ドクター高橋の追っかけリーチ センター数学対策十本勝負観戦記 11月25日 午後4時に塾に到着。今日の問題のコピーを始める。代ゼミの2001年第3回である。一発目は重たい計算の多い問題で、己の実力を思い知りドーンと落ち込んで欲しいところだ。高3の第3回河合塾マーク模試の結果は昨日見た。数学は軒並み50点台。自信喪失のところに追い討ちをかけることにした。5時前に高3はほぼ集合。佑輔が来ていない。大輔がぼそっと言った。「菊山に負けたらどうしよう。」 予定通り5時に開始。見て回るとオレの存在が気になるらしい。えんぴつが止まる。5時20分、菊山登場。オレは40分で解き終わり、講師の貫禄を見せつつ3階へコーヒーを飲みに行くことにした。 今日見るべき事、第1問の2次関数で頂点のX座標によって3つに場合分けできるかどうか、確率で期待値の計算方法が抜け落ちていないか、第2問の三角比で外接円の半径が問われたら正弦定理、内接円の半径が問われたら1/2r(a+b+c)をつかえるか、第3問の数列でn=31、32が素直に代入できて計算を始められたか、それから、時間内に終わらせることができたか、である。 橋本は見直しに入っていた。6時5分前。全員時間内に終わった。卓、健太、あすか、大輔、花衣は第3問の数列に不等式が混じっていることでそれの処理ができずに点を落とした。橋本が100点と一人気を吐いたが、卓、健太、花衣は77点の菊山に並ばれた。あすか54点、大輔54点。計算ミスはなかった。彼女らの敗因が知りたい。 11時に塚崎が登場。菊山と直嗣の数学をみた後だ。隣で佳子が答えあわせを終えていた。53点。今日の得点表を見せた。「目標の点数が取れているのは橋本だけですか・・・。」頭をバットで殴られた思い。それだ。彼らには90点が必要だった。オレは卓77点、健太77点、花衣79点はまあまあだと思っていた。俺に見えていないものが塚崎には見える。彼が来ているときは良く相談しよう。 2時にあすかを送る。車の中での会話。「今日は何で50点だったん?」「解いてて、できなくて、残りの時間をみて、こんなところで時間かかってたらどうしようと思うと、頭が真っ白になってしまって・・・。」プレッシャーか。本当にそれだけだろうか。対処法はとりあえずセンター形式の問題になれることだ。
11月26日 今日も4時に登場。3階に功樹がいた。塾頭と話をしているようだった。イスに座って下を向いてボソボソと、何をしゃべってるのか分からん。塾頭は功樹をオレに押し付け何処かに行ってしまった。 功樹の悩み。なるべく彼にしゃべらそう。今日、総合診療部のテストのために勉強したopen-ended question、促進、確認が有効なようだった。 「大学に行きたい気持ちと行かなくてもいいという気持ちと両方ある。どちらかというと大学に行きたいほうが強い。大学に行こうと思って頑張って勉強しようと思っている。大学に必ず受かりたいと思っているわけではない。」 彼は毎週土日は塾に来て大西さんの国語を受けていた。先週から塾頭にマンツーマンで英語を教えてもらっていた。彼はテンションが保てないものが塾に来て授業を受けるのがもうしわけないと言う。テンション。塾頭が良く使う言葉だ。誰に対してもうしわけなく思っているのだろう。受かるために塾を利用するかしないかだけの話だと思うが。塾を辞めるための言い訳か? 「やっぱり辞めます。」根性なしめ!畜生。 2002年駿台マーク模試を選んだのは自信をつけさせるためである。平均点は66,4点。ポイントは2つ。確率の問題を解いていて、公式が使えなかったらすべての起こり得る場合を書き出せるかどうか、数列の最後の問題、4ケタの数列の和を自信を持って書けるかである。昨日休んだ功樹が来ていなかったら電話して来させるつもりだった。今日は1時間マルマルかかってしまって94点。確率で手間取って点を落とした橋本と大輔。橋本89点。大輔90点。卓は数列の最後の和が合わず84点。あすかは今日は頭の中が真っ白にならなかった。数列も検算する念の入れよう。90点。奥義の伝授に30分。 塾頭との話。「来た患者が今日みたいだったらどうする?」「もうすぐ死んでしまうほどの病気で、どちらかと言うと生きたい。治療は受けるが必ず治りたいとは思わない、ですか。」オレの脳は答えなかった。 「50点以下は文系やな」10時からはじめた良太への塾頭のありがたい言葉。 10時半から高1と花衣への解説。確率と数列をさっきより詳しく説明。第82項から第100項までの和はS100−S81で計算できることを第1項a1からホワイトボードに書きながらしゃべる。 黒田の授業が終わったのが0時50分。健太と佳子に問題をくばった。オレのセンター対策の授業に「来週は学校のテストですから」と難色を示した健太だったが素直に解き始めた。「今日は誰がトップなん?」問題を解く前の健太の言葉。かわいい奴だ。健太81点、佳子89点。 菊山95点。高3は84〜90点と目標の点数にあと一歩か。花衣76点。彼女は一人3階で受けた。彼女の後ろでは高1のがきどもが答えあわせをしていた。騒がしいヤツら。「昨日より簡単だったで。」50点台だった。花衣は集中力を保てなかったんだろうか。まだまだ甘いぜ。 良太72点。「佑輔以外、菊山に負けるんか。」高3の誰かがこぼす。兄貴を引っ張り出すことを考え、良太をきょうのMVPにしよう。
11月27日 今日は4時50分。急いで今日の分をコピー。1995年数T(旧課程)。オレが現役のときのセンターだ。例年にない計算量で受験生が真っ青になったあの問題である。オレは当時76点。生意気な佑輔は今日は来るだろうか。たまたま来ていた綾奈と拓也にもやらせてみよう。 5時開始。30分で昨日の問題を解き、5時半から今日の問題を解くことになる。少し遅れて佑輔登場。昨日の分と今日の分をわたした。 こんなに重かったかな。25分で第1問を解き終わる。少しround。今日はなんだか違う。俺が後ろに立ってもペンを止める奴はいない。計算用紙を落としても無視しやがった。突然の着信音。今日は第3問で中断した。 6時30分終了。佑輔100点。1時間半で2回分やりよった。もう1つは94点。「解説はいりません。ありがとうございました。」とさっさと帰って行きやがった。うーん。かっこいい。俺がエースだ、みたいな感じだ。橋本92点。卓80点。健太71点。あすか62点。大輔57点。花衣62点。直嗣44点。綾奈33点。拓也20点。 ヤツらの授業を聞く視線が鋭い。卓の顔が真っ赤だ。体温が上がっているのだろう。貪欲に吸収していってくれ。今日の解説はいつもより力が入った。計算短縮のための式変形を伝授。 今日のみどころ。第1問、第2問は誘導どおり計算するだけ。膨大な計算量に負けずに最後まで辿り着けるか、その一点だけである。第3問で唯一頭を使うところ、垂線の足Hの軌跡がどんな円周上に来るかはたいしたことじゃない。今日の高3の得点は彼らの計算の速さ、正確性、ミスってもあきらめない根性を物語っている。卓が伸びてきた。剣道で培った集中力を出してきたか。大輔が気になる。時間内には終わっていなかった。 塾頭との会話。「佑輔は100点か。第1関門突破と言うところか。」「綾奈は途中で手が出なくなって解くのを辞めてしまったのですが。弱点ですかね。」彼女は今年の高2河合塾記述模試で200点満点を取っていた。「分数関数はあの子らやってないんちゃうかな。」だてに塾頭はやっていない。鋭い指摘だ。そのとおり。第2問は旧課程で彼女らの習っていない問題だった。オレの出題ミス。高2、高1の点数は参考程度になりそうだ。 高1は佐藤君に任せて今日は国試の勉強をしよう。 遅れてきた佳子への解説。文系は分数関数はやってないので第2問はできていなかった。残り65点分で勝負。39点だった。第1問での計算ミス。第3問で彼女の点が伸びない原因がわかった。動点P(a,2−a)のx軸に対称な点P’と原点Oを通る直線OP’にPからおろした垂線の足Hの座標が正確に書けていない。結果をイメージするために作図すると言うことがわかっていないのだろう。それともう1つ。(3)の問題でaをもとめよ、OP2をもとめよと問われたときに対処できない。センター試験では何かわからないものが聞かれたら9割がた(1)、(2)で計算させられていることが、身に染みていないのだろう。対処法としては、毎回のテスト後、上記のことをこちらからチェックすることだろう。 12時。佐藤君の高1に対する解説が終わった。すまない。高1に旧課程の範囲を教えるのは骨が折れるはずだ。「彼らは円の方程式も知りませんでした。」本当にすまない。点数の発表のときにお詫びの言葉を書いておこう。 塾頭は高田恵の発表が気になり京都の森下君に電話をかけまくっていた。そして京都に行ってしまった。 11月28日 家から40分かかった。Because traffic.車で彼らがマーク模試で取れない理由を考えた。河合塾のだからか?別所書店で河合塾の2003年版マーク対策問題集を購入した。佳子から今年の第1回から3回のマーク模試の問題を借りた。研究あるのみ。 5時前に健太以外が揃っていた。昨日の問題を前の机に置いた。誰が一番初めに取りに来るのだろう?突然こんな考えが頭を横切る。前に座ったまましばらく待つことにした・・・・・・・・・・・・・・・って、誰も取りにこねー。無益な時間が過ぎていく。佑輔がティッシュを取りにオレの視界にチラチラ入るが問題を取るわけではない。あすかが立ち上がり後ろの出口まで歩いて行って、ただ戻ってくる。卓が立ち上がったがあすかに化学の問題を聞きに行っただけだった。大輔と花衣は寝ている。30分が過ぎ去りオレは今日の問題をわざわざ3階にコピーしに行くことにした。両手がふさがって1階に降りていくときに少しの期待感。誰かが始めているかもしれない。自分の愚かさを呪う。1階はオレが出て行ったときのままだった。「おまえらな、オレが5:00〜6:30とホワイトボードに書いて、じゃあ始め、と言われないと始めんのか。」つい、ありがたい言葉をたれてしまった。かわいそうな奴ら。オレのふるまいが意味不明でどう対処していいか困ってただ茫然とさせられていた。アクションを起こせ。大学を受けるのはお前らだ。 7時が終了の時間だったがペンを動かしているヤツがまだいた。オレはまた待つことにした。7時7分終了の合図を出し、時間を守って自らペンをおく勇気を持とう、みたいな話をした。解説を続いてする気にはなれなかった。伝えるべきことは山ほどあるのだが。 大輔がすぐに質問にきた。できなかったのは場合の数、必要十分条件。正確には質問ではない。確認、である。彼は男5人、女4人を3人ずつ3グループに分けるときに、9C3 ×6C3を3!でわるのを忘れていた。「やっぱり割るんですよね。」と言ってきやがった。「そこで確信をもってわれる人間が通る。割れるか割れないかで勝負が決まる。」またまた精神論。今日は鬼になろうかな。 数学では今から自分が使おうとしている定理、公式が100%合っていないとその先の計算ができない。間違っているかもしれない公式を使おうと思ったら、その確認の作業は二通り。1つは元の簡単な公式から使おうとしている公式を導き出す(例えば三角関数の和積)、もう1つは0、1、2など簡単な値を代入して成り立つか試すことである。しかしながら、センター試験ではその作業時間1分が勿体ない。自分の脳にアクセスすれば0,1秒で先へ進める。自分の覚えたことに100%確信が持てていない。大輔の原因はそのあたりにありそうだ。大輔58点。 健太とあすかが上がってきた。健太には地理も教えているのだが、彼は表やグラフなどのデータを読ませると鋭い。知識がない場合も数字だけで答えをわり出す。勘が鋭いのだと思う。ようやく数学にも発揮し始めたというところか。あすかには地道な努力という言葉が似合う。今日を含め全4回分の問題を丁寧にノートに張ってポイントをまとめているのは彼女だけであろう。ようやく実を結び始めたということか。健太82点。あすか74点。 菊山の弱点がわかった。場合の数と数列が空欄だった。「勉強してないっすから。嫌いなんすよ。」一緒に受けた直嗣は「ベストコンディションでやりたかった。」菊山65点。直嗣42点。捨て台詞は一丁前。 実践練習以外にも対策が必要なのは大輔、花衣、佳子あたりか。6年ぐらい前に誰かが大好きだった問題集があたまに思い浮かんだ。さっそく基礎問題精講数TAの場合の数15ページをコピー。3人に配る。やり方は簡単で次の4段階。@問題をみて式をたてる。A式があっているか答えで確認する。B解説をみてなぜその式がたったのかを考える。Cこれを1ページ1分でやる。 問題をみたら自動的に答えが思い浮かぶようになる訓練である。First impressionは8割当たる。初めて診た患者に対して、抱いた病名の当たる確率だ。本当は9割か、もしくは7割だったか、データが手もとにないのが申し訳ないが、そんなことはどうでも良くて、彼らには直感を磨いて欲しい。 塾頭は高田恵が京都女子大を落ちたのにショックを受け、さっさと眠ってしまった。
11月29日 5時20分着。卓と橋本がすでに来ていて昨日の問題をやっていた。橋本は昨日は100点、卓は67点であった。橋本のペンが止まらない。25分で終了した。卓はまだやっていてあと7〜8分はかかりそうだ。 各予備校の数TAの過去問から生徒にさせる問題を探している間に気づいたこと。駿台、代ゼミ、河合塾と三大予備校と呼ばれる中で河合塾のマーク模試は他の2つと比べて何かが違う。代ゼミは純粋にセンターが意識されて作られている。代ゼミマーク模試=センター対策の図式が成立する。俺が代ゼミに通っている時の地理の講師は昔文部省でセンターの出題委員だった。駿台は少し高等なというかテクニカルに計算させる問題が目に付く。計算は極力少なく、扱う情報量は多く、難関国公立理系の要請に定評のある駿台ならではだ。河合塾はというと、マークというセンター形式はとっているものの問題の迎合性に乏しい。計算量が多いのは類似点であるが設問と設問との間が飛び過ぎている。扱う情報量は駿台より多く、計算はセンターより多く、誘導は飛躍があって不親切。試験時間の絶対的な不足に苦しみおそらく受験者の多くはヒイヒイ言いながら解く。1時間では到底足りない。どうやら、新傾向問題を意識しているのか、私立対策も若干入っているようだ。 10月のマーク模試で高3全員が60点以下と低迷し、全員E判定と惨散たる結果であったことがオレの頭にある。今回のセンター対策の目的の一つは、12月8日の河合塾センタープレテストで得点をたたいてもらい自信をつけてもらうことである。第5回の今回で数TAはひとまず終わり。来週から数UBを始めることになっている。今日はセンター対策ならぬセンタープレ対策である。河合塾の新傾向問題はプールされ、何回かに1回の順番で繰り返し出されているかもしれない。去年の河合塾の模試の問題を研究し、今年の問題も手に入れた。去年と今年の傾向から今年のプレテストの問題を読もうとした。センター試験本試追試共に、特に追試が参考にされている可能性が高いので過去5年分をチェックして山を張ろうとした。河合塾の予想が外れまくっていることがわかっただけだった。今日は何も考えずに去年のセンタープレにしよう。 去年の河合塾センタープレ。勝負どころは第1問の2次関数と第2問の整式が各5分でさばけるかどうかだ。時間がかかりそうなところは、確率:5角形の辺と対角線の引き方を条件全ての場合を書き出せるか、三角比:正確に作図ができ余弦定理が2本同時に立てられるか、である。 試験終了後、去年の受験者のため息が聞こえた。卓77点。橋本74点。オレ様75点。今日はえらそうなことを言うのはやめよう。3人とも落としたのは予想どおり。確率、三角比、時間が足りなくて数列が最後まで終わらなかった。卓が始めて橋本に勝つ。そしてオレにもだ。始めて3日目から卓の成長を感じる。あさっての方向を向いていたベクトルがセンター数学に合ってきた気がする。卓と橋本の違い。橋本は淡々と鉛筆をきざみ、たち止まる時間はほとんどない。条件反射的に問題を解いている。卓はずっと考えている。考えた後鉛筆をたたきつけ始める。 昨日解説はしなかったので、今日は念入りに行うことにした。確率、三角比のみだけどね。作図をしながら2人に解説。 菊山と直嗣が来たので彼らにもやらせた。 高1は1人も参加せず。 今日は飯食って国試の勉強をする時間ができた。 菊山と直嗣に解説。あまりやる気がないので15分で終了。今日はちと強引過ぎたか。彼らはテスト週間にもかかわらず自分の意志で先輩に挑んでいる。高3の面々は彼らの意志を受けきれているのだろうか。 古市ねえちゃんの生物が12時に終わり、あすか、大輔、佳子が戦闘開始。佳子はこのごろ朝の5時に起きているそうだ。それを受けて「いつも朝の12時。」と古市舞。 佳子53点。あすか62点。大輔63点。間違う場所はみんな同じ。佳子はさらに整式の問題で計算ミスをしていた。大多数の受験生が合わせてくる問題は間違ってはならないと思う。佳子はあすは模試のためすぐに帰っていった。束の間の休息。あすか、大輔に解説。段々作図がうまくなってきた。5:3とか、4√7など数値も覚えてしまっていた。 2時過ぎ、花衣からの電話。「数学は明日やっていいですか。」中塚の物理の授業がようやく終わったところだった。花衣は昨日あまりみてやれなかった、が仕方がないか。土日に何とか来ることにしよう。 12月2日 今日から数UBである。今日は仕切りなおし。早速最も難易度の高いといわれている98年度センター試験本試の問題をコピー。8期生が受けた年で浪人の岡田さんが40点と崩れ、斎藤が60点ちょっと、村瀬の姉ちゃんが80点ぐらいだったはずだ。彼らに現実の荒波を見せよう。ライオンの母親が子供を谷に突き落とすように。オレは母親ではないし、ライオンの子供がいるかどうかもわからないが。先週数TAで順調に得点を伸ばしてきた卓、健太、あすかの点数が見ものだ。佳子、大輔、花衣が気になる。佑輔と橋本は時間内に計算が終わっているかどうかのみ見ていくつもりだ。 今日のポイント。第1問の対数関数は落とせない。三角関数の連立は合成ができてあたりまえ、しかし最後のsinθまでの道のりは長い。第2問の2次関数はaの6乗まで出てきて不安になるはずだ。面積を冷静に計算できるかどうか。第3問ベクトルはPQベクトルの2乗を計算できるか。(a+b+c)2 =a2+b2+c2+2ab+2bc+2caを使う、厄介極まりない。第4問、第5問は好きなようにやっていただけたらいい。 花衣が7時ごろ登場。問題をわたしてふるい塾で解くように指示。 橋本71点。卓55点。健太64点。あすか54点。大輔41点。佳子49点。佑輔83点。こやつらの目標点は90点以上。佑輔は7点、大輔に至っては49点足りない。 見直しをしていた奴は一人もいなかった。まだまだ時間が欲しそうな、というより第1問も第2問も第3問と第4問と第5問の2問選択も最後まで終わっていなかったこいつらに、自分で引き続き解くように言い解説をコピーしてわたした。授業が成立するはずもないからだ。今日のオレの仕事は一人一人にわからないことがあるかどうか尋ねることだ。 高1は全員今日からテストで化学の授業は中止。質問を聞くことに。 今日の結果を見ながらの塾頭の言葉。「う〜、さぶ。」寒いのは12月に入ったからだけではなさそうだ。 花衣の点が気になるのでふるい塾に移動。「全然できなかった。」と点数は言いたがらない。仕事柄強引に聞き出した。45点だった。できなかった問題は前述、今日のポイントのとおり。方程式、三角関数の問題について1時過ぎより説明を始めた。 12月3日 今日は自分の都合を優先させてしまい9時過ぎからの登板。申し訳ない。9時半から1時間今日の問題を解き11時から解説をするつもりであったが、高1の秋田、松原、直矢、竹中の質問攻撃にあい、1時間で解けず、解説も11時30分からになってしまった。夕方やったのが橋本、卓、大輔、あすか、佳子。それぞれ93点、67点、75点、79点、53点だった。ポイントはあいまいだが答えと解説を見ながら授業でしゃべることを考える。今日は2002年度駿台実戦模試第1回。対数関数の計算ができるかの1点のみで問題を選んだ。佑輔だったら今日は100点だ。佑輔と橋本。佑輔はアスファルトの上を爆走する。橋本は道に迷うことが余りない。 佑輔は100点。花衣は62点。健太はあすに持ち越しか。 大輔、花衣、あすか、佳子に解説を行った。Logの計算の仕方を解説。ベクトルは始点をあわせることで分点の公式が使える3角形を探すと説明。 授業の後、佳子、花衣から質問を聞く。2人とも3角関数の公式、倍角、半角、3倍角の公式が抜け落ちていた。問題外の失態である。さっそく基礎問題精講の公式が載っているページをコピーしてわたした。佳子がつぶやいた。「塚崎さんとあんなに複素数勉強したのに、時間がなくてできやん。」彼女は苦手な関数の問題第1問第2問を先に解いていたのだった。苦手な問題から始め、考える時間も長いのに、最後の答えまで辿り着くわけでもない。効率の悪い時間配分。得意な問題からやるのは受験の常套手段なのだが。あすは複素数から始めるように念を押すことにしよう。
12月4日 5時すぎに出勤。橋本、大輔、あすか、佳子が問題を解いていた。復習の成果か、はたまた答えを覚えているのか、全員が30分で昨日の問題を終えた。「最後が答えと違うんですけど。」と大輔。じゃあ計算しなおすんだよ、バカモノが。 今日の問題は2002年度河合塾第2回マーク模試。昨日log、三角関数の問題だったので2次関数と円の領域の問題を選んだ。当時の平均点は45.9点。佳子の方を見つつ「みんな得意な問題からやろうな。」といって17:52戦闘開始。 橋本が見直しをしていた。今日は100点なんだろうか。 全員ベクトルができていなかったのでそこを解説。(1)、(2)ともに2つのベクトルが垂直だったら内積0を使えば必ず解けるはずである。なんでできへんの。空間ベクトルにおいて、tを使って直線をパラメータ表示し、単位ベクトルを使ってのベクトルの延長によって、正三角形PQRの座標を求めることをホワイトボードへ。(1)から説明したらあすかが寝てやがった。今日の解説は佳子に合わせた。少し退屈になったのだろうか。「先輩、そこの√は結局yを2乗するからはずさなくていいですよ。」「−aじゃなくて−2aですよ。」橋本が的確にオレの間違いを正していく。96点だったくせに生意気言うんじゃねぇ、と思うオレと、ロートルになっちまった、と思うオレ。7時半になったので終了。 大輔とあすかは第1問第2問ともに計算ミスか。なおらんなあ、こいつら。二人とも71点。橋本は第3問ベクトルを途中までやってわからず、第4問複素数、第5問確率を採点して各20点満点だった。第3、4、5問は配点20点ずつで2問選択である。今日は強気だったのが理解できた。全ての問題に目を通し見直しまでする余裕。会心の出来だったのだろう。佳子は今日、複素数で満点とっているはずだ。59点。複素数は11点。なんでやねん。 佳子への解説。彼女の遅い理由2つ目。グラフを描くのが遅い。「問題読んでから30秒で書け。」2次関数とその接線のグラフ。平方完成10秒、接線の式10秒、作図に10秒。3つ目。最大最小の問題。まず接点、その次に頂点など特別な点を直感的に代入する。4つ目。3x+4y=16とy=−1/4 x2 + 1/4 x+3 の連立をx=2まで書くんじゃねぇ。x2 −4x+4=0 の時点で x=四角 カ に2と書き込んで終わりだろう? センターってそんなもんじゃないのか。嗚呼、あすかのお母さんからいただいた牛丼が冷えていく。複素数は自分で考え答えまで辿り着く。8時半に終了。お茶を買って牛丼を開く。中身はカツ丼だった。 まだ来ていない卓が気になる。第6回(月)55点、第7回(火)67点と高3の中では下から数えた方が早い。先週の数TAでは佑輔、橋本に次ぐ成績であった。経験値不足か、単に勉強していないのか、今日の結果で分かる。 12時半にふるい塾へ移動。横田の化学はもう終わっている頃だ。夕方来なかった卓、健太、花衣、佑輔の結果が知りたかった。終わっていた者、0人。卓に託した今日の問題は机の上に放置。「昨日の問題だけだと思ったんですよ。」と卓。怒り心頭。幼い頃より母から教わったポーカーフェースを装う。4人に今日中にやることと言い残してその場は去る。
2時前、花衣からの電話。「わたしは65点、卓60点、佑輔94点でした。」卓が重症。しかし、今日の俺の業務はすでに終了していて左手にビール。健太はまたまたあすに持ち越し。明日、夕方集まる面子でセンター試験への意気込みがわかる。
12月5日 4時半過ぎに到着。すでに7人がきていた。思うような点が取れないことに対する危機感か、はたまた今日早く学校が終わっただけなのか、本人のみぞ知る。来てないのは佑輔だけか。知らんからな。今日の問題は2001年度代ゼミおそらくセンタープレ。当時の平均点は47.6点。しかし平均点は基準とならない。本番のセンターで何点取れるか。勝敗の基準はそこである。今日代ゼミを選んだ理由もう1つ。三角関数の3倍角が書いてあったからである。それ以外の問題については何も考えず。問
12月6日 大輔が昨日の問題の第3問をやっていた。5時35分。30分では終わらなかったのであろうが、昨日の今日やった問題、解き方は覚えているはずである。計算が遅い、次の展開が読めていないから、考えるスピードが遅い。5時39分、卓、大輔、健太、あすかで開始。 トップページに戻る |