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ウルトラヴァイオレット (2006/米)

 地味ながらカルトな人気を持つSF映画のB級佳作「リベリオン」のカート・ウィマーの新作ということで期待をしていたのですが、見そびれてしまっていたのでPS3購入を期にBlu-ray Disc版を買って見ました。

 軍の機密開発中に発生したウィルスが世界中に広がってしまい、ファージと呼ばれる感染者たちと健常者が戦うという近未来のSFアクションです。アメコミ原作っぽく作られていますが、映画オリジナルだそうです。

 「カート・ウィマーといえばリベリオンだよね、ガン・カタだよね!」と期待しつつ、しかも主演がミラ・ジョヴォヴィッチとくれば、さぞセクシーかつ格好いいアクションを見せてくれるのであろうとワクワクして見た訳ですが・・・いざ見てみるとそうでもない(笑)。

 ミラのアクションは確かに格好よくて綺麗なのですが、ガン・カタのレベルかといわれるとそうでもないんですよね。どこが不満なのか?綺麗に画面を作ろうとし過ぎているのではないかと思います。「リベリオン」に比べれば、CGを駆使して遥かに予算もマンパワーもかかっているであろう事は一見して分かります。しかし、だからこそアクションのワンシーンごとの印象が軽くなっちゃっている印象を受けました。全編通して、どこを切り取っても同じアクション、同じテンポで同じカメラワークで同じ切り口のアクション。はじめの数カットは興奮しましたが、ストーリーの後半に差し掛かってくると既に水戸黄門の印籠登場後の殺陣のような「あってもなくてもどーでもいい」状態に・・・。これ、主演がミラじゃなかったらどうなってたんでしょうね。

 ではストーリーはどうだったか?こちらも微妙ですね。ミラ扮するヴァイオレットは12年前に妊娠中の子供を失っており、それが現在の彼女のドライさの元になっています。しかし、シックスという子供と出会うことにより生まれる心の葛藤を描いているはずなのですが、画面から得られる情報があまりにも少なく本人の台詞も少ないため深い心理背景を抱えている女性を描写しようとしていることは分かっても、その背景を感じ取るには、観客がかなりポジティブに作品世界に介入しようとしなければいけない状態になってます。「世界設定と人物の背景を全部行間で語る駄目小説」といった体たらくですね。そのうえ、キーパーソンとなるシックスという少年を巡る事実も二転三転し、そのたびにヴァイオレットの態度や言動もコロコロ変わるため、行間を読む側もとっても大変です。

 ストーリーはダメダメですが、SF世界を演出するガジェット類はなかなかマニアックなものが多く、画面の雰囲気は「ガタカ」に近いものがあって結構好きですね。「使い捨てプリント式携帯電話」とか欲しくなっちゃいますよ。

 ぶっちゃけ、この映画を一言で言ってしまえば「ミラのPV」です。それ以上でもそれ以下でもありません。逆にミラ好きな人なら必見かも。この監督には次回作にはもっとはっちゃけた作品を撮って欲しいですね。

 追記:プレステのゲーム紹介風に言えば「ヒットしたアクションゲーム「リベリオン」のプログラムエンジンを再利用して、ミラ・ジョヴォヴィッチのモデリングを使用した画期的アクション『SIMPLE2000 ザ・ウルトラヴァイオレット』」って感じでしょうか・・・。

評価:☆☆

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