臭う人


10時の開店コールが鳴りお客さんが店に入って来ました。
ちょうど俺は電動工具の売り場にいました。
「おい、兄ちゃん」
と呼ばれたので振り返るとなんだか臭う。
お客さんの顔を見てその正体判明。

酒だ。

夕方に酒臭いお客さんは結構出会うが
開店と同時に酒臭いお客さんに出会ったのは初めてだ。
なに朝っぱらから飲んどんのや!
と軽く飽きれた。

「どのようなご用件でしょうか?」
といつもの決まり文句を言うと

「兄ちゃん、酒どこにあんの?」

いかん!やばいぞ!
一刻も早くこの空域から離脱しなければ!!

「申し訳ございませんが、うちは酒は取り扱ってません」
「なに!おまえんとこなんでも売っとんのとちゃうんか!」

隊長!敵はかなり強敵であります。
自分は撤退します。

「うちはホームセンターなんですが」
「なんか知らんけど、他のところでは売っとたで!」

それは別の会社じゃあああ!!
隊長!自分はもう我慢できません!!
突撃を敢行します!

「申し訳ないのですが酒はないです!」
と言いつつ相手の目をジッと見ました。
お客さんも俺の目をジッと見てきました。
俺の頭の中のレフリーがこう叫びました。

「がんたれバトルゥ〜 レディ〜 ゴゥ〜!!」

相手はかなり足にきているぞ!
止まった時がチャンスだ!
そして、俺のセコンドがこう叫ぶ。
「おまえの言っていることは絶対正しい!正義は我にあり!!」
そう思うと不思議と力が沸いてきた。
地球のみんな〜オラに力を分けてくれえ〜

「そ、そうか・・・・」
敵轟沈!!

よっしゃ!俺の勝ちや!!
心地よい勝利の美酒に酔いながら仕事に復帰しました。