アップルシード (2004/日)


原作は、ここ10年近く読んでいないのですが、頭の中の記憶を掘り起こしつつ見てみました。

背景はもとよりキャラクターもトゥーンレンダリングでフルCG化された画面は、予想以上に違和感なく自分の目に飛び込んできました。

デュナンの顔とか、結構いい線行ってると思うのですが、巷では評価が分かれていますねー。ヒロインだし仕方ないのかも。

俺としてはヒトミをもう少し原作よりにしてほしかったなあ・・・。


ストーリーは、かなり噛み砕いた説明が序盤になされていて俺としては有難かったのですが、ちょっとそのせいで序盤がだれてしまった気もします。

世界背景とか、原作とは結構違うのですが、元の設定がかなり混沌としていたので世界情勢などを考えると妥当で無難な設定かな。


話の筋も妥協しているらしき点は多々見られますが、二時間の枠に収める事を考えれば分かりやすくて良かったと思います。


特に研究所の立体映像のシーンなんて良かったなあ。


特筆すべきはやはりCG全開の(フルCG映画だから当たり前か)戦闘シーンでしょう。

ギュゲス(パワードスーツね)が設定通りにガシャガシャとギミック通りに動き回り、多脚砲台が巨大な図体をオリュンポスに向けて突き進んでくる様はまさに圧巻。

ちなみに、特筆すべきは「CGが凄い」ことではないのです(凄いCGってのは経年で見慣れてすぐ陳腐化する)。

CGを使いつつ、あれだけカメラワークや演出を駆使して見せた事が「凄い」のです。

タランティーノやウォシャワスキー兄弟が憧憬の念を抱く「日本アニメ的な演出」をしっかりとCGでやって見せた事に意義があるわけです。


ハリウッドは実写で不可能な部分をCGにしています、悪くいえば安易にCGに逃げている、「イノセンス」は2Dと3Dの融合といえば聞こえはいいですが、ハリウッドの実写の部分を2Dにしているわけで、全て3DCG化に挑んだ今作とは方向性そのものが違うわけです(どちらが正しいとかの問題ではなく)。

生粋のシロマサファンの方でも、このシーンにイチャモンはつけられないでしょう、きっと。


まあ、あえて苦言を呈するとすると、ストーリーの重要な要素がデュナンに集まりすぎていると感じました。

登場人物を減らすための策なのでしょうが、もう少しキャラクターに広がりを持たせて欲しかったなあ・・・。


原作ファンの人はいろいろ言いたいことがあると思います。

しかし!原作は残念ながら「未完の物語」。

作品としての「クオリティ」は高い作品でしたが、「完成度」は0%なんですよね・・・。

俺としてはもう原作に見切りを付けて、「映像作品としての新しいアップルシード」として展開させていって欲しいですね。
☆☆☆☆