湯殿山中の寂れた村で即身仏を巡って起こる奇怪な殺人を描いたミステリーです。10年ほど前の横溝作品ブームよもう一度って雰囲気満載のミステリで、山村正夫の原作が下になっています。タイトルの語感の良さ(?)と不気味さ、そして異常に怖く見える予告編のおかげで、未試聴の人でも「とにかく怖そう」なイメージを抱いている人もいると思います。
実際に見ると話の主軸は密室系猟奇殺人なのですが、クライマックスの種明かしを見ると、ぶっちゃけ「それは物理的に無理だろう」とい突っ込みたくなります。登場人物の描写も甘く感情移入が全く出来ないので、誰の主観で筋を追っていいのか分かりづらく、最後に分かる真犯人の動機も殺人まで行き着くほどの動機とは感じられないので、終幕までスッキリしないまま話が終わってしまいました。
短調な劇盤が全体の短調さに拍車をかけているのもマイナスですね。もうちょっと恐怖感を煽るような曲でもいいのではないかと思いました。
話に絡む長重要アイテム(人物?)である即身仏は、なかなかグロく出来ており、はなからそれ目当てで見る人には喜ばれるかもしれませんが、ムダにアップのシーンが長かったりして普通に見ている分には嫌悪感が先に立ち、折角主人公の探偵が語りかけるシーンがあるのに気持ちが引き込まれませんでした。
見終わると、良くも悪くも角川映画という感じなので、好きな人は好きだと思うのですが、横溝作品時代の作品が好きな人や、今の「リング」以降のJホラーの演出やハリウッドの演出過多なサスペンスに慣れてしまった人には面白さを見出すことは出来ないかもしれません。配役も渋いというより地味ですから。
あと、実際の湯殿山というのは即身仏を祭った霊山ですので、この作品の偏ったイメージの作り方は御霊山に失礼なのではないかと思いました。
評価:☆☆