プライベート・ライアン (1998/米)
| いろいろなところで語りつくされている作品ですが、やはりまず冒頭30分間のオマハビーチの戦闘は何度観ても圧巻ですね。カメラワークと音響の使い方が絶妙(5.1chで聞くとすさまじい迫力です)で、自分が本当にその場にいるかのような錯覚を受けます。 そして本編のストーリーが始まるのですが、実話をモチーフにしているとはいえ「たった一人の二等兵を探し出す」というのはやはりいささか無理があるような気がします。いくら3人の兄弟が死んでいるといっても、そのために8人が投入されるというのはどうにも説得力に欠けますよね。その辺のヒューマニズムに訴える設定が「アメリカ万歳映画」といわれる所以なのですが、そういった事を実際に行った事実は戦勝国としてのアメリカの余裕が感じられるともとれますね。敗戦国サイドの国が実行できる作戦ではないでしょう。 「たった一人の救出のために複数の命が危険にさらされる」ということへのジレンマはレスキュー映画では永遠に解決されない命題なのですよね、パニック物で、飼犬に気をとられて逃げ遅れた老婦人がみんなの足を引っ張るという類のシチュエーションはいろいろな作品で見られるワンシーンですが、それに近いものがありますね。 救出に向かう道中からライアン合流後も、隊員一人一人のキャラクターを仕草や会話で少しずつ掘り下げていくわけですが、印象強かったのは 通訳のアパム伍長でした。一人だけ実戦経験がないので微妙に部隊の中で浮いた存在なのですが、そのせいか一人だけ軍人らしくなく、いち民間人のようであり馬鹿にされているのですが、そんな彼をみんな無意識に気遣っている様子が見て取れるのが印象的でした。 後半のドイツ軍との戦闘シーンも迫力満点です。ジワジワと戦車が近づいてくるシーンはなんともいえない緊迫感がありました。(ちと武装親衛隊が弱すぎる気もしますが・・・) ラストシーンは賛否両論がハッキリしてますね。今作を絶賛する人は「ラストで泣いた」という人が多かった様子ですが、「アメリカ万歳映画」と受け止めてしまった人には不評のようでした。自分としては嫌いではありませんが「シンドラーのリスト」のラストに似ているような気がして気がそれてしまい、素直に感動とはいきませんでしたね。 冒頭とラストの星条旗がなければもう少し巷の評価も変わったと思うのですが…。アメリカ映画なのだから、アメリカ万歳なのはいいと思うのですよ、ただ、あの星条旗はちょっと露骨すぎるというかハリウッドらしいというべきか、もう少し他の演出方法はなかったのでしょうかねえ・・・。 題材が題材なので、楽しい映画というわけにはいきませんが、「いい映画」です。上記のような理由で手放しで褒められない人もいるとは思いますが、一度は観ておくべき作品だと思います。あ、観る時は出来ればサラウンドで。それが無理ならヘッドフォンでの視聴をオススメします。 補足:もし、この映画を気に入っている人で、「史上最大の作戦」を観たことがない人がいるのならば、是非一度観てみることをオススメします。D-DAYこと「ノルマンディ上陸作戦」を取り上げた映画で、連合軍がオマハに上陸する事になった経緯を知ることが出来ますよ。 |
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