キングアーサー(2004/米)
ジェリー・ブラッカイマー関連作品ということでやや不安を持ちつつも、題材があのアーサー王伝説ということで観に行きました。
アーサー王伝説は学生の時に読んだきりですが、その時に印象に残ったグウィネヴィアとランスロットの不倫や円卓の騎士による聖杯の探索、
トリスタンとイゾルテの悲劇などといったエピソードが全くないのには困りました。
石に刺さった剣を抜くシーンすら数分だったし・・・。
「トロイ」のラストでトロイの木馬が出てこなかったらみんな怒るでしょう? それくらいベースとなった伝説から外れているのではないかと思います。
では、原作を無視してブラッカイマーらしい娯楽作になっているかというとそうでもなく、
冒頭から数十分は退屈な背景説明が進み、その後はヒロインの画面的な映えに頼った話運びという感じでした。
一人一人のキャラクターに存在感がないというのが問題なのかもしれません。
まずアーサーの影が薄い(笑)。
ランスロットを初めとする円卓の騎士の面々も今ひとつ描き込が浅く、死んでも感情移入しづらいのが問題でした・・・。
一人一人の演技は巧かったのがせめてもの救いですが、
アーサーを導くはずのマーリンもただの他部族の長老扱いだし。
本当にこのスタッフはアーサー王伝説を読んだのか? と問い詰めたくなりますね。
イギリスの人はこの作品で満足なのでしょうか?
俺だったら東宝の「ヤマトタケル」に巨大ロボットが出てきた時くらい怒ると思いますが・・・。
しかしまあ、この映画が目指した物自体は漠然と感じられるのですよ。
アーサー王の伝説は史実とフィクションがかなり入り乱れた形で世に伝わっています。
ランスロットの話や聖杯の話は伝説、ローマやサクソンと戦いイングランドの王となるまでの過程を史実として
その史実の部分だけを突き詰めて映画にした・・・そう受け止められることも出来ます。
とはいえ、「では史実に忠実なのか?」と聞かれれば
「いえさっぱり」と答えるしかないでしょう(^-^;)。
近年の研究で、ブリテンに派遣されたサルマート人の騎兵部隊の隊長がアルトリウスという名前で、
彼が優秀な働きをしたことが記録で残っており、それがアーサー王伝説の起源になっている。
そんな説が出てきているそうです。
今回はこの説を映像化するという一点で精一杯だったという感じでした。
そんな訳で、アーサー王伝説を扱った作品としては切り口は面白い、しかし作品としては・・・、そんな作品でした。
それでも合戦シーンは迫力満点だし、キーラ・ナイトレイ扮するヒロインも格好よく、
劇場の大スクリーンの迫力を堪能できる作品ではあります。
参考までにアーサー王関係の映画の紹介を
「エクスカリバー」
「キャメロット」
「王様の剣」
「エクスカリバー 聖剣伝説 」
「モンティ・パイソン・ホーリーグレイル」
「燃えろアーサー・白馬の王子」
下の2本は冗談です(笑)。
「エクスカリバー」だけ見ておけばよいかと。
評価:☆☆