青春18きっぷ

福井おろしそばの旅

2001年3月20日(日)



 18きっぷの旅第2弾は、永年の夢であった「福井おろそしば」を食べに行くのでありました。思えば、「おろしそば」は福井というここから割りと近いところということで、「そのうちいけるであろう・・・」てなことで、後回しになっていたのでありました。

 そんなわけで、今回も友人「M氏」とともに、北陸路の入り口を旅してきたのでありました。


 その一 紀勢本線・関西本線

 今回もやはり紀勢本線亀山行き1番列車で旅行が始まります。津駅5:47発のワンマン列車で亀山へ向かいます。前回の尾道行きとは違い、朝からすっきりと晴れております。そんなわけで、眠い目をこすりつつ6:05分定時に亀山駅に到着したのでした。

 今回は、時間的余裕がありますので、遠回りになりますが名古屋経由で北陸路の入り口「米原」を目指します。と、いうことで6:15発名古屋行きに乗り込みます。列車は何系なのか良く知りませんが、比較的新しい電車でした。この前(といっても10年以上前)乗ったときはは各地で使い古されたボックスシートの電車だったんですけどねぇ・・・ やはり、一部区間で競合している近鉄には負けられないのでしょうか???

そんなわけで、旅行気分とはほど遠いものの、毎日使われる乗客には好評らしい新しい電車で名古屋に向かいます。四日市あたりまではガラガラな車内でしたが、四日市を過ぎると一変します。各駅各駅から結構乗客が乗ってまいります。やはり、「特定区間運賃」がものをいっているのでしょうか??? 結構な乗客を乗せ、列車は定刻の7:21分よりチョット遅れて名古屋駅に到着したのでした。


 その二 東海道本線

 名古屋駅のホームでうどん(なぜかきしめんではなかった)を朝食代わりに食し、7:38発の大垣行き特別快速に乗り込みます。車内は、ハイキングにいかれるであろう方々が多数乗車しておりました。とこかでハイキング大会でもあるようです。今日は天気も良く、ぽかぽか陽気なので歩いていても気持ちのよいことでしょう。

さて、列車のほうはとにかく爆走します。関西地区の「新快速」という列車も結構速いのですが、こちらの「特別快速」の方が実は速いらしいです。正直、チョット怖いくらいのスピードでした。大垣に8:09に到着し、8:15発の米原行きに乗り換えます。こちらは先程とは違い、安心できる(笑)スピードで各駅に止まっていきます。ただ、残念なことに進行方向左側に座ったため伊吹山は見ることが出来ませんでした。まぁ、車内でぽかぽか陽気で気分良く寝ていたので右側でも見ていなかったかも・・・  

やがて列車は一昔前ならば機関車がごろごろしていたであろう米原駅に8:48に到着したのでした。


 その三 長浜を歩いてみる

 以前はもっと大きな駅に思えた米原駅。なぜか今回はチョットそんな気分にはなれませんでした。何か、活気がなくなったというか・・・ そんな感じがしました。それでも、長いホームと駅弁屋、SL時代の名残がホームの洗面所がなんとなく旅行気分にさせてくれます。

 ここから北陸線に乗り換え、最初の目的地「長浜」を目指します。9:07発の列車は昔の「寝台電車」を大改造した電車でした。そんなわけで、入り口のドアは「折戸」式、車内のボックスシートは特急時代のままなのか、かなり広いです。また、天井も異様に高いです。ただ、立ってでの乗車はつらいです。特急時代の窓の高さのままなので、容易に外を見ることができないんですねぇ・・・ 

 そんなわけで、不思議な改造電車に揺られ、9:16分に長浜に到着したのでした。長浜での滞在時間は、次に乗る11:06発の福井行きまでの間の1時間50分ほど。相変わらずの「より旅」です。さて、駅前に降り立った我々は、まず「長浜地ビール工場」を目指します。工場には駅から歩いて5分ほどで到着したのですが、さすがに9時30分では開いておりませんでした。で、近くにある「長浜鉄道資料館」を見学することとしました。ここは、「旧長浜駅舎」を移築し内部を資料館として開放しておりました。明治時代のこの駅舎、待合室まで「1等・2等」区別がしてありました。

 

長浜鉄道資料館」を後にし、次に向かうは「黒壁スクエア」 長浜が結構な観光地点になった中核的な一帯であります。こちらも駅から5分ほどで到着というなかなかの便利のよさです。丁度店の開き始める時間でして、「ガラスの小物」などの店を見て回ります。

この一帯、実は最近になって作られた町並み(伊勢のおかげ横丁みたいな感じかな?)であるにもかかわらず、あまりそういう雰囲気がしないのであります。何といいますか、よい意味で「こじんまり」とまとまっている感じがいたしました。

そんなわけでそのこじんまりした町並みの奥手に位置します「BIWAKO長浜オルゴール堂」に入ってみます。淡い光に照らされた店内にはさまざまな「オルゴール」がお値打ちなものからビックリ価格のものまでいろいろと陳列されておりました。ためしにひとつ回してみますと心地よい音色を聞かせてくれます。そんなわけで旅の序盤にもかかわらず数点のオルゴールを購入。

続いて「黒壁スクエア」の中心的建物でもあります「黒壁ガラス館」へ向かいます。明治時代の銀行を改装しているガラス館、館内は実用的なガラスコップから海外輸入物の高価なカラス製品までこちらも多種に渡り販売されておりました。M氏は「ガラスの丼」なんぞを探しておりましたが、さすがにそれはありませんでした。そんなわけで、ここでは「泡立ちがとてもよいビールグラス」を購入。ちなみに、後日このビールグラスでビールを飲んでみましたが、確かに泡が細かくなっておりました。なんでも、グラス内側の微妙な凹凸が泡立ちを細かくかつきれいにしてくれるそうです。

その後、「黒壁スクエア」の中を通る「北国街道」沿いの「小牧かまぼこ」にて揚げたての「焼きそば棒」を食します。おかげ横丁でよく売っている「チーズ棒」の中身が「焼きそば」に変ったこの代物、なかなかおいしいのでございます。もービールのつまみにぴったりって感じです。そんなわけで個人的に長浜名物にしちゃいます。

 

 


 その四 北陸本線

 

 長浜市内散策を終え、本日の目的地である福井へ向かうために長浜11:06発の福井行きに乗り込みます。この列車も寝台電車を改造した電車でした。ただ、朝乗ってきた列車違うのは電車の運転席がある部分。あとから急遽取り付けた運転席らしく、四角い運転席部分です。さらに車体の色が白いこともあって、「食パン電車」なんて呼ばれているようです。

 長浜始発のため、広々としたBOXシートを確保しのんびりと出発した列車。次の駅「虎姫」までの間で、電気の種類を「直流」から「交流」に変えるために「デットセクション」なる電気がぜんぜん通っていない区間を「惰性」で走行するのですが、その区間の直前、突然けたたましい汽笛とともに、「パシュー」という空気の抜ける音。どうもおじいさんが電車に気づかずに線路を横断していたらしいです。幸いおじいさんは列車通過前に線路を渡りきった模様ですが、問題なのは今乗っている電車。「デットセクション」内は電気が通っていないので、加速は出来ない。最悪、その区間で止まってしまったら自力走行は不可能になってしまう。先程の直前横断でかなりスピードを落とした電車が無事に通過できるのだろうか・・・と思っていたら、どうにかこうにか通過した模様。ほっと一安心。

 その後は何事もなく列車は余呉湖の横を通過し、新疋田の鉄道ファンの三脚の列を横目にしつつ敦賀に11:48に到着。ここで、特急列車の通過待ちで19分ほど停車します。最近の普通列車では珍しいこの長時間停車。さらにホームには売店が・・・ そんなわけでこの停車時間を利用して、ビール・おつまみ・お弁当を買い込み食します。ほかのお客さんも似たような感じで、お弁当買う人、ホームで一服する人などなど、何か昔の旅気分って感じにさせてくれます。

  

 

 なかなか有意義な停車時間のあと、再び列車は福井を目指して走り始めます。長大な「北陸トンネル」を抜けるとなんと雪が残っておりました。車内からも「おおっ」てな声があがります。規模は小さいながらも「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった」を体験し、チョット感動者でございました。 しかし、それもつかの間で山間部から平地に降りるにしたがって景色はまた「春」の景色に変ってきました。

 列車はその後、武生付近から徐々に乗客も増え始め、福井到着時には結構な立ち客でありました。


 その五 福井市内

 

 12:57に福井駅に到着した我々は、早速駅前周辺をそば屋を探し探索します。が、駅前左手にはアーケードがあるものの、そば屋はない。

 あとは、駅右側にある県庁周辺を探索。県庁→職員多数→お昼ごはん(?)→出前→そば屋というつながりで周辺を探しますが、こちらもそれらしきお店はない。結局駅ビルの2階にあるそば屋で念願の「おろしそば」を食す。こちらのおろしそばは、やや平べったい皿の上に、すでに「だいこんおろし」と「かつおぶし」がすでに乗せられており、さらに「おつゆ」もすでにかかっておりました。予備知識としてもっていたものとは少し違いましたが、味は抜群です。といいましても、こちらも前回の尾道同様他店のものを食べておりませんのでなんともいえませんが・・・

 しかし、ここで私は重大なミスを犯してしまっていたんですねぇ・・・ なんとあまりの空腹でしたので「おろしそば」の写真とってくるの忘れたのですねぇ・・・ うまいうまいといいながら食べている途中で気づいてしまっても後の祭り。 写真は撮り損ねましたが、あのだいこんおろしとかつおぶしをつゆにからめて食べるあのそばの味は結構さっぱりしていてやみつきになりそうです。暑い夏の日の昼食になんて食べたらかなりうまいだろうなぁ・・・

 


 その六 敦賀市内

 

 本来の予定ならば、もう暫く福井で滞在する予定だったのですが、駅前は結構会社のビルが多く、駅周辺では見て回れそうなところが無かったので、14:05発の長浜行きに乗り福井を後にします。福井おろしそばの旅にもかかわらず、福井滞在時間1時間ちょっというなんとも良くわからない旅になりました。しかし、このまま帰ってしまっても時間がたっぷり余ってしまいますので、福井-長浜間での大きな街の「敦賀」で降りてみることにしました。14:55に敦賀に到着した我々は、早速駅前に出てみる。割と大きい駅前にもかかわらず通行人はまばらです。どうも駅と街の中心地とは若干離れているようです。そんなわけで、街の中心地へと商店街みたいな所を歩いていると・・・

 

 はい、興味のある方ならご存知でしょう。「松本零士」さん原作の「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」のオブジェがずらーっと商店街の両側に点在しているのです。ファンの方ならばこのオブジェの存在は結構有名らしく、ほかの観光客の方々もあちこちのオブジェの前で写真を撮ったりしておりました。実はM氏も「松本零士」さんファンで結局、商店街の両側にあるオブジェすべてを写真に収めてきたのでした。しかも、各オブジェ前では詳しい解説までしていただきました。さすがですなぁ・・・

 そんなわけで、比較的のんびりと商店街散策をし、16:54発の長浜行きに乗り込み意外な収穫の敦賀を後にしたのでした。


 その七 帰路

 

 敦賀を後にした我々は、沈む夕日を見ながら17:36に長浜に到着。すぐ横のホームに停車中の17:43発の播州赤穂行き新快速に乗車します。帰りは草津線経由で帰りますので、米原から東海道本線を快走し草津には18:26着。ここで18:39発の柘植行きに乗り換え。車両はふた昔前、新快速に使われていた「117系」という電車。さすがに今の新快速と比べるとかなりくたびれた感じがします。でも、旅するにはチョット年季が入った車両のほうが何かいい感じですねぇ・・・ 出発する時にチョット動いてガタンとなる昔の「国鉄電車」独特の出発の仕方。ふだん乗る時には嫌なショックですが、今日はそれさえも気持ちいいです。そんな「ガタン・ガクン」を各駅で繰り返しつつ、柘植に19:27着。すでに19:30発の亀山行きは停車しており、そそくさと乗車。ここからは接続良く19:54亀山着。19:59発の鳥羽行きに乗り込み、津には20:16に戻ってまいりました。

 比較的距離は近いのですが、なかなか訪れることがなかった北陸路。近年では大阪から乗り換えなしで行くことが出来る長浜、めぼしい観光地ではないにしても、商店街の団結ぶりが見受けられた敦賀、今回は本当に表面だけ見てきた感がする福井と駆け足の旅行でしたが、滞在時間の割には、面白いもの見られたかなぁ・・・と思ったのでありました。

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