コンパネ


店が閉店時間になったので倉庫のシャッターを閉めようとした時
「すいませ〜ん」
と何故か軽トラに乗った人に呼びとめられた。
む〜閉店時間間際に呼ばれるとはついてないぜと思いながら
愛想良く返事をしてやったところ
「そこにあるコンパネを取に来ました〜」
ふと、横を見るとコンパネが俺の身長ぐらいに山済みされていた。
まさか1度に運ぼうとはしてないだろうと思いながら
「これ、全部乗せるんですか?」
「うん」
おいおい嘘だろ、絶対無理だってばと思っていると
その人は軽トラを倉庫に横ずけし始めた。

どうやら奴は本気らしい。

「兄ちゃん!リフトで乗せてくれや」
奴はこのコンパネの山を見てなんとも思わないのか!
俺はこのコンパネの山から「重」という文字が頭に強制的に入ってくるというのに。
やめとけ!あんた絶対死ぬって!!止めなければと思い
「お客さん、これ全部は無理ですよ、重すぎますよ」
と忠告をしたところ

「大丈夫この軽トラなら1トンまでならいける」

それなら安心ですね
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
いけるかああああああ〜!!
軽く1トンなんて言葉つかうなああ!!
おまえ1トンってどんな重さかわかってんのかあああ!!
おまえが乗ってきた獲物より重いんやぞ!!
どういう経緯があったかは知らんが、この人は絶対間違っていると断言できよう!

しかし結局乗せるはめになってしまった。
知らんぞどうなってもと思いながら軽トラにコンパネを少し乗せたところ
すでに軽トラのサスペンションが沈みきってしまった。
「お客さん、やっぱり無理ですね」
これで奴も諦めるだろう
「いや、大丈夫やろ」
おのれのどこにそんな自信があるんや!!
おまえは勇者の末裔か!!

次第にサスペンションから「ギーギー」という快音が鳴り始めて
奴は事の重大さに気づいた。
「無理やな〜」
「そうですよ」
「何があかんかったのやろか?」
何がって言うか根底からあかんと思うが
「おかしいなあ〜前はいけたんやけどな〜」
前やったんかい!!

結局、3回に分けて運ぶ事になった。
「兄ちゃん、ありがと!!」
「いえいえ、ありがとうございます!!」
と見送っていると何やらタイヤから何かが落ちた。

ホイールカバーだった。

これは重すぎてタイヤが歪んで落ちたのではないかと思ったが
軽トラははるか彼方に行ってしまった。

おっちゃん、事故にはきいつけや〜
さあ、明日の朝刊が楽しみだ。