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ランド・オブ・ザ・デッド (2005/米)

ホラー映画界の巨匠、ジョージ・A・ロメロが20数数年ぶりに放つ新作です。「ナイト・オブ・ザ・リ ビングデッド」「ドーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ)」「デイ・オブ・ザ・デッド(死霊のえじき)」に続くリビングデッドサーガの4作目になります。 前作からの流れで、地上は生ける屍で埋め尽くされ、残った人間たちはにフェンスを建て半要塞化した街で生活しています。街の中は安全ですが、食料や消耗品を得るため武装した傭兵たちがゾンビに占拠された街に装甲車で乗り込みゾンビを蹴散らして物資を調達します。傭兵たちに守られた街は権力者と貧困者の層に分かれつつもゾンビの影におびえながら生活しています。

のっけから傭兵たちのアクションシーンから始まり、いきなりグロいシーンを遠慮なく見せ付けてくれます。他のゾンビ映画では序盤は少しずつゾンビが増えていく過程が描かれますが、この作品は既に世界観が構築されているのでそういった説明が不要なのですね。過去の作品を未見の人は「とりあえずゾンビがワラワラいる世界」と認識しておけば問題ないと思います。

で、このアクションシーンが派手ですね。ゾンビは基本的に素早くないので重火器で武装した傭兵たちは情け容赦なくガンガンとゾンビをぶち倒してくれます。ゾンビは人間じゃないから、やらなければこちらがやられるからと理論武装で開き直った人間は手が付けられませんね。どっちが残酷なんだか・・・と思わせる描写でした。

それでも徐々にゾンビの進攻が始まりますが、今回のゾンビは頭が良く少しずつ学習していきます。「死霊のえじき」でそういった実験をしていた事を思い出しました。ロメロが描くゾンビは何か自分たちが思い描くゾンビとは描き方が違う印象がありますね。生きた死体ではありますが、それだけではない人知を超えた「別の生き物」というか「別の人類になろうとしている生き物」 といった視点で見せようとしているかのように感じました。

ゾンビは気持ち悪くひたすらグロく画面を動き回りますが、「邪悪さ」はあまり感じられず、むしろ一番邪悪なのは人間なのではないか?そういった監督の哲学めいた部分はシリーズを通して見られますが、今作も類に漏れず疑心暗鬼にまみれ欲におぼれた人間が沢山登場していました。その頂点にいる悪役が怪優デニス・ホッパーというキャスティングの絶妙さは流石です。そういえば、ヒロインの女性は監督の相棒であるダリオ・アルジェントの娘だそうです。

近年製作された「バイオハザード」「28日後」「ドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク版)」で初めてゾンビ映画に触れた人はこの映画の「凶悪モンスターではない」ゾンビの描き方に戸惑うかもしれません。しかし、この作品のゾンビたちが正真正銘ホラー映画界の頂点に君臨するゾンビの姿なのです。興味のある方は過去の3作も見ることをオススメします。

評価:☆☆☆☆

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