アタック・ナンバー・ハーフ (2000/タイ)

 メンバーのほとんどがゲイというタイの男子バレーボールチームが大活躍したという実話を元に製作されたスポ魂コメディです。
 奇妙なシチュエーションですが、ストーリー展開はごく普通のスポーツドラマなので、素直に楽しめました。 ただのスポーツドラマではなく、オカマであるメンバー達の葛藤や悩みが深く描かれているのですが、それをコミカルに描くことで深刻さを打ち消しているのですね。男女差別や同性愛の考え方は国それぞれによって違いますし、主人公達もそれぞれに悩みを持っているのですが、オカマであることを隠すわけではなく、街で普通に生活している描写が驚きました。もちろん笑われたり物を売ってもらえなかったりするシーンもあるのですが、普通にバスに乗り、店頭で売り子をしたりしているのですね。タイの人たちは大らかなのかな?などと考えつつ鑑賞してました。

 スポ魂としてもそこそこの出来だとは思うのですが、気になったのはその肝心な「オカマの描写」。コミカルさを演出するために、必要以上に仕草をオーバーにしているのでしょうが、あまりにも漫画にでも出てくるようなステレオタイプのオカマの描写が気になりました。それぞれのキャラクターのオカマっぷりは見る側も慣れてくるのでさほど気にならないのですが、序盤の出だしのテンポが非常に悪く、メンバーの心がまとまる時期までのオカマ描写が画面に馴染んでいない印象を受けました(見る側が全然違和感を抱かないってのもそれはそれで見る側に問題があるような気もしますが(^-^;))。
 そしてそのオカマ描写のせいで、彼らの「バレーが大好き」という側面にも影を落としちゃってるんですよね。試合中に化粧とか爪で大騒ぎするなんて実際はありえないでしょう。スポーツをする者ならスポーツをしやすくするため、なにより安全面の意味でも動きやすい格好をするはずで、その意識に男女差なんてないはずです。彼らは大学からバレーをしてきた設定なのだから、そんなことに気が回らないはずがありません。 その後のチームの団結へとつなげるための演出とはいえ、そのあたりの描写はどうかと思いました。

 決勝戦での盛り上がりは見ていて気分がスカッとして楽しかったですし、メンバーのその後や本物(実際の)のメンバーの映像が見られたり、エンドロールまできっちり楽しめる作品だと思いました。 序盤の30分のタルささえなければもっと人気が出たかもしれませんねー。

評価:☆☆☆

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