鉄人28号 (2005/日)

 ネットでの前評判が悲惨な事になってたので、戦々恐々として観に行ったのですが、感想としては「思ったより悪くなかった」という感じです。
 「CGがヘボい」「正太郎君の表情アップの半分以上が泣き顔のヘタレっぷり」「ヒロインの蒼井優がヘタ」などといろいろ言われてますが、全部当たってますねえ(笑)。CGはプレステのムービーかと見まごう程の出来で困りましたね確かに。戦っても戦っても倒れても倒れてもツルツルピカピカのままなのがマズイのではないかと。ブラックオックスの腕が合体するシーンやジェットノズルのスラスターが開閉する描写などは格好よく出来ていたので、素直に「予算が足りなかった」だけではないかと思います。
 まあ、元々の横山光輝氏のロボットのデザイン自体が丸みを帯びて凹凸が全くない形状ですから、CGで金属の質感を出すにはよほど手間隙かけないと難しいんじゃなかろうかと素人目に感じました。ハリウッドのCGと違って、邦画の場合は「予算をケチるために」CGを多用している感じがしますよね。CGだからこそCG臭さを隠すために労力が必要なのではないかと思うのですが。

 正太郎君のヘタレっぷりも序盤は呆れますが、年相応の少年の成長物語としては悪くはないのではないかと。主役の池波君の演技は決して悪くはないのですが、原作の正太郎君が「子供なのに頼もしい少年探偵」であったのに対し、今作の正太郎君は本当にただの子供ですから、違和感を感じるのも仕方ないでしょう。

 今作で1番問題があるのは、CGでも正太郎君でもありません。「悪役」です。全くといっていいほど悪役サイドの描写がないので、「何故ブラックオックスが暴れているのか」の説得力がまるでないのです。
 香川照之が白髪のブラックジャックみたいな風貌で頑張ってましたが、ストーリーとしての悪役描写がないので深みが全然無いのですよね。あと、大塚警部や村雨研二も見るべき点が無くがっかりでした。

あ、あとどうしても突っ込んでおきたい一点。「自衛隊は?」・・・。

 個人的に嬉しかったのは薬師丸ひろ子が正太郎君の母親役で出演してたことですね。可愛いだけでしかなかった蒼井優のヒロインよりもずっと存在感がありました。

 まあ、自分としてはそれなりに楽しんで見られた(本音です、こういうノリはキライじゃないので)のですが、鉄人に思い入れのある人は避けたほうが無難です。 薬師丸ひろ子か蒼井優のファンの人は観に行ってもいいんじゃないでしょうか(笑)。

評価:☆☆

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