ロード・トゥ・パーディション (2002/米)
ギャングものの作品は久々に見ました、個人的には「アンタッチャブル」が好きだったりしますが。 見始めるとやはり、トムハンクスとポールニューマンの2人のやり取りが目に入ります、2人とも演技の巧さはハンパじゃなく格好いいですね。そして、その演技を引き立たせているのが演出とカメラワーク。明るいシーンと暗いシーン、明るい場所と暗い場所の光源を意識した風景の演出はメリハリがあって素晴らしいと思います。 しかし、ストーリー自体はどうかと思います。 「子連れ狼」がモチーフということで、トムハンクス演じる父親と、その息子のやり取り。初めにこの2人の間にあった深い溝が、旅をする6週間で徐々に埋められていく・・・。話の流れはこんな感じなのですが、本当に6週間で埋まる溝だったのかなあ?と思ったのが正直な感想でした。初めて親の仕事を見た長男、しかも初めて見た仕事場で殺人が行われていた・・・。もともと、サリヴァンは息子に自分と同じ道を歩ませたくないから厳格で冷たい父を演じ、息子との間に距離をとっていたわけで、すでに初めから結構深い溝があるのです。そこに追い討ちをかける殺人シーン。息子の不信感は相当なものだと思うのですが・・・。 そして、この父子の関係を大事に、サリヴァンの「よい父親であろう」というイメージを意識しすぎたあまり、劇中でのサリヴァンはあまり汚れていません。見ていて「ああ、こいつはワルなんだなあ」という印章が非常に薄いのです。トムハンクスという役者のイメージもあるのでしょうが、街を牛耳るギャングの右腕ならば相当ひどいこともしているでしょう。その辺りの描写が薄いので無理に上品さを出そうとしているように感じられてしまいました。息子が目撃するのはあのシーンだけでも十分ですが、それ以外にも「普段のサリヴァン」を描いて欲しかったと思います。ギャングとしてのサリヴァンの掘り下げが浅いため、ラストでサリヴァンが殺された時にも衝撃が無いというか、私としては「ギャングなのだから殺されても仕方ない」的な感覚を感じさせて欲しかったのですが、なんとなく「僕のパパがいきなり撃たれて殺されちゃったよ」ってな雰囲気しか感じられませんでした。 王道的なストーリーを美しい画面演出というオブラートに包んで「ギャングものに見せかけて実は親子の愛情物語なのです」という感じに作ってあるのはよいのですが、いかんせんその狙いの割に登場人物一人一人の描写が浅いため、画面の演出だけが印象に残る作品になってしまったのは否めません。 過去に「ミラーズ・クロッシング」などでハードボイルド的な画面演出とギャングものの複雑な人間関係の絶妙なブレンドを見せてくれた作品があるだけに「もう少し作りこめる作品だったのでは?」という感想になってしまいました。 しかし、トムハンクスとポールニューマンの格好よさだけでも見る価値は充分にあると思います。! このレビューではちと辛めに書いていますが、サリヴァン親子の農場での会話や銀行強盗のために車の教えるシーンなど、一つ一つのシーンが絵になっていて微笑ましいです。 |
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