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ニュースの天才 (2003/米)

 アメリカで最も権威があり、大統領専用機内に唯一設置されているニュース情報誌「THE NEW REPUBLIC」誌の記者、スティーブン・グラスの書いた記事のほとんどが捏造だったという事実が明らかになり、全米で話題になりました。その事実を元に作られた映画ですね。

 国内を騒がせた大事件を元に映画を作る手法はアメリカではよくある手法で、最近では「ワールド・トレード・センター」、古い作品だと「クイズ・ショウ」などがありますね。「アポロ13」なども範疇に入ると思いますが、『ノンフィクション』か『ドキュメンタリー』かの分類は難しいところですね。
 この作品は「ジャーナリズムとは何か?」を考えるために自省的な意味合いで作られたような印象を受けました。そのせいか淡々と物語が進むため、全体的に映画としての面白さが欠ける感じがしました。しかし進行自体はサクサクと進むので、間延びや冗長さは感じずに最後まで見ることが出来ました。
 主人公であるスティーブン・グラスを「スター・ウォーズ」新三部作でアナキンを演じたヘイデン・クリステンセンが演じています。自身がありそうで無さそうな24歳の新人ジャーナリストとの不安定な部分は巧く雰囲気が出ていましたね。彼に関わる事になる上司二人も立場の違いがよく現れていていい味を出していました。

 しかし、映画全体としては客観性を重視したせいか、盛り上がりを欠けたままエンドロールまで行ってしまい、ストレスが溜まる終わり方でした。
 彼がどうして捏造をしたのか? 捏造をするようになるまでと当たり前のようにしている時期、事後の心境の変化の心理描写が見たかったな、と思いました。見ていれば、彼の「虚栄心」が原動力であったことは想像がつくんですよね。虚栄心というか、気が小さいのかな?いつも周囲の顔色をうかがい、周りに気に入られようとすることに心を砕いてばかりいる。それが最終的に「記事の中身の真実よりも読後感の面白さ」を追及していってしまったのでしょうね。
 そうした彼の手口を見抜けなかったチェック機構の甘さ、「ジャーナリズムに関する考え方」への問いかけがこの映画のメインテーマなのではないかと思いました。

 見てエンターテイメント的に楽しい作品ではないですが、ノンフィクション系の作品やマスコミを題材にした作品が好きな人なら一度は見ておいてよいのではないでしょうか。まあ、あと「ジャーナリスム宣言」してる新聞社の人とか。100%捏造の記事なんて日本には無いよ、なんて笑い飛ばしてみたいものですね、まったく^^;。

 

評価:☆☆☆

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