宇宙戦争 (2005/米)

 H.G.ウェルズの古典SFをスピルバーグがリメイク!主演をトム・クルーズ&ダコタ・ファニングとあっては期待せずにはいられず、SWEP3とどちらが面白いか? という期待を抱いて観に行ったのですが、その期待は微妙に外されてしまいました。

謎の異星人が問答無用に襲い掛かる恐怖というこの映画最大のポイントは素晴らしく良く演出されてます。この辺は流石エンターテイメントの王者というべきでしょうか、「ジョーズ」「ジュラシックパーク」といった過去の名作たちに勝るとも劣らない、いやそれ以上と言ってもいいほどの緊張感とスリリングを与えてくれます、かなり怖いです。演出もさることながら天才子役・ダコタ・ファニング嬢の声が怖く表情が怖い。もしも楳図かずおのコミックが実写映画化されたら間違いなくヒロインは彼女だろうというくらい彼女の演技は鬼気迫るものでした。

しかし、怖いだけ。最初から最後までトム&ダコタはひたすら叫びつつ逃げるだけ。逃げる→ちょっと落ち着く→周囲の人間と揉める→襲撃→逃げるの繰り返しなので後半はだれてきます。

また展開の単調さもさることながら、登場人物の設定が「離婚した一家を巡る家族愛」だったりするので見る側は「またこの設定か」と感じてしまいます。そのうえその設定すら満足に活かされていません。クレーン操作が上手いのであれば、その設定を活かして反撃のひとつもして欲しかったし、あのラストでトムと息子との心の溝が埋まったなんて説明されても納得いきませんよ。

パニックホラーとしての迫力や面白さは唸るものがありますが、ドラマ部分は正直トホホでした。ダコタ・ファニングの演技だけでドラマパートは持っているといっても言い過ぎではないでしょう。

エンドロールまで観終わったあと感じたのは「スピルバーグっぽくない」ということでした。どちらかというとエメリッヒの映画に似ています。「ID4」の宇宙人がタコ型宇宙人に! 「GODZILLA」の巨大イグアナがタコ型宇宙人に!! 「デイ・アフター・トゥモロー」の津波がタコ型宇宙人に!!! それぞれ置き換えてみると・・・そっくり(^-^;)。ドラマ部分がどーでもいい辺りまでそっくりですよ・・・。

そんなわけで、パニックホラーとしてのスピルバーグの演出の技を見たい人は劇場の大画面で観ておくべきでしょう。しかし、それ以上でもそれ以下でもありません。初めからダコタ・ファニング目当てで観に行く人なら、☆を+1出来ると思います。

評価:☆

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