ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004/米)


シリーズ3作目となった今作は監督が交代しての公開になりました。

基本的には前2作の雰囲気を踏襲していますが、ややパワーダウンした印象は否めませんでした。

ストーリーの大まかな流れが前作と同じで

嫌な家族→鉄道→新学期の生活→トラブル発生

という進行なので見る側にも飽きが来るのでは?

成長したハリーやハーマイオニーの様子を見ているだけでも確かに楽しいのですが、もう一捻り欲しかったです。

原作は未読なのですが、もしかしたら原作も毎巻この流れなのでしょうかね?

ヒポグリフなどのエピソード一つ一つは見ていて楽しめるのですが、

どうしてもブツ切りの繋ぎ合わせ感を受けてしまうのが残念でした。

画面全体の雰囲気は今までより若干暗めにしてあるらしく好き嫌いが出そうです。

音楽はジョン・ウィリアムズらしさが良い意味で「無い」のが良かったですね。

ジョン・ウィリアムズが音楽を手がけるとメインタイトルのアレンジをこれでもかこれでもかと繰り返しリピートする印象があるのですが、

今回はさほど自己主張が無く、それでいて自然に場面に溶け込んだ劇盤になっていました。



原作ファンの方の評価は違ってくるのかもしれませんが、前2作に比べてまとまりの無い作品になってしまった気がします。

「ピースは揃っているけれど、糊付がイマイチでグラグラしているジグソーパズル」のような映画でした。


役者は個性的で魅力的なので勿体無い作品になってしまいました。

役者といえば、エマ・ワトソン演じるハーマイオニーが今回も可愛かったです。

前作で石化されたためにほとんど出番がなかった鬱憤を近作で晴らそうとでも言わんばかりの大活躍でした。

でも、私服姿だったんですよね・・・、制服で暴れて欲しかったなあ・・・(^-^;)。


あと、余談ですが、このシリーズは1作目から賛否がはっきり分かれている作品でもありますね。

その理由は「ハリーがちやほやされすぎている点」が強いようです。

ボグワーツでのハリーは持って生まれた才能を持って人気もあり、ピンチも1人で乗り越えてしまいます。

そのために「苦労知らずで葛藤したりするシーンが無いので感情移入できない」とか「結局自分で解決しちゃうので友達の存在価値が薄い」

などといわれているのをネットで見かけることもあります。

そういった意見も分からないではないですが、1作目を初めて観た時の俺の第一印象は

「男の子のためのシンデレラストーリー」だったのです。

仮の家族の下で全人格を否定されていたハリーが英雄扱いでボグワーツに迎え入れられる・・・。

彼の「普通の少年らしい悩みや葛藤」は既に彼の叔父の家で十二分に味合わされているだろうから、

ボグワーツにまでその悩みを持ち込む必要は無いと思うのですよ。

しかし、完全無欠の彼が1人で全ての事件を解決してはやっぱり面白みに欠ける。

だから彼の代わりに胸中に「悩み事」を持って読者と気持ちを共有する存在が必要になります。

それがハーマイオニーとロンだと思うのです。つまりあの3人は3人いて初めて「物語の主人公」なのではないかと思います。


「原作も読んでいないのに知ったような口を利くな」なんて叱られそうな文になってしまいましたがご容赦を・・・(^-^;)。


評価:☆☆☆