・・・」、12ページの「10年ほど前に・・・」、「おれは学会なんぞに・・・」、「そ
       して5年ぐらい・・・」、「とほうもない・・・」、「そしておれは・・・」のセリフの
       フキダシの形が、(マ)ではぎざぎざだったのが、(永)では丸いフキダシに変えてあります。
       これはなぜなんでしょうね?

       13ページ上のコマのセリフ、(マ)では「・・・水が上にのって行くだろう・・・」です
       が(永)では「・・・水が上にのぼって行くだろう・・・」に修正されています。

       18,19ページのドデカい見開きの絵、(マ)では帽子の右上側にハイライト部分があり、
       腕、肩、背中にも、服のしわのディテールのハイライトが描き込まれていますが、(永)
       はベタぬりになっています。

       そしてっ!!!・・・20ページ!!・・・ふっふっふっふっ、当時、ますむらさんがこのマンガ
  少年12月号をチェックしていてきっと「ららららら」と叫んだと思われる箇所発見!!
  (マ)では主人公のテンプラ(と思われる少年)の帽子の唐草模様が途中までしかないっ!!!!
  ひょっとして、見開きのコマやこの最終コマのぶっこわれた建物の描写に神経を使い過ぎ
  て、描くのをお忘れになったとか?  それからここでも、(マ)にはあった帽子の右側のハイ
  ライト(永)ではベタで塗りつぶされています。また、マフラーの下のシャツの部分は
  (マ)ではたての線だけでグレーっぽくしてありますが、(永)では二重斜線になっています。

  やー、こういうこともあるんですねぇ。ページの隅から隅までチェックするというのは
  大変ですからね。
 


「氷山1977」
   マンガ少年 1977年1月号 欄外&差異情報 #5
 

  ワタクシ、1999年4月28日未明、初めて「下町のボナパルト」さまと粉雪亭にて遭遇い
  たし、至福の1時間を過ごし、その中で貴重な証言をいただきました。私がおもしろがって
  いた欄外情報は、ますむらさんの創案ではないばかりか、ますむらさんは監修すらしておら
  れなかったのです。
  欄外は全て先生の担当の編集者が勝手に書いたもので、どんなことを書くかということを、
  ますむらさんに知らせたり、了解を取ったりもしていなかったのだそうです。それで、
  ときには度の過ぎた悪ふざけ的な欄外もあったとか。今後は、そーゆーケシカラン欄外情報
  があったら、私がますむらさんにナリカワッテ激怒しようと思いますっ。
  ま、とにかく欄外情報です。

       1ページタイトルの上「ファンタジーゾーン第5弾!!」。タイトルの右下「ますむら ひろ
       し」。氷山の左側「一九七七年こそますむらひろしの年だ!!」「がんばれ米沢市!!」なぜ、
       がんばれ米沢市、なんだろーね?

       2ページ右「桜の木の下には死体が埋まっているとか。では、氷山の下には一体
  何が・・・・!!」ふ、不吉じゃ。

       3ページ左「[ますむら先生の近況] 松戸の団地へ越された先生は、近頃とみに太ってき
       た。ヒデヨシに似てきた。外出せずにマンガ少年の原稿に没頭しているためだという。ブロ
       ンズ社から「青猫島コスモス紀」を出版した記念に、10冊提供していただきました。(くわ
       しくは145ページをごらん下さい)」ふっふっふっ、私はちゃんと買いましたぜ、青猫島コス
       モス紀。この本は、もー、すばらしい印刷でまるで墨汁で描いた原画そのままのようです。

       11ページ左下「猫狂いのロックンローラー、ますむらひろし先生が、6ヶ月をついやして
       描いた絵本ができました。旅する少年少女のための絵本。その名も「青猫島コスモス紀」
       (ブロンズ社刊・定価千二百円)この本を10名様にプレゼントします。あて先は、〒104 東京
       都中央区銀座4ノ2ノ6朝日ソノラマ宣伝課「青猫島コスモス紀係」です。」という文章があ
       って、その下に口を閉じたヒデヨシが右手に小魚、左手にグラスをもって背もたれ付きの椅
       子に座って「ふっ!オレが主役だぜえ」と言っています。

       13ページ左「[読者の声] ますむらひろしがいい! 彼に描く場を与えている「マンガ少年」
       は、価値ある雑誌です。(京都市・Hさん)

       18ページ右「ピイピイと鳴きながら、水族館で曲芸するイルカにも、こんな過去があるの
       だろうか!!」。同ページ下「ますむらひろしのファンタジー・ゾーン・・・・次回も、奇妙
       ナ世界ヘノイザナイヲ、アナタニオ約束シマス。」

       次は差異情報でーす。マンガ少年(マ)と、永遠なる瞳の群(永)を対照しています。

      3ページ左下のコマ、(マ)では草むらは真っ黒なベタですが、(永)では白い線で草が描かれ
       ています。

       11ページ左上のコマ、(マ)のセリフは「ついて来たまえ」だけですが、(永)では「おとな
       しくついて来たまえ」になっています。うーむ、微妙なこだわりだ。
       同ページ左下のコマ、(マ)にはプレゼントのお知らせがある関係で氷山のコマはタテ:ヨコ
       =1:2.5の横長の小さいものでしたが、(永)ではそのコマを上下方向に拡大して、空を広く描
       き足してあります。セリフも「向って」「向かって」に変更されています。

       18ページの「日本! 百年ごとに もどって来るぞ!!」という印象的なセリフの位置、(マ)
       は左のイルカの上の三日月の中ですが、(永)では右のウニみたいな形のフキダシの中に移動
       しています。(マ)にもこのフキダシだけは描かれているので、元々本来はこのフキダシの中
       にセリフを入れようと考えて準備していたのに、何らかの理由でそうしなかったのではない
       でしょうか。

  ところで、この1977-1は古本屋で購入したものですが、保存状態がむちゃくちゃよいです。
  まるで、きのう発売になったばかりの本のようです。23年前にタイムスリップしてしまった
  ような錯覚すらします。これを古本屋に売った人、アナタはすごいっ!!・・・しかし、読ん
  だ形跡もあんまりない。アンタは何のためにこの本を買ったんだあああぁぁっっっ!!
  てことで、またね。
 


「理科室の地下で」
   マンガ少年 1976年12月号 欄外&差異情報 #4
 

  予告では12月号は「植物見張り塔」となっていましたが、実際は「理科室の地下で」でした。
  これがなぜかわからなかったのですが、これも二十余年の歳月を経て、メディアファクトリー
  文庫1巻の巻末「アタゴオル記憶」で、その理由を知りました。当時は、編集担当者にも
  読者にも、アタゴオル世界の価値が分からなかったんでしょうね。
  私は、「影切り森の銀ハープ」の濃密な森と闇の雰囲気の凄さに圧倒されて、そしてヒデヨシ
  の大胆磊落自分勝手な性格に惚れて、そしてそして、最後のページの穴だらけのヒデヨシの影
  に目まいがするような感動を覚えました。そのときこれこそが私の読みたかったマンガだ、と
  確信しました。けれど、その思いをハガキに書いて編集部に送るほどの行動力もない私でした。
  前置きが長くなりましたが、さて「理科室の地下で」の欄外は・・・

       扉ページ(1ページ目)右上「猫狂いの新人作家 ますむらひろしが描く ファンタジー・
  ゾーン第4弾」

      2ページ右「かびくさく、陰気な学校の理科室では、異常なドラマがくりひろげられてい
       た!!」

       3ページ左「[今度生まれ変わったら] ぼくは猫狂いです。ぼくは生まれ変わったら、のら
       猫になりたい。昼間はゴミ箱をあさっては、人間の捨てていった宝物を見つけたり、日な
       たぼっこですごします。そして夜には、屋根から屋根へと渡り歩き、ねぐらをさがすので
       す。(ますむらひろし)」

       7ページ左「[読者の声] ますむらひろし先生の大ファンになりました。とっても魅力的な
       作品ですね。(米原市・Sさん)」

       18ページ右「そういえば、最近ますむら先生も挙動がおかしい!! 顔も猫に似てきた!!」。
       そして下にはお約束の一言だけ。

       うーん、12月号は割と地味な欄外だったのう。しかし! マンガの内容については、文庫版
  などに収録されているものと比較すると、少し違いがあります。

       まず2ページ、理科のテスト問題のコマ。「(6)生活にローラーされた男」という問題文
       の下に、マンガ少年(マ)では(1)という別の問題文があります。しかし、この問題文は何と
  書いてあるのか判読不明です。

       16ページ、上のコマ。文庫版(文)ではトラ丸の後ろの壁には猫の絵と世界地図しかありま
  せんが、(マ)では猫の絵の右に「今月の目標 427校!」と書いた紙が張ってあります。
  それから、こっちを向いているヒデヨシの左の猫が「こら前向け」と言っています。また、
  ヒデヨシの右の猫も「コレコレ」と言ってます。(小さなフキダシがあるのです。)

       18ページ。(文)では「実際には・・・・8年と3カ月かかった」というキャプションですが、
  (マ) ではさらに「人類が絶滅するまでには・・・・・・」という一言が続いていました。
 


「影切り森の銀ハープ」
   マンガ少年 1976年11月号 欄外&差異情報 #3
 

       出ましたっ! 11月号は「影切り森の銀ハープ」ですっ。わおわお〜〜っ!!
       私は毛ダラケヒデヨシの、どアップの表紙でノックアウトされました。さて、欄外情報!

       扉ページ (1ページ目) 上タイトルの上には「★ますむらひろしのファンタジー・ゾーン
  (3)★」そしてタイトルの右下に「===YONEZARD・LAND===」

       3ページ目左「夜、ネコはヨネザアドへと帰って行くのです!? マンガ界のニューブリザー
       ド(新旋風)が描く奇妙なめるへん!!」ぶ、ぶりざあど?・・・

       そして15ページ左の欄外にレアな情報発見!!!っっっ(余韻付き)「ヒデヨシ5つの秘密
       (1)「おれはチビ丸」という作品中にやせた脇役として登場したネコが原形。(2)みにくく太
       ったのは、牛乳をかっぱらい1000cc飲んでから。体重74kg。(3)「ロング・アンド・ワイン
       ディング・ロード」が愛唱歌。(4)かきのタネ、かたつむり、猫正宗が好物。(5)現在独身」

       17ページ左の欄外「今日もまた、ヨネザアドは上天気。きのうの出来事がウソのよ
       う・・・・。ヒデヨシ、酒のみすぎるな!!」。下の欄外「次回は「植物見張り塔」ヒデヨ
       シ、パンツたちの、ヨネザアドを舞台にくりひろげるファンタジー。」

    ところで、「スコラ文庫版アタゴオル(1)」や「アタゴオルは猫の森」と、マンガ少年には
  違いがいくつかあるので対照してその差異情報を紹介します。

    文庫版 [以下、(文)と略記] では、3ページ右下のコマの、「スーッ」という字の右は
       真っ白ですが、マンガ少年 [以下、(マ)と略記] には枠が切ってあって、その中に「俺たち
    は立って歩けるし それに体だってライオンなみなんだ」と書いてあります。

       4ページ目、右の大きなコマの左下、(文)真っ黒ですが (マ)では「この森にある木は
    一本一本が いろいろな星のさまざまな時間につながっている一種のタイムマシンだ 
    チビ丸たちは地球行きの木から出てきた」という文が書いてあります。また左上のコマは
  (文)「やあこんにちわ」に対し、(マ)「やあお帰り」となっています。そして、テンプラの
    頭の上に「てんぷら君↓」、パンツの頭の上にも「ヤニ・パンツ君↓」という登場人物の
    手書き紹介があります。
       その下のコマ、(文)「ようチビ ちょうしは どうだい?」「まあまあだよ」(マ)「トラ丸
    地球のどこへ行って来たんだい」「東京という所だよ」

      (マ)5ページ目右上のコマの上の欄外に手書きで「たくま君↓」「ヒデヨシ↓」次のコマ
       左の猫に「ブチ丸↓」右の猫に「チビ丸↓」。また、(マ)では「てんぷら」「たくま」
       平仮名なのに、(文)では「テンプラ」「タクマ」になっていました。初期には定まっていな
  かった表記が、のちに固まったものと思われます。

       (マ)13ページ二つ目のコマの女の子の左に手書きで「フーコちゃん→」

       15ページ左下のコマ、(文)「いや俺は家にかえるよ」(マ)「いや俺は透葉森に行くよ」

       16ページ上のコマ、(文)「今夜ネズミトランプやるんだけど来ないか?」「いいね今度こそ
       ヒデヨシのいかさまを見やぶってやるぞ」(マ)「透葉森からまた東京に行くのかい」「い
       や1960年のイギリスに行くんだ あの森の木はタイムマシーンだから俺たち地球の猫は夜
       ごといろいろな時代のいろいろな場所に行ったり来たりするんだ」

  かなり大きな違いですね。マンガ少年では、「東京」とか「イギリス」などという現実的
  世界とアタゴオルの直接的つながりを示唆するような文言を使っていますが、これは、
  メディアファクトリー文庫の「アタゴオル(1)」の巻末「アタゴオル記憶」にあるように、
  当初マンガ少年の編集者がアタゴオルと現実世界とのつながりを重視していたためなので
  しょう。しかし、「影切り森の銀ハープ」は記念すべき、アタゴオルのはじまりの作品
  ですから、後に単行本としてまとめるときに、ますむらさんは精神的にもう少し地球より
  遠くにアタゴオルを置きたかったのではないでしょうか。アタゴオルは現実の世界と
  パラレルな世界ではなく、現実の世界が昇華したものです。アタゴオルは、単純なファン
  タジーでも「幻想」でもなく、ましてや「空想」でもなく、心の波や熱が「昇華」した
  世界だと私は思います。

   欄外情報じゃないんですが、みなさん、最後のページのコマの下になんて書いて
   あったか御存じですか?  リンゴが描いてあって「おわり」って書いたその右。
   「Atagowl  9.16  With Ako Nakamura」ですよ〜。ますむらさん独特の字体なので
   判読しにくいんですが、これはちゃあんと文庫版にも消さないで残っています。
   


「夏の終りにやって来た春」
   マンガ少年 1976年10月号 欄外情報 #2
 

       ますむらさんのマンガ少年での第二作は、「夏の終りにやって来た春」でした。私が好き
       なシーンは5ページ目の「森みたいな研究所」の敷地内を歩いているところです。ではさっ
       そく欄外情報の御紹介・・・・

       扉絵のページの上の欄外には「期待の新人、快調に第二作目へ!!」とあり、左の欄外に
       は「異様な光沢を放つ落ちくぼんだ目、顔にはまだらのハンテン ---- 不気味な病の影!!」
       という内容紹介があります。「!!」が多いねぇ。

       4ページ目の左の欄外「<ますむら先生の一日」> P.M 1:00 大家のおばさんに起こされ
       る。P.M 2:00 野田市愛宕駅より東京のブロンズ社へ向かう。(先生は10月頃「青猫島コスモ
       ス紀」という絵本を出されます)  P.M 5:00 野田にもどり、先生のロックバンド「空(くう)に
       溶ける波」の音合わせ。P.M 10:00「マンガ少年」の原稿にとりかかる。今夜も徹夜。」

       8ページ左「<読者の声> ますむらひろし先生の絵に、ただよっている雰囲気がステキ!
       (更埴市・Rさん)」

       12ページ左「<読者の声> 一風変わったますむらひろし先生のファンタジックな味が魅力
       的です。(境港市・Fさん)」

       15ページ(最後のページ)右「根がつながった。人と人との間で真の会話(コミュニケーシ
       ョン)が成り立った。私も花になりたい!!」編集者もけっこう語るんですよ。
       下の欄外「ますむらひろしのファンタジー・ゾーン 次回は 「影切り森の銀ハープ」 
       通行人の影を切ってしまう影切りの森で、影を切られた者は、夜明けの光を浴びた時、水
       晶になってしまう。リンゴ酒で酔ったぼくらは森に入ってしまった・・・・次回モ、奇妙
       ナ世界ヘノイザナイヲ、アナタニオ約束シマス。」

       このカタカナの最後の一言がいいんですよねー。あの頃はホントに次の号が出るのが待ち
  遠しかったなぁ。さあ!  次回から欄外もだんだんおもしろくなってくるゾ!!
       乞う御期待っっっ!
 


「自動販売機」
   マンガ少年 1976年9月号 (創刊号) 欄外情報 #1
 

まず扉絵ページ。タイトルの上に「さあ 新人の季節の到来だ!!」の一言。左には縦書
きで(あたりまえ)、「華麗に咲きほこった巨大な花々!! ぼくらの頭上をおおうのは、なぜ、
なぜだ!!」とあります。

マンガの2ページ目の上に「ますむらひろし 自動販売機 強力新人」。
左に「<ますむら先生にインタビュー>   [生年月日は]  昭和27年10月23日天びん座
[尊敬する人は]  ビートルズのジョンレノン  [趣味は]  猫をいじめること
[三日後に死ぬとしたら]  あわてふためいている内に三日たつ
[10字で好きな事を言って下さい]  僕らのバンド日本一(先生はロックバンドを持っています)」

最後のページの右に「東京に、草や花や、海までもよみがえった。くよくよするな。
こんな中での生活のほうが楽しいぜ!!」
下に「ますむらひろしのファンタジー・ゾーン 次回は 「夏の終りにやって来た春」デス。
不思議ナ花粉ニヨリ、トツゼン人間ノ顔ガ花ニナッタラ? 足ニ 根ガハエテキタラ?
・・・・次回も、奇妙ナ世界ヘノイザナイヲ、アナタニオ約束シマス。」

・・・どーですか? なかなかレアな情報でしょう? フッフッフッフッ。