れいめい塾25時2002年前半 2002年後半

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「25時」 

2002年 3月 1日号

 今日は高校の卒業式だ。さすがに後期日程を目指す功樹も塾に来ていない。東京にいるアキちゃんを思った。もし文学部で一発当てていれば・・・と考えた。勇躍三重に戻ってきているはずだった。友人や先生方の喝采のなか卒業式の臨めただろう。しかしアキちゃんは今、悶々として東京の空の下にいる。

 俺がアキちゃんを追い込んだんじゃないか・・・その懸念が心の至るところで咆哮していた。

 中井が、喜びをただでさえ表面積の大きい顔満面にたたえながら姿を見せた。「先生、卒業した!」「おめでとう」 中井もまた明治大学入学以上に高校の卒業が危ぶまれていた。ことに高2の3学期はあと一日でも遅刻したら留年とまで言われて毎日を過ごしていた。ゆえに古西の現役時の合格発表での密航には唯一参加していない。俺は中井の卒業証書をコピーした。そして成績表も・・・。「なんやこれ、日本史の評価1やん!」「ああ、3年の1学期な。あん時は点数はクラスでトップやったけど授業態度や出欠で成績つけられて1にされたんや」「先生たち、何か言ってたか」「うん、肩なんか叩かれてさ、おめでとう!って。オマエの作戦勝ちやって」「なんやそれ」「僕がさ、高校入学時から高校の勉強せんと大学受験の勉強ばっかやって明治大学に合格したからさ」「なるほどね、やっぱ明治大学合格でちやほやされたか」「まあ、でも今年は上智大学に合格者も出たしね」「そりゃすごい!」「そいつは中学の時も学年でトップクラスやったんやけど、津や津西に行くの嫌って東に来たんや。でも上智が本命やなくて大阪大学が本命やって」「そりゃ中学ん時にキャリアがあったんだろ。オマエの中学の時にキャリアなんて猫のミケていどのもんや」「ハハハ、えらいこと言うわ」 中井は何を言おうが鷹揚に微笑んでいる。受験は魔物だ・・・合格すると人は神様になる。

 明日2日は古西と村瀬の早稲田大学商学部の発表・・・再び密航の準備に取りかかることに。まず古西、そして村瀬、そして高校生だが、帰りに大西君を乗せることになっている。俺のおんぼろエスティマは8名乗りだ。・・・となると高2は4名・・・希望者は5名。やっかいなことにジャンケンで1名脱落の憂き目に・・・佳子が選から漏れた。

 功樹もスーツ姿で現れた。そして着替えて勉強し始めた。功樹の受験はまだまだ終わっていなかった。予定では隆哉も後期日程を受けるはずだった。しかし東海大学の受験結果が出るや友人の家を泊まり歩き、塾に姿を見せることはなかった。戦線離脱・・・柔な精神じゃ受験はしのげない。功樹に何か言おうとした。殊勝なセリフを探した、しかし出てこなかった。少なくとも功樹はここに踏みとどまっている、戦線に踏みとどまっている。誉めてやりたい・・・しかし言葉が出てこなかった。出発の時間が迫っていた。俺はきびすを返した。

 深夜1時前、中3の愛矢歌を自宅まで送り届けた後、23号線を北上。助手席にはガタイの大きな古西、中央には村瀬とあすか(津西)と恵(高田)、村瀬が熟睡することはないだろう。そして最後尾には大輔と健太(津高)。総勢7名。再び往復1000kmのツアーが始まった。

     

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