ナショナルトレジャー (2004/米)

 ディズニー&ブラッカイマー製作という振れこみだったので見るのを躊躇っていたのですが、見てみれば意外に楽しめました。ただし、「いろいろなことに目をつぶれば」という条件付ですが(^-^;)。

 公開前の印象だと「ブラッカイマー製作のインディジョーンズ」だったのですが、シナリオ的には宣言書を盗み出す前半パートと実際に宝を探すパートに大きく見せ場が分かれていたので、前半はむしろスパイ物の潜入作戦っぽくて結構楽しめました。

 前半と後半で「一粒で2度美味しい」レストランのセットメニューのようなノリでお得感はあるのですが、残念なことにどちらのパートも中途半端な出来ではありましたね。麺類と丼物のセットメニューを頼んだら、出てきたのはどちらもミニ丼だったと(笑)。

 次から次へと謎が掲示され、ニコラス・ケイジ演じる濃い顔の主人公が謎を次々と解いていくのですが、観客が悩む間もなく一瞬で解いてしまいます。観客どころかヒロインのダイアン・クルーガーが口を挟む時間すらありません。そうして「謎が解けた!」と余韻に浸る間もないうちにまた新たな謎が現れます。その連続なので飽きはしませんが見ている側のテンションが上がりきる前に次も舞台に移っちゃうのですね。そのため話全体にメリハリが無く、70%〜80%程度のテンションがず〜っと続くという状態でラストまで行ってしまいます。
 まあ、ブラッカイマーの作品はどれもそういった作りですので、彼の作風が肌に合う人ならば気にならないかと思います。

 冒頭に「目をつぶれば」と書きましたが、目をつぶらないといけない箇所は人物描写、時間軸、謎解き、設定と多岐に渡りますので注意が必要です(笑)。

 人物描写が浅いのは娯楽作ですから仕方ないとも言えますが、いろいろ理論武装して自分の宣言書を盗む行為を正当化するのはいかがなものかと思いました。何言っても盗みでしょ、そのくせ二言目には「刑務所にだけは入りたくない」・・・だったら盗むなよ、と。

 時間軸というのは、あれだけ策略をめぐらし緻密に行動している主人公と後追いで大雑把に見える悪役チームがたびたびバッタリ出くわすことです。これなら悪役グループの方が効率いいんじゃない?と思いました。

 謎解き・・・2:22の時計の影は季節は関係ないのでしょうか?夏と冬では同時刻でも影の長さは結構違うと思います。

 設定・・・フリーメーソンって、定義はいろいろあるけれど基本的には「宗教色を廃した政治活動団体」だったと思いますが、この作品でのフリーメーソンはまるで数十年前のスパイ小説に出てきた秘密結社のごとき扱いですねー。日本ではフリーメーソンの明確なイメージってあまり無いので分りづらいですが、海外ではどういうふうに受け止められたのでしょうか?

とまあ、いろいろ書きましたが「見ている間は普通に楽しめる」ブラッカイマーらしい娯楽作になってます。コアな映画ファンには受けが悪いブラッカイマーですが、今作は誰が見ても楽しめるんじゃないですかね。観ようか迷っている人はとりあえず観ておいてもいいんじゃないでしょうか?

評価:☆☆☆

[BACK]